IPv6とは?アドレス表記・種類・SLAAC・NDP・設定確認を基礎から図解

ネットワーク中級編 19/全50記事

この記事は、 「ネットワーク中級編|構築・検証・障害切り分けを身につける」 の第19回です。

IPv4のルーティングを学んだ知識を土台に、IPv6アドレスの読み方、 アドレス種別、自動設定、近隣探索、確認コマンドを順番に学びます。

IPv6とは?アドレス表記・種類・SLAAC・NDP・設定確認を基礎から図解

IPv6は、128ビットのアドレスを使用する次世代のIPプロトコルです。 この記事では、長いIPv6アドレスを正しく読む方法、プレフィックス長、 グローバルユニキャストとリンクローカル、SLAAC・DHCPv6、NDP、 Cisco・Windows・Linuxでの確認方法まで、実務につながる形で解説します。

対象レベル Level 2・中級
想定読了時間 約25分
身につく成果 IPv6アドレスと基本通信を読み取れる
前提知識 IPv4・ルーティングの基礎
演習環境 Cisco IOS・PCコマンド例

IPv6アドレスは、2001:db8:10:1::10のように長く見えるため、 最初は「どこから読めばよいのか分からない」と感じやすい技術です。

しかし、実務で最初に押さえるポイントは多くありません。 表記の省略ルール、プレフィックス、アドレス種別、NDPによる近隣探索を理解すれば、 設定やコマンド出力を読み始められます。

この記事を読み終えるとできること

  • IPv6が128ビットで構成されることを説明できる
  • IPv6アドレスを省略・復元できる
  • 主要なIPv6アドレス種別を見分けられる
  • プレフィックス長から同一ネットワークを判断できる
  • SLAAC・DHCPv6・RAの役割を区別できる
  • NDPとICMPv6が通信に必要な理由を説明できる
  • Cisco・Windows・Linuxの確認コマンドを使える
  • IPv6通信障害の確認順序を整理できる

IPv6とは何か

最初に覚える定義

IPv6とは、128ビットのIPアドレスを使い、 ネットワーク上の機器を識別してパケットを届けるためのプロトコルです。

IPv6は「Internet Protocol Version 6」の略です。 IPv4と同じくネットワーク層で動作し、送信元アドレスと宛先アドレスを使ってパケットを転送します。

IPv4アドレスは32ビットですが、IPv6アドレスは128ビットです。 そのため、利用できるアドレス数が大幅に増えています。

IPv4とIPv6のアドレス長

IPv4:32ビット 例:192.0.2.10
10進数をピリオドで区切る
IPv6:128ビット 例:2001:db8:10:1::10
16進数をコロンで区切る

IPv6が必要になった背景

インターネットへ接続する端末、スマートフォン、クラウド、IoT機器などが増え、 IPv4の約43億個というアドレス空間だけでは、世界中の需要を十分に満たしにくくなりました。

IPv4では、プライベートアドレスとNATを組み合わせてアドレスを節約しています。 IPv6は、より広いアドレス空間を利用し、ネットワークの拡張に対応するために設計されています。

IPv6が普及しても、IPv4が直ちに使えなくなるわけではありません。

実際のネットワークではIPv4とIPv6を同時に使うデュアルスタックなど、 段階的な移行方式が利用されています。共存方式は次の記事で詳しく解説します。

IPv4とIPv6の主な違い

比較項目 IPv4 IPv6
アドレス長 32ビット 128ビット
表記例 192.0.2.10 2001:db8:10:1::10
区切り ピリオド コロン
ネットワーク部 サブネットマスクまたはプレフィックス長 プレフィックス長
ブロードキャスト あり なし。主にマルチキャストを利用
近隣のアドレス解決 ARP NDPのNS・NA
自動設定 DHCPなど SLAAC、DHCPv6、手動設定
ループバック 127.0.0.1 ::1
DNSレコード Aレコード AAAAレコード

IPv6にはブロードキャストがない

IPv6では、IPv4のようなブロードキャストアドレスを使用しません。 特定の機能を持つ複数のノードへ通知するときは、マルチキャストを使用します。

たとえば、同一リンク上の全ノードを示す代表的なマルチキャストは ff02::1、全ルーターを示すものはff02::2です。

IPv6では「ブロードキャストがマルチキャストへ置き換わった」と覚えるだけでなく、 必要な対象だけを示すマルチキャストグループを使うと理解しましょう。

IPv6アドレスの表記方法

IPv6アドレスは128ビットです。16ビットずつ8つのグループに分け、 各グループを4桁の16進数で表し、コロンで区切ります。

省略していないIPv6アドレス

2001: 0db8: 0000: 0001: 0000: 0000: 0000: 0010

1グループは16ビット。8グループで合計128ビットです。

省略ルール1:各グループ先頭の0を省略する

各グループの先頭に連続する0は省略できます。 ただし、グループ内の末尾にある0は省略できません。

2001:0db8:0000:0001:0000:0000:0000:0010
2001:db8:0:1:0:0:0:10
元の表記 省略後 理由
0db8 db8 先頭の0を省略できる
0000 0 すべて0でも1桁は残す
0010 10 先頭の00を省略できる
1200 1200 末尾の0は省略できない

省略ルール2:連続する0のグループを「::」に置き換える

0だけで構成されるグループが連続している場合、そのまとまりを ::で省略できます。

2001:db8:0:1:0:0:0:10
2001:db8:0:1::10

::を1つのIPv6アドレス内で使用できるのは1回だけです。

2回使うと、それぞれが何個の0グループを省略しているのか判断できなくなるためです。

省略されたアドレスを元に戻す方法

2001:db8:10::25を、省略していない8グループへ戻してみます。

  1. ::以外のグループ数を数える 2001db81025の4グループです。
  2. 8グループになるまで0を補う 8-4=4なので、::は4つの0000を表します。
  3. 各グループを4桁にする db80db8100010250025です。

復元結果:
2001:0db8:0010:0000:0000:0000:0000:0025

記事内の2001:db8::/32は、説明・ドキュメント用に予約されたプレフィックスです。 実際のインターネット接続や本番ネットワークへ、そのまま設定しないでください。

プレフィックス長の考え方

IPv6では、IPv4の255.255.255.0のような10進数のサブネットマスクではなく、 /64のようなプレフィックス長でネットワーク範囲を表します。

プレフィックス長

/64は、IPv6アドレスの先頭64ビットがネットワークを識別する部分であることを示します。

2001:db8:10:1::10/64のイメージ

先頭64ビット:プレフィックス 2001:db8:10:1
ネットワークを識別する
後半64ビット:インターフェース識別部 0000:0000:0000:0010
同一リンク内のインターフェースを識別する

同じ/64かを判断する

端末 IPv6アドレス 判定
PC-A 2001:db8:10:1::10/64 先頭64ビットが同じため、同一ネットワーク
PC-B 2001:db8:10:1::20/64
PC-C 2001:db8:10:2::30/64 4番目のグループが異なるため、別ネットワーク

なぜ/64をよく使うのか

一般的なIPv6のLANでは/64が標準的に使われます。 SLAACでアドレスを生成する場合も、通常は64ビットのプレフィックスと 64ビットのインターフェース識別部を組み合わせます。

すべてのIPv6用途が必ず/64という意味ではありません。 ルータ間リンクやループバック、経路集約などでは、設計に応じて別のプレフィックス長も使用されます。 まずは「端末が接続される一般的なLANでは/64」と理解してください。

IPv6アドレスの種類

IPv6では、アドレスの先頭部分を見ることで、おおまかな用途を判断できます。 実務で最初に覚えたい代表的なアドレスを確認します。

2000::/3

グローバルユニキャスト

インターネット上で一意に使用するアドレスです。 IPv4のグローバルアドレスに相当します。

fe80::/10

リンクローカル

同一リンク内だけで使用します。IPv6インターフェースでは重要な基本アドレスです。

fc00::/7

ユニークローカル

組織内部などで利用するアドレスです。ローカル生成では通常fd00::/8側を使用します。

ff00::/8

マルチキャスト

特定のグループに所属する複数ノードへパケットを届けます。

::1/128

ループバック

自分自身を示すアドレスです。IPv4の127.0.0.1に相当します。

::/128

未指定アドレス

まだ自分のアドレスが決まっていない状態などで、送信元として一時的に使用されます。

リンクローカルアドレスは必ず確認する

リンクローカルアドレスは、同一リンク内の通信、ルーター探索、NDP、 動的ルーティングプロトコルのネクストホップなどで利用されます。

ルーターのインターフェースへグローバルユニキャストアドレスを設定していても、 リンクローカルアドレスが併せて存在します。

リンクローカルアドレスは複数インターフェースで同じ値が存在する可能性があります。 PCからfe80::宛てに通信するときは、 fe80::1%12のようにインターフェースを識別するゾーンIDが必要になることがあります。

Anycastは専用の見た目ではない

Anycastは、同じユニキャストアドレスを複数ノードへ設定し、 ルーティング上もっとも近いノードへパケットを届ける使い方です。 グローバルユニキャストやユニークローカルと見た目だけで区別できる専用プレフィックスではありません。

IPv6アドレスの設定方法

IPv6アドレスは、手動設定、SLAAC、DHCPv6などの方法で設定できます。 端末がどの情報をどこから受け取るのかを区別することが重要です。

1

手動設定

管理者がIPv6アドレスとプレフィックス長を設定します。 ルーターやサーバーなど、固定値が必要な機器で利用します。

2

SLAAC

端末がルーター広告を受信し、通知されたプレフィックスを使って自分のアドレスを生成します。

3

DHCPv6

DHCPv6サーバーからアドレスやDNSサーバー情報などを受け取ります。 ステートフルとステートレスがあります。

SLAACの基本的な流れ

💻 リンクローカル生成 端末が自分のリンクローカルアドレスを用意する
📣 RSを送信 ルーターへ広告を要求する
📡 RAを受信 プレフィックスやデフォルトルーター情報を受け取る
アドレス生成 DADで重複を確認し、利用を開始する

RAが持つ重要な役割

ルーターはRouter Advertisement(RA)を送信し、 端末へプレフィックス、デフォルトルーター、アドレス設定方法に関する情報を通知します。

DHCPv6を使用する構成でも、一般にデフォルトルーターの発見はRAで行います。 「DHCPv6を使えば、IPv4のDHCPと同じようにすべてが配布される」とは限りません。

方式 IPv6アドレス DNSなどの追加情報 デフォルトルーター
手動設定 管理者が設定 管理者が設定 手動またはRA
SLAAC 端末がRAのプレフィックスから生成 RAまたは別方式 RAで学習
ステートレスDHCPv6 主にSLAACで生成 DHCPv6から取得 RAで学習
ステートフルDHCPv6 DHCPv6から取得 DHCPv6から取得 RAで学習

NDPとICMPv6の役割

IPv6では、Neighbor Discovery Protocol(NDP)が近隣ノードやルーターを発見します。 NDPはICMPv6メッセージを使って動作します。

NDPの役割

NDPは、IPv4のARPだけでなく、ルーター探索、プレフィックス通知、重複アドレス検出なども担当します。

🔎 RS Router Solicitation
端末がルーター広告を要求
📣 RA Router Advertisement
ルーターが情報を広告
NS Neighbor Solicitation
近隣のリンク層情報などを問い合わせ
💬 NA Neighbor Advertisement
問い合わせへ応答
🧭 Redirect より適切なネクストホップを通知

NS・NAはARPに似ている

同一リンク内の宛先へパケットを送るには、宛先IPv6アドレスに対応する Ethernet上のMACアドレスを把握する必要があります。

送信元はNeighbor Solicitation(NS)を送信し、対象ノードがNeighbor Advertisement(NA)で応答します。 この結果は近隣キャッシュへ保存されます。

DADでアドレス重複を確認する

IPv6アドレスを使用開始する前に、同一リンク上で同じアドレスが使われていないかを確認します。 この処理をDuplicate Address Detection(DAD)と呼びます。

ICMPv6を一律に遮断してはいけません。

ICMPv6はpingだけではなく、NDP、ルーター探索、エラー通知、 Path MTU DiscoveryなどIPv6の基本動作に関係します。 ファイアウォールでは、必要なICMPv6タイプを理解して制御する必要があります。

IPv6通信の流れ

同一ネットワーク内へ通信する場合

PC-Aから同じ2001:db8:10:1::/64に所属するPC-Bへ通信する流れを確認します。

1 プレフィックス比較 宛先が同じ/64に所属すると判断する
2 近隣キャッシュ確認 宛先のMACアドレスを学習済みか確認する
3 NS・NA交換 未学習ならNDPで宛先のリンク層情報を取得する
4 直接送信 PC-BのMACアドレスを宛先にしてフレームを送る

異なるネットワークへ通信する場合

宛先が別プレフィックスに所属する場合、端末はデフォルトルーターへパケットを送ります。 Ethernetフレームの宛先MACアドレスはルーターですが、IPv6ヘッダーの宛先アドレスは最終宛先のままです。

異なるIPv6ネットワーク間の通信

💻 PC-A 2001:db8:10:1::10/64
📡 Router RAでデフォルトルーターとして認識される
🧭 IPv6ルーティング 最長一致で出力先を選択する
🖥️ Server 2001:db8:20:1::20/64

IPv6でも、経路選択の基本はIPv4と同じです。 ルーターは宛先IPv6アドレスをルーティングテーブルと比較し、 最長一致する経路を選択します。

Cisco IOSのIPv6設定例

次の構成を想定し、ルーターの2つのインターフェースへIPv6アドレスを設定します。

機器・インターフェース IPv6アドレス 用途
R1 GigabitEthernet0/0 2001:db8:10:1::1/64 PC側ネットワーク
R1 GigabitEthernet0/1 2001:db8:20:1::1/64 サーバー側ネットワーク

IPv6ルーティングを有効化する

R1# configure terminal
R1(config)# ipv6 unicast-routing

ipv6 unicast-routingは、ルーターがIPv6パケットをインターフェース間で転送し、 RAを送信するための基本設定です。

インターフェースへIPv6アドレスを設定する

R1(config)# interface GigabitEthernet0/0
R1(config-if)# description PC-LAN
R1(config-if)# ipv6 address 2001:DB8:10:1::1/64
R1(config-if)# no shutdown
R1(config-if)# exit

R1(config)# interface GigabitEthernet0/1
R1(config-if)# description SERVER-LAN
R1(config-if)# ipv6 address 2001:DB8:20:1::1/64
R1(config-if)# no shutdown
R1(config-if)# end

グローバルユニキャストアドレスを設定すると、通常はインターフェースにリンクローカルアドレスも生成されます。 必要に応じてipv6 address fe80::1 link-localのように手動設定することもあります。

設定と状態を確認する

R1# show ipv6 interface brief
GigabitEthernet0/0     [up/up]
    FE80::A8BB:CCFF:FE00:100
    2001:DB8:10:1::1
GigabitEthernet0/1     [up/up]
    FE80::A8BB:CCFF:FE00:101
    2001:DB8:20:1::1
R1# show ipv6 route
IPv6 Routing Table - default - 5 entries
C   2001:DB8:10:1::/64 [0/0]
     via GigabitEthernet0/0, directly connected
L   2001:DB8:10:1::1/128 [0/0]
     via GigabitEthernet0/0, receive
C   2001:DB8:20:1::/64 [0/0]
     via GigabitEthernet0/1, directly connected
L   2001:DB8:20:1::1/128 [0/0]
     via GigabitEthernet0/1, receive

Cは直接接続ネットワーク、Lはルーター自身のインターフェースアドレスを示します。

近隣キャッシュを確認する

R1# show ipv6 neighbors
IPv6 Address                              Age Link-layer Addr State Interface
2001:DB8:10:1::10                           3  0011.2233.4455 REACH Gi0/0
FE80::211:22FF:FE33:4455                    3  0011.2233.4455 REACH Gi0/0

show ipv6 neighborsでは、IPv6アドレス、MACアドレス、近隣状態、 学習したインターフェースを確認できます。IPv4のARPテーブルに近い確認項目です。

疎通を確認する

R1# ping ipv6 2001:DB8:20:1::20
R1# traceroute ipv6 2001:DB8:20:1::20

コマンド構文や表示形式は、機種・OS・バージョンによって異なります。 本番環境で設定する前に、対象機器の公式ドキュメントと現行コンフィグを確認してください。

Windows・Linuxの確認コマンド

Windows

ipconfig /all
ping -6 2001:db8:10:1::1
tracert -6 2001:db8:20:1::20
netsh interface ipv6 show addresses
netsh interface ipv6 show route
netsh interface ipv6 show neighbors

PowerShell

Get-NetIPAddress -AddressFamily IPv6
Get-NetRoute -AddressFamily IPv6
Get-NetNeighbor -AddressFamily IPv6
Test-NetConnection -ComputerName example.com

Linux

ip -6 address show
ip -6 route show
ip -6 neigh show
ping -6 2001:db8:10:1::1
traceroute -6 2001:db8:20:1::20

DNS確認

# Windows
nslookup -type=AAAA example.com

# Linux
host -t AAAA example.com
dig AAAA example.com

端末で確認する情報

確認項目 見るポイント
グローバルユニキャストアドレス 想定したプレフィックスとプレフィックス長か
リンクローカルアドレス fe80::/10のアドレスが存在するか
デフォルトルート ::/0が存在し、適切なルーターを向いているか
近隣キャッシュ ルーターや宛先のMACアドレスを学習できているか
DNS AAAAレコードを名前解決できるか

IPv6障害の切り分け

IPv6通信ができないときは、IPv4と同様に下位層から確認します。 ただし、IPv6ではRA、NDP、ICMPv6、複数アドレスの存在を意識する必要があります。

  1. 物理・データリンク層を確認する インターフェースがupか、VLANやトランク設定が正しいかを確認します。
  2. IPv6アドレスとプレフィックス長を確認する 想定した/64に所属しているか、誤ったプレフィックスを設定していないかを確認します。
  3. リンクローカルアドレスを確認する 端末・ルーター双方にリンクローカルアドレスが存在するか確認します。
  4. デフォルトルートとRAを確認する 端末に::/0が存在するか、ルーターがRAを送信できているか確認します。
  5. 近隣キャッシュを確認する NS・NAの交換が成功し、宛先またはデフォルトルーターのMACアドレスを学習できているか確認します。
  6. ルーターのIPv6ルーティングテーブルを確認する 宛先プレフィックスへの経路と戻り経路が存在するか確認します。
  7. ACL・ファイアウォール・ICMPv6制御を確認する 必要なICMPv6や業務通信を誤って遮断していないか確認します。
  8. DNSのAAAAレコードを確認する IPv6アドレスへ直接pingできるが名前で接続できない場合は、DNSを切り分けます。

症状から確認場所を絞る

リンクローカルへもpingできない

  • 物理リンク・VLAN
  • インターフェース指定
  • NDP・ICMPv6制御
  • 端末側ファイアウォール

同一/64内だけ通信できる

  • デフォルトルート
  • RA
  • ルーターのipv6 unicast-routing
  • ルーティングテーブル

IPv6アドレス直打ちは成功する

  • AAAAレコード
  • DNSサーバー設定
  • 名前解決の優先順位
  • アプリケーションのIPv6対応

小さいpingは成功するが通信が不安定

  • Path MTU Discovery
  • Packet Too Bigの遮断
  • トンネル区間のMTU
  • フラグメント設計

調査結果を報告するときは、「IPv6が通らない」だけではなく、 リンクローカル・同一セグメント・デフォルトルーター・遠隔宛先・名前解決の どこまで成功したかを分けて伝えましょう。

IPv6に関するよくある勘違い

::は何回使ってもよい

1つのIPv6アドレスで::を使えるのは1回だけです。 複数回使うと、省略した0グループの数を一意に復元できません。

リンクローカルアドレスは不要

リンクローカルはNDP、ルーター探索、ネクストホップなどで重要です。 グローバルユニキャストだけを見て障害を判断しないようにします。

IPv6ではICMPをすべて遮断してもよい

ICMPv6はNDPやエラー通知、Path MTU Discoveryに利用されます。 一律遮断は通信障害の原因になります。

IPv6はNATがないから安全ではない

NATの有無とセキュリティは別の問題です。 IPv6でもファイアウォール、ACL、最小権限、ログ監視などが必要です。

IPv6の/64はIPv4の/24と同じ意味

どちらも一般的なLANでよく見ますが、アドレス長や設計思想が異なります。 数字だけを置き換えて考えないようにします。

IPv6では複数のアドレスを同時に持つことがある

1つのインターフェースにリンクローカル、グローバルユニキャスト、 一時アドレスなど複数のIPv6アドレスが存在することがあります。

理解度チェック

次の問題に答え、IPv6アドレスと基本動作を理解できているか確認してください。

問題1.IPv6アドレスの長さは何ビットですか。

  1. 32ビット
  2. 48ビット
  3. 64ビット
  4. 128ビット
解答を見る
正解:D.128ビット

IPv6アドレスは128ビットで、16ビットずつ8つのグループに分けて16進数で表します。

問題2.次のIPv6アドレスを省略してください。

2001:0db8:0000:0001:0000:0000:0000:0020

解答を見る
解答:2001:db8:0:1::20

各グループ先頭の0を削除し、後半の連続する0グループを::へ置き換えます。

問題3.fe80::/10のIPv6アドレスは何と呼ばれますか。

  1. グローバルユニキャスト
  2. リンクローカル
  3. マルチキャスト
  4. ループバック
解答を見る
正解:B.リンクローカル

リンクローカルアドレスは同一リンク内で使用し、NDPやルーター探索などに利用されます。

問題4.IPv6端末がデフォルトルーターを学習するときに重要なメッセージはどれですか。

  1. ARP Reply
  2. DHCP Discover
  3. Router Advertisement
  4. OSPF Hello
解答を見る
正解:C.Router Advertisement

RAはプレフィックスやデフォルトルーターなどの情報を端末へ通知します。

問題5.次の2台は同じネットワークに所属しますか。

  • PC-A:2001:db8:100:10::5/64
  • PC-B:2001:db8:100:11::5/64
解答を見る
解答:別ネットワークです。

/64では先頭4グループがプレフィックスです。 4番目のグループが1011で異なります。

問題6.IPv6でICMPv6を一律遮断すると、どのような問題が起こる可能性がありますか。

解答を見る
解答例:

NDP、ルーター探索、エラー通知、Path MTU Discoveryなどが動作せず、 近隣通信や遠隔通信が失敗・不安定になる可能性があります。

実践演習:IPv6の設定ミスを切り分ける

次の構成で、PC-AからR1のLAN側インターフェースへIPv6通信できません。 設定値と確認結果から原因を考えてください。

機器 IPv6アドレス プレフィックス長
PC-A 2001:db8:10:1::10 /64
R1 Gi0/0 2001:db8:10:2::1 /64
C:\> ping -6 2001:db8:10:2::1

2001:db8:10:2::1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
宛先ホストに到達できません。
宛先ホストに到達できません。

課題1.原因を特定する

PC-AとR1は同じLANへ接続されています。設定上の問題は何でしょうか。

ここに原因を書いてください。
課題1の解答を見る

PC-Aは2001:db8:10:1::/64、R1は2001:db8:10:2::/64に所属しており、 同じ物理LAN上にいるのにIPv6プレフィックスが異なっています。

PC-AはR1を同一リンク上の宛先ではなく、別ネットワークの宛先として判断します。

課題2.修正案を考える

R1のアドレスを修正する場合、どのような値にすればよいでしょうか。

R1 Gi0/0:________________
課題2の解答を見る

例:2001:db8:10:1::1/64

PC-Aと同じ2001:db8:10:1::/64へ合わせます。

課題3.修正後に確認するコマンドを整理する

PC側:________________
ルーター側:________________
課題3の解答例を見る

PC側

  • ipconfig /allでIPv6アドレスとプレフィックスを確認
  • ping -6 2001:db8:10:1::1で疎通確認
  • netsh interface ipv6 show neighborsで近隣キャッシュを確認

ルーター側

  • show ipv6 interface briefでアドレスとup/upを確認
  • show ipv6 routeで接続経路を確認
  • show ipv6 neighborsでPC-Aを学習できているか確認

課題4.調査結果を報告する

原因・影響・対応・確認結果を、上司や顧客へ伝える形でまとめてください。

原因:________________
影響:________________
対応:________________
確認結果:________________
報告例を見る

PC-AとルーターのLAN側インターフェースに異なる/64プレフィックスが設定されていたため、 PC-Aがルーターを同一リンク上の通信相手として認識できず、IPv6通信に失敗していました。

ルーターのアドレスを2001:db8:10:1::1/64へ修正し、 双方のアドレス、近隣キャッシュ、ping疎通を確認した結果、正常に通信できることを確認しました。

自分の言葉で説明する課題

IPv6を知らない後輩から「IPv6では、IPv4と何が変わるのですか」と質問されました。 1分程度で説明してください。

IPv6とは、________________________________。
説明例を見る

IPv6は、128ビットのアドレスを使って機器を識別し、パケットを届ける仕組みです。 IPv4よりアドレス空間が大きく、アドレスは16進数をコロンで区切って表します。 同一リンクの相手を探すときはARPではなくNDPを使い、 端末はRAを受信してデフォルトルーターやプレフィックスを学習できます。 実務では、グローバルユニキャストだけでなくリンクローカル、 プレフィックス長、ICMPv6の動作も確認することが重要です。

まとめ

  • IPv6は128ビットのIPアドレスを使用する
  • IPv6アドレスは16ビットずつ8グループに分け、16進数とコロンで表す
  • 各グループ先頭の0を省略でき、連続する0グループは::で1回だけ省略できる
  • 一般的な端末LANでは/64がよく使われる
  • 主要なアドレスはグローバルユニキャスト、リンクローカル、ユニークローカル、マルチキャスト
  • IPv6にはブロードキャストがなく、必要に応じてマルチキャストを利用する
  • 端末の設定方法には手動、SLAAC、DHCPv6がある
  • RAはプレフィックスやデフォルトルーターの学習に重要
  • NDPはNS・NAによる近隣探索、ルーター探索、DADなどを担当する
  • ICMPv6を一律遮断すると、IPv6の基本動作を壊す可能性がある
  • 障害時はアドレス、/64、リンクローカル、RA、近隣キャッシュ、経路、DNSの順に確認する

IPv6を理解する第一歩は、長いアドレスを暗記することではなく、 プレフィックスとアドレス種別を見分け、RA・NDPを含む通信の流れを追えるようになることです。

次の記事:IPv4とIPv6の共存

今回は、IPv6アドレスの表記、プレフィックス、アドレス種別、 SLAAC・DHCPv6・NDP、基本的な設定確認を学びました。

次の記事では、IPv4からIPv6へ一度に切り替えられない理由と、 デュアルスタック、トンネリング、トランスレーションなどの共存・移行方式を解説します。

参考資料

実機のコマンド、初期値、対応機能は、機種・OS・ライセンス・ソフトウェアバージョンによって異なります。 本番環境へ設定する前に、対象製品の公式ドキュメントと現行コンフィグを確認してください。

ネットワーク中級編 19/全50記事

中級編では、スイッチング、ルーティング、ネットワークサービス、セキュリティ、 パケット解析、障害切り分け、実務ドキュメントまでを順番に学びます。

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