ネットワーク中級編 構築・検証・障害切り分けを身につける
VLANやルーティングの用語を覚えるだけではなく、構成図・設定・showコマンド・ログ・パケットを照合し、 「なぜ通信できるのか」「どこで通信が止まっているのか」を根拠とともに判断できる状態を目指します。 全50記事と5つの章末演習を通して、運用監視・手順書作業から構築・障害対応へ進むための実践力を身につけます。
ネットワーク中級編の学習情報
修了後のゴール:通信障害に対し、構成図・設定・ログ・パケットを確認し、原因候補と次の確認項目を説明できる。
この中級編は、こんな人のためのコースです
「設定できる」から「動作を判断し、問題を切り分けられる」へ進むことを目的にしています。
対象となる人
- 初級編を完了した人
- ネットワーク運用・監視を担当している人
- 手順書に従った設定変更はできる人
- VLANやルーティングの用語は知っているが、動作説明に自信がない人
- 障害発生時に、どこから確認すべきか迷う人
- 設計・構築案件へ進みたい人
開始前に確認したい基礎
- IPアドレスとサブネットマスクの役割
- デフォルトゲートウェイの役割
- MACアドレス・ARP・Ethernetの基礎
- TCP・UDP・DNS・DHCP・NATの基本動作
- pingやipconfigなどの基本コマンド
開始時点のイメージ:「設定コマンドは投入できる」「showコマンドの結果をどう判断するか分からない」「障害時は詳しい人へすぐに聞いてしまう」
「通信できない」を、根拠を持って分解する
利用者の申告だけで判断せず、構成図から経路を確認し、L1・L2・L3・セキュリティ・サービスの順に仮説を立てます。 設定、機器状態、ログ、パケットを照合し、原因候補を狭めたうえで、確認結果と次の対応を報告します。
中級編を終えると、できるようになること
- VLANを使ったネットワーク分割を説明・検証できる
- ルーティングテーブルから通信経路を判断できる
- スタティックルートと動的ルーティングを使い分けられる
- STPやリンク冗長化の基本動作を説明できる
- ACLやファイアウォールによる通信制御を理解できる
- Wiresharkを使って通信の成立・失敗を確認できる
- 物理層からアプリケーション層まで順番に切り分けられる
- 調査結果・判断根拠・次の対応を文章で報告できる
「読む」だけで終わらない5ステップ
中級編では、正常構成を理解したうえで、設定・パケット・障害状態を比較し、報告まで行います。
構成を読む
機器・VLAN・IP・経路・責任分界を確認します。
設定を確認
showコマンドと設定値から正常条件を判断します。
パケットを見る
ARP・TCP・DNSなどの実際の通信を追跡します。
故障させる
意図的な設定ミスを作り、症状との関係を確認します。
報告する
事象・影響・確認結果・原因候補・次の対応をまとめます。
ネットワーク中級編・全50記事+5章末演習
第1章から順番に進めることで、L2・L3・サービス・パケット解析・実務文書を1本の障害対応プロセスとしてつなげます。
第1章:スイッチング
VLAN・トランク・STP・リンク冗長化の動作を検証する
MACアドレステーブルとフレーム転送を基礎に、VLAN分割、タグ付け、STP、EtherChannelの動作を説明・確認できる状態を目指します。
第2章:ルーティング
経路表を読み、スタティックルートとOSPFの経路選択を判断する
宛先IPアドレスとルーティングテーブルを照合し、最長一致、スタティックルート、デフォルトルート、OSPFの動作を根拠とともに説明できる状態を目指します。
第3章:ネットワークサービスとセキュリティ
通信を支えるサービスと、許可・拒否・暗号化・監視の仕組みを学ぶ
DHCP・DNS・NATなどのサービス障害を切り分け、ACL、ファイアウォール、VPN、無線LANセキュリティ、監視の基本を説明できる状態を目指します。
第4章:検証とトラブルシューティング
仮想環境・Wireshark・コマンド結果から、障害原因を順番に絞る
正常構成を作って基準を持ち、設定・ログ・パケットを比較しながら、VLAN、STP、ルーティング、サービス、性能問題を切り分けられる状態を目指します。
第5章:実務への接続
構成図・手順書・試験・報告を使い、調査結果を実務成果へ変える
技術的な確認だけで終わらず、構成・変更・試験・障害対応を文書化し、関係者やベンダーへ根拠を添えて伝えられる状態を目指します。
各記事・章末・最終課題でアウトプットする
中級編では、正解を選ぶだけでなく、コマンド結果・構成図・パケットから判断し、その根拠を成果物として残します。
各記事の実践問題
- コマンド出力の読み取り
- 構成図から通信経路を判断
- 設定ミスを見つける
- 障害原因と追加確認を選ぶ
- パケットキャプチャーを読み取る
章末の構築・障害演習
- Packet Tracerなどで構成を作る
- 正常時の設定と出力を記録する
- 意図的な障害を発生させる
- 確認順序と判断根拠を整理する
- 復旧確認と再発防止を考える
調査結果を文章で報告
- 発生事象と影響範囲
- 構成と通信経路
- 実施した確認と結果
- 原因または原因候補
- 暫定対応・恒久対応・次の行動
小規模オフィスネットワークの構築と障害対応
中級編の最後に、営業部・技術部・サーバー用のネットワークを設計・構築し、 あらかじめ仕込まれた障害を、構成図・設定・ログ・パケットを使って調査します。
構築要件
- 営業部・技術部・サーバー用にVLANを分割
- VLAN間通信を設定
- DHCPでアドレスを配布
- インターネット接続にNATを使用
- 管理通信をACLで制限
- STP・リンク冗長化を考慮
提出する成果物
- 論理構成図
- IPアドレス・VLAN一覧
- ルーティング設計
- ACL設計
- 単体・結合試験項目書
- 障害調査報告書
中級編の修了目安
記事を読んだ数だけではなく、構築・判断・説明・報告を自力で実行できるかで確認します。
次の4項目を確認してください
- 総合問題で80%以上正解できる
- VLAN・ルーティングを含む基本構成を作成できる
- 設定・ログ・パケットから障害原因を根拠とともに説明できる
- 事象・影響・確認結果・原因・対応を調査報告書にまとめられる
修了後は上級編へ
中級編で構築・検証・障害切り分けができるようになったら、要件定義、基本設計、BGP、クラウドネットワーク、 セキュリティ設計、Python・Ansible・APIによる自動化へ進みます。
ネットワーク上級編|要件定義・設計・クラウド・自動化へ進む(準備中)
ネットワーク中級編のよくある質問
初級編をすべて終えていなくても始められますか?
IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、ARP、TCP・UDP、DNS・DHCP・NAT、基本コマンドを説明できれば始められます。不安な項目だけ初級編へ戻って復習する方法でも問題ありません。
実機のCiscoルーターやスイッチは必要ですか?
必須ではありません。最初はPacket Tracerなどの学習用環境とWiresharkを使い、構成・設定・パケットを確認します。実機やCML、containerlabなどは、利用できる環境に応じて追加してください。
特定ベンダーのコマンドだけを学ぶコースですか?
いいえ。コマンド例ではCisco系の表記を使う場合がありますが、中心となるのはVLAN、STP、ルーティング、OSPF、ACL、VPNなどの共通原理と、出力結果から状態を判断する方法です。
記事は必ず第1章から順番に読む必要がありますか?
各記事は単独でも確認できる構成にします。ただし、第4章の障害切り分けでは第1〜3章の知識を組み合わせるため、体系的に学ぶ場合は第1章から進める方法がおすすめです。
学習進捗のチェックは保存されますか?
チェック状態は、このブラウザのlocalStorageへ保存されます。別の端末や別のブラウザには引き継がれません。ブラウザデータを削除した場合も進捗は消去されます。
設定を投入できる人から、状態を判断できる人へ
中級編では、正常な通信を作るだけでなく、故障した通信を調査し、確認結果を説明するところまで取り組みます。 記事公開後は、第1章のMACアドレステーブルから順番に学習を始めてください。