この記事は、 「ネットワーク中級編|構築・検証・障害切り分けを身につける」 の第3回です。
1台のスイッチを複数の論理ネットワークへ分割するVLANの仕組みを、 通信の流れ・設定例・確認コマンドから理解します。
VLANとは?仕組み・メリット・設定例を図解|1台のスイッチを論理的に分割する方法
VLANを使うと、同じスイッチへ接続された端末を、部署・用途・セキュリティ区分ごとに 別のネットワークとして扱えます。この記事では、VLANが通信をどのように分離するのか、 異なるVLAN間で通信するには何が必要か、Cisco IOS形式の基本設定と確認方法まで解説します。
会社のスイッチには、営業部、技術部、サーバー、監視カメラ、来客用端末など、 用途の異なる機器が接続されます。すべてを同じネットワークへ入れると、 ブロードキャストが全端末へ届き、障害や誤設定の影響範囲も広がります。
VLANは、物理的には同じスイッチを使いながら、 通信上は別々のLANとして分離するための仕組みです。
この記事を読み終えるとできること
- VLANの役割を自分の言葉で説明できる
- VLANとブロードキャストドメインの関係を説明できる
- 同一VLANと異なるVLANの通信可否を判断できる
- 基本的なVLAN作成・ポート割り当てを実行できる
show vlan briefの結果を読み取れる- VLAN設定ミスの確認順序を説明できる
VLANとは何か
VLANとは、1台または複数台のスイッチ上に、 複数の論理的なLANを作る仕組みです。
VLANは、Virtual LAN(Virtual Local Area Network)の略です。 日本語では「仮想LAN」と呼ばれます。
スイッチの物理ポートをVLANごとに割り当てることで、同じスイッチへ接続された端末でも、 所属するVLANが異なれば別のLANとして扱われます。
VLANは、端末を物理的な接続場所ではなく、論理的なグループで分ける技術です。
たとえば、同じフロアの同じスイッチへ接続されていても、営業部をVLAN 10、 技術部をVLAN 20へ所属させれば、2つの別ネットワークとして運用できます。
VLANがないスイッチ
VLANを分けず、すべてのポートが同じLANに所属している場合、 スイッチ全体が1つのブロードキャストドメインになります。
VLANで分割していない状態
この構成では、営業PC-AがARP要求などのブロードキャストを送信すると、 営業PC-Bだけでなく、技術PC-Cやサーバーにも届きます。
なぜVLANが必要なのか
VLANを導入する主な目的は、ネットワークを用途ごとに分割し、 通信範囲・障害範囲・管理単位を整理することです。
1.ブロードキャスト範囲を分ける
ARP要求などのブロードキャストは、原則として同じVLAN内だけへ転送されます。 不要な端末へブロードキャストが届くことを防げます。
2.部署・用途ごとに分離する
営業部、技術部、サーバー、IP電話、監視カメラ、来客用Wi-Fiなどを、 それぞれ別の論理ネットワークとして管理できます。
3.セキュリティ制御の境界を作る
VLAN間通信をルーターやL3スイッチへ集約することで、 ACLやファイアウォールによる通信制御を適用しやすくなります。
4.障害や誤設定の影響を限定する
ブロードキャスト増加や端末の誤設定が発生しても、 影響を同じVLAN内へ抑えやすくなります。
5.物理配線を変えずに所属を変更する
スイッチポートのVLAN設定を変更すれば、ケーブルを別のスイッチへ差し替えなくても、 端末の所属ネットワークを変更できます。
6.IPアドレス設計を整理する
原則として「1 VLAN=1 IPサブネット」とすることで、 部署・用途・通信制御とアドレス体系を対応させやすくなります。
VLANを作っただけで、完全なセキュリティ対策になるわけではありません。
VLANはレイヤー2の通信範囲を分割します。異なるVLAN間の通信を許可・拒否するには、 ルーター、L3スイッチ、ACL、ファイアウォールなどの設計が必要です。 VLAN自体は通信内容を暗号化しません。
1台のスイッチを論理的に分割する
次の例では、1台の物理スイッチをVLAN 10とVLAN 20へ分割しています。
1台のスイッチ上に2つの論理LANを作る
VLAN 10
VLAN 10
VLAN 20
VLAN 20
PC-AとPC-Bは同じVLAN 10に所属しているため、レイヤー2で直接通信できます。 PC-CとPC-Dも同じVLAN 20内で通信できます。
一方、PC-AとPC-Cは物理的には同じスイッチへ接続されていますが、 所属するVLANが異なるため、スイッチのレイヤー2転送だけでは通信できません。
物理的に近いことと、同じLANに所属することは別です。
VLANを使うネットワークでは、端末がどのスイッチへ接続されているかだけでなく、 接続ポートがどのVLANへ割り当てられているかを確認する必要があります。
VLANとブロードキャストドメインの関係
VLANを理解するうえで最も重要なのが、 1つのVLANが1つのブロードキャストドメインを形成するという考え方です。
PC-AがVLAN 10内でARP要求を送信した場合、スイッチはそのフレームを VLAN 10に所属するポートへだけ転送します。VLAN 20のポートへは転送しません。
ARPブロードキャストが届く範囲
MACアドレステーブルもVLANごとに管理される
スイッチは、送信元MACアドレスだけではなく、所属VLANと組み合わせて学習します。 そのため、MACアドレステーブルは概念的に次のように管理されます。
| VLAN | MACアドレス | 学習ポート | 意味 |
|---|---|---|---|
| 10 | 0000.0000.00A1 | Gi0/1 | VLAN 10のPC-AはGi0/1の先にいる |
| 10 | 0000.0000.00B1 | Gi0/2 | VLAN 10のPC-BはGi0/2の先にいる |
| 20 | 0000.0000.00C1 | Gi0/3 | VLAN 20のPC-CはGi0/3の先にいる |
現場での確認ポイント
MACアドレスが正しいポートに学習されていても、VLAN番号が想定と異なれば通信できません。 MACアドレステーブルを確認するときは、MAC・ポート・VLANの3点をセットで確認します。
同一VLAN・異なるVLANの通信
同じVLAN内の通信
PC-A(VLAN 10)→ PC-B(VLAN 10)
スイッチがMACアドレスを基にレイヤー2で転送します。
通信可能異なるVLAN間の通信
PC-A(VLAN 10)→ PC-C(VLAN 20)
レイヤー2スイッチだけではVLANを越えて転送できません。
そのままでは通信不可ルーティングを経由
VLAN 10 → L3機器 → VLAN 20
ルーターまたはL3スイッチがあれば、ポリシーに従って通信できます。
条件付きで通信可能異なるVLAN間にはルーティングが必要
異なるVLANは、異なるIPサブネットとして設計するのが基本です。 そのため、VLAN 10からVLAN 20へ通信するには、ルーターやL3スイッチによる Inter-VLAN Routingが必要です。
異なるVLAN間の通信経路
Inter-VLAN Routingの詳しい設定と通信の流れは、中級編第6回で解説します。
同じIPサブネットを異なるVLANへ分ける設計は避けます。
例として、PC-AをVLAN 10、PC-CをVLAN 20へ配置し、両方に
192.168.10.0/24のアドレスを設定しても、ARPブロードキャストがVLANを越えないため、
同一サブネットの端末として直接通信できません。
VLAN IDとVLAN名
VLANは、VLAN IDという番号で識別します。 VLAN名は、人が用途を理解しやすくするための任意の名称です。
| 項目 | 例 | 役割 |
|---|---|---|
| VLAN ID | 10 | 機器がVLANを識別する番号 |
| VLAN名 | SALES | 運用者が用途を判断しやすくする名前 |
| IPサブネット | 192.168.10.0/24 | VLANに所属する端末へ割り当てるアドレス範囲 |
| デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 | 異なるネットワークへ通信するときの出口 |
一般的なIEEE 802.1Q VLANでは、VLAN IDとして1〜4094を使用できます。 ただし、利用可能範囲や予約VLAN、設定方法は製品・OS・運用方式によって異なるため、 実機の仕様を確認してください。
VLAN 1の扱い
多くのスイッチでは、初期状態でポートがVLAN 1へ所属しています。 学習環境ではVLAN 1を使うこともありますが、実務ではユーザー通信・管理通信・ ネイティブVLANなどの役割を整理し、安易にすべてをVLAN 1へ集約しない設計が一般的です。
VLAN番号だけでなく、用途・サブネット・ゲートウェイを一覧化します。
「VLAN 10=営業部=192.168.10.0/24=GW 192.168.10.1」のように対応関係を明確にすると、 設定・試験・障害対応がしやすくなります。
VLANの基本設定例
ここでは、Cisco IOS形式の基本例を使用します。機種やOSバージョンによって コマンドや表示が異なる場合があるため、実環境では製品ドキュメントを確認してください。
構成と要件
| ポート | 接続端末 | VLAN | 用途 |
|---|---|---|---|
| Gi0/1 | 営業PC-A | 10 | 営業部 |
| Gi0/2 | 営業PC-B | 10 | 営業部 |
| Gi0/3 | 技術PC-C | 20 | 技術部 |
| Gi0/4 | 技術PC-D | 20 | 技術部 |
1.VLAN 10とVLAN 20を作成する
Switch> enable
Switch# configure terminal
Switch(config)# vlan 10
Switch(config-vlan)# name SALES
Switch(config-vlan)# exit
Switch(config)# vlan 20
Switch(config-vlan)# name ENGINEERING
Switch(config-vlan)# exit
vlan 10でVLAN 10を作成し、VLAN設定モードへ入ります。
name SALESはVLAN名を設定するコマンドです。
2.Gi0/1とGi0/2をVLAN 10へ割り当てる
Switch(config)# interface range gigabitEthernet 0/1 - 2
Switch(config-if-range)# switchport mode access
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 10
Switch(config-if-range)# exit
3.Gi0/3とGi0/4をVLAN 20へ割り当てる
Switch(config)# interface range gigabitEthernet 0/3 - 4
Switch(config-if-range)# switchport mode access
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 20
Switch(config-if-range)# exit
Switch(config)# end
switchport mode accessで端末接続用のアクセスポートとして動作させ、
switchport access vlan 10で所属VLANを指定します。
アクセスポートとトランクポートの違い、フレームへVLAN情報を付与する仕組みは、 次回以降の記事で詳しく解説します。
設定を保存する
Switch# copy running-config startup-config
Destination filename [startup-config]?
Building configuration...
[OK]
検証機では設定保存を省略することもありますが、実務では作業手順に従って保存し、 保存後の設定も確認します。
確認コマンドの読み方
show vlan brief
Switch# show vlan brief
VLAN Name Status Ports
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
1 default active Gi0/5, Gi0/6, Gi0/7, Gi0/8
10 SALES active Gi0/1, Gi0/2
20 ENGINEERING active Gi0/3, Gi0/4
1002 fddi-default act/unsup
1003 token-ring-default act/unsup
1004 fddinet-default act/unsup
1005 trnet-default act/unsup
次の3点を確認します。
- VLANが存在するか:VLAN 10とVLAN 20が表示されている
- Statusがactiveか:対象VLANが利用可能な状態である
- ポート割り当てが正しいか:Gi0/1〜2がVLAN 10、Gi0/3〜4がVLAN 20
show interfaces switchport
Switch# show interfaces gigabitEthernet 0/1 switchport
Name: Gi0/1
Switchport: Enabled
Administrative Mode: static access
Operational Mode: static access
Access Mode VLAN: 10 (SALES)
特定ポートについて、アクセスポートとして動作しているか、 アクセスVLANが何番かを確認できます。
show mac address-table
Switch# show mac address-table dynamic
Mac Address Table
-------------------------------------------
Vlan Mac Address Type Ports
---- ----------- -------- -----
10 0000.0000.00a1 DYNAMIC Gi0/1
10 0000.0000.00b1 DYNAMIC Gi0/2
20 0000.0000.00c1 DYNAMIC Gi0/3
20 0000.0000.00d1 DYNAMIC Gi0/4
MACアドレスが、想定したVLANとポートの組み合わせで学習されているかを確認します。
設定確認は1コマンドで終わらせません。
VLANの存在はshow vlan brief、ポートの動作は
show interfaces switchport、端末の学習状況は
show mac address-tableで確認し、情報を突き合わせます。
VLAN設計の判断基準
原則として1 VLAN=1 IPサブネット
VLANとIPサブネットを1対1で対応させると、構成図・パラメータシート・ DHCPスコープ・ルーティング・ACLを整理しやすくなります。
| VLAN | 用途 | サブネット | デフォルトゲートウェイ |
|---|---|---|---|
| 10 | 営業部 | 192.168.10.0/24 | 192.168.10.1 |
| 20 | 技術部 | 192.168.20.0/24 | 192.168.20.1 |
| 30 | サーバー | 192.168.30.0/24 | 192.168.30.1 |
| 40 | 来客用 | 192.168.40.0/24 | 192.168.40.1 |
何を基準に分割するか
- 組織:営業部、技術部、管理部
- 端末種別:PC、IP電話、プリンター、監視カメラ
- セキュリティ区分:社内端末、サーバー、来客端末
- 運用区分:ユーザー通信、管理通信、監視通信
- 障害影響:ブロードキャストや誤設定の影響を分けたい単位
- 通信ポリシー:許可・拒否ルールが異なる単位
細かく分けすぎない
VLANを細かく分割すると制御しやすくなりますが、VLAN数、IPサブネット、DHCPスコープ、 ルーティング、ACL、監視項目が増えます。セキュリティ上の必要性と運用負荷を比較して決めます。
「部署が違うから分ける」だけでなく、分ける目的を言語化します。
例:「来客端末から社内サーバーへのアクセスを禁止するため」「IP電話の障害影響とQoS設定を ユーザーPCから分離するため」のように、通信要件・リスク・運用理由まで説明できる状態が理想です。
VLAN障害の基本切り分け
「同じスイッチにつながっているのに通信できない」という問い合わせでは、 VLANの不一致を疑います。次の順番で確認すると整理しやすくなります。
リンク・ケーブル
show vlan brief
access VLAN
VLAN・ポート
確認1:物理リンクはUpか
VLAN設定を疑う前に、端末・ケーブル・スイッチポートが物理的に正常かを確認します。 ポートがDownなら、VLAN設定を直しても通信できません。
確認2:対象VLANが作成されているか
Switch# show vlan brief
対象VLANが存在し、activeになっているかを確認します。
確認3:端末接続ポートのVLANは正しいか
Switch# show interfaces gigabitEthernet 0/1 switchport
端末がVLAN 10へ所属する設計なのに、Access Mode VLANが20なら設定ミスです。
確認4:MACアドレスを想定ポートで学習しているか
Switch# show mac address-table interface gigabitEthernet 0/1
MACアドレスが学習されていなければ、端末が通信を送信していない、ケーブル・NICに問題がある、 ポートが停止しているなどの可能性があります。
確認5:端末のIPアドレスはVLAN設計と一致するか
VLAN 10へ接続する端末が、VLAN 20用のIPアドレスやデフォルトゲートウェイを持っていないか確認します。 VLAN設定が正しくても、IP設定が誤っていれば通信できません。
複数スイッチ構成では上位リンクも確認する
VLANが複数のスイッチをまたぐ構成では、スイッチ間リンクで対象VLANを運べる必要があります。 アクセスポート・トランクポート、許可VLAN、IEEE 802.1Qの確認は次回以降で扱います。
調査結果の報告例
- 事象
- 営業PC-Aから同一部署のPC-Bへ通信できない。
- 確認結果
- Gi0/1はVLAN 20、Gi0/2はVLAN 10へ所属していた。
- 原因
- PC-A接続ポートのアクセスVLAN設定誤り。
- 対応
- Gi0/1をVLAN 10へ変更し、疎通およびMAC学習を確認した。
- 根拠
show vlan briefおよびshow interfaces Gi0/1 switchportの出力。
VLANに関するよくある勘違い・設定ミス
接続ポートのVLANが異なれば、同じ物理スイッチでも別のLANです。 異なるVLAN間にはルーティングが必要です。
VLANの作成と、ポートへのVLAN割り当ては別の設定です。
show vlan briefでポート所属まで確認します。
同一サブネット通信で必要なARPがVLANを越えないため、通常は通信できません。 原則として1 VLAN=1 IPサブネットで設計します。
VLANは通信範囲を分ける仕組みであり、暗号化機能ではありません。 VLAN間制御、機器管理、ポートセキュリティ、認証なども検討します。
正しいVLAN・ポート・MAC学習・IP設定・想定経路を確認し、 通信させてはいけない相手へ通信できないことも試験します。
VLAN一覧とポート割り当て表を作成し、設定と設計資料が一致している状態を維持します。
顧客・上司へVLANを説明する方法
非エンジニアへ説明するときは、「仮想化」「レイヤー2」といった用語だけで終わらせず、 目的と効果を先に伝えます。
技術者向けの説明
VLANは、スイッチポートを論理グループへ分割し、VLANごとに ブロードキャストドメインを分離する技術です。異なるVLAN間の通信にはL3転送が必要です。
非技術者向けの説明
1台のスイッチを、営業部用・技術部用・来客用の別々のネットワークとして使う仕組みです。 不要な通信を分け、障害や誤設定の影響を小さくしやすくなります。
30秒で説明する例
VLANは、同じネットワーク機器を使いながら、部署や用途ごとに通信グループを分ける仕組みです。 たとえば社員用と来客用を別のVLANにすると、来客端末から社内端末へ直接通信できない構成を作りやすくなります。 物理機器を増やさずに通信範囲を整理できる点がメリットです。
英語ドキュメントで使われるVLAN表現
| 英語表現 | 意味 | 実務での読み方 |
|---|---|---|
| VLAN membership | VLANへの所属 | ポートや端末がどのVLANに属するか |
| access VLAN | アクセスポートへ割り当てるVLAN | 端末接続ポートの所属VLAN |
| broadcast domain | ブロードキャストドメイン | ブロードキャストが届く範囲 |
| VLAN segmentation | VLANによる分割 | 用途・セキュリティ区分ごとのネットワーク分離 |
| inter-VLAN communication | VLAN間通信 | 異なるVLAN間をL3機器で通信させること |
| assign a port to VLAN 10 | ポートをVLAN 10へ割り当てる | ポート所属設定を表す基本表現 |
検索キーワード例
VLAN access port configuration、
show vlan troubleshooting、
VLAN mismatch communication issue
理解度チェック
記事の内容を確認するため、次の6問に答えてください。 解答を見る前に、構成と通信範囲を自分で考えましょう。
問題1.VLANの説明として最も適切なものはどれですか。
- LANケーブルを暗号化する仕組み
- スイッチ上に複数の論理的なLANを作る仕組み
- MACアドレスをIPアドレスへ変換する仕組み
- ルーターを冗長化する仕組み
解答を見る
VLANは、1台または複数台のスイッチ上に複数の論理LANを作る仕組みです。
問題2.VLAN 10の端末が送信したARPブロードキャストは、原則としてどこまで届きますか。
- 同じ物理スイッチの全ポート
- 同じVLAN 10に所属する範囲
- すべてのVLAN
- インターネット全体
解答を見る
ブロードキャストは同じVLANのブロードキャストドメイン内へ転送されます。
問題3.PC-AがVLAN 10、PC-CがVLAN 20に所属しています。異なるVLAN間で通信するために必要なものは何ですか。
解答を見る
異なるVLANは別ネットワークとして扱われるため、Inter-VLAN Routingが必要です。
問題4.次の出力から、Gi0/3が所属するVLANを答えてください。
VLAN Name Status Ports
---- -------------------------------- --------- ----------------
10 SALES active Gi0/1, Gi0/2
20 ENGINEERING active Gi0/3, Gi0/4
解答を見る
Gi0/3はENGINEERINGという名前のVLAN 20へ割り当てられています。
問題5.VLAN 10へ接続する端末に、VLAN 20用のIPアドレスを設定しました。VLAN設定が正しくても通信できない可能性がある理由を説明してください。
解答を見る
端末のIPアドレス・サブネット・デフォルトゲートウェイが所属VLANのIP設計と一致しないためです。VLAN 10とVLAN 20を別サブネットにしている場合、端末は正しい同一ネットワーク判定やゲートウェイ通信を行えません。
問題6.「VLANを分ければセキュリティ対策は完了である」という説明が不十分な理由を答えてください。
解答を見る
VLANはレイヤー2の通信範囲を分割する仕組みであり、通信内容の暗号化やVLAN間の許可・拒否を自動的に行うものではないためです。ACL、ファイアウォール、認証、機器管理なども必要です。
実践演習:営業部と技術部をVLANで分割する
次の要件を満たすVLAN構成を考え、設定・確認・障害切り分けを行います。 Packet Tracerなどを使用できる場合は、実際に設定して確認してください。
演習構成
演習用ネットワーク
Gi0/1
Gi0/2
Gi0/3
Gi0/4
課題1.VLAN一覧を完成させる
VLAN ID:___ VLAN名:______ サブネット:__________
課題1の解答を見る
- VLAN ID:10 VLAN名:SALES サブネット:192.168.10.0/24
- VLAN ID:20 VLAN名:ENGINEERING サブネット:192.168.20.0/24
課題2.設定コマンドを書く
VLAN 10と20を作成し、Gi0/1〜2をVLAN 10、Gi0/3〜4をVLAN 20へ割り当てるコマンドを書いてください。
課題2の解答例を見る
configure terminal
vlan 10
name SALES
exit
vlan 20
name ENGINEERING
exit
interface range gigabitEthernet 0/1 - 2
switchport mode access
switchport access vlan 10
exit
interface range gigabitEthernet 0/3 - 4
switchport mode access
switchport access vlan 20
end
課題3.通信可否を判断する
- PC-AからPC-Bへのping
- PC-CからPC-Dへのping
- PC-AからPC-Cへのping
2:通信(できる・できない) 理由:______________
3:通信(できる・できない) 理由:______________
課題3の解答を見る
- できる:PC-AとPC-Bは同じVLAN 10・同じサブネットに所属するため。
- できる:PC-CとPC-Dは同じVLAN 20・同じサブネットに所属するため。
- できない:異なるVLAN間を中継するルーターまたはL3スイッチがないため。
課題4.設定ミスを見つける
次の出力では、PC-AからPC-Bへ通信できません。原因を答えてください。
Switch# show vlan brief
VLAN Name Status Ports
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
10 SALES active Gi0/2
20 ENGINEERING active Gi0/1, Gi0/3, Gi0/4
課題4の解答を見る
PC-Aの接続ポートGi0/1が、本来のVLAN 10ではなくVLAN 20へ割り当てられています。 Gi0/1をVLAN 10へ変更します。
configure terminal
interface gigabitEthernet 0/1
switchport mode access
switchport access vlan 10
end
課題5.調査結果を報告する
課題4の事象について、「事象・確認結果・原因・対応・確認結果」の順に報告文を作成してください。
課題5の回答例を見る
営業部PC-Aから同一部署のPC-Bへ通信できない事象を確認しました。
スイッチのVLAN割り当てを確認したところ、PC-A接続ポートGi0/1がVLAN 20へ設定されていました。
設計上はVLAN 10が正しいため、Gi0/1のアクセスVLANを10へ変更しました。
変更後、show vlan briefでポート所属を確認し、PC-AからPC-Bへのpingが成功することを確認しました。
自分の言葉で説明する課題
「同じスイッチにつながっているのに、なぜ営業部PCと技術部PCが直接通信できないのですか?」 と質問されました。VLANとブロードキャストドメインを使って説明してください。
説明例を見る
2台のPCは同じ物理スイッチへ接続されていますが、営業部PCはVLAN 10、技術部PCはVLAN 20へ所属しています。 VLANごとにブロードキャストドメインが分かれるため、ARPなどのレイヤー2通信は別VLANへ届きません。 そのため、異なるVLAN間で通信するには、ルーターまたはL3スイッチによるルーティングが必要です。
説明には、「同じ物理スイッチ」「論理的には別LAN」「ブロードキャストが分離」「VLAN間はルーティングが必要」 の4点を含めると、仕組みが伝わりやすくなります。
まとめ
- VLANは、スイッチ上に複数の論理的なLANを作る仕組み
- 1つのVLANが、原則として1つのブロードキャストドメインを形成する
- 同じ物理スイッチでも、所属VLANが異なればレイヤー2では直接通信できない
- 異なるVLAN間の通信には、ルーターまたはL3スイッチによるルーティングが必要
- 原則として1 VLAN=1 IPサブネットで設計する
- VLANの作成とポートへの割り当ては別の設定
show vlan briefでVLANの存在・状態・ポート所属を確認する- MACアドレステーブルは、VLAN・MAC・ポートをセットで確認する
- VLANは通信範囲を分割するが、暗号化やアクセス制御を単独で完結させるものではない
VLANを理解するポイントは、物理構成ではなく、どのポートがどの論理ネットワークへ所属しているかを見ることです。

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