ネットワーク初級編総合演習|全31記事の知識を実践問題で確認

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ネットワーク初級編 32/全32記事

この記事は、 「ネットワーク初級編|通信の仕組みをゼロから学ぶ」 の最終回です。

第1回から第31回までに学んだ内容を、知識問題、構成図の読み取り、 障害切り分け、成果物作成の4段階で確認します。

ネットワーク初級編総合演習|全31記事の知識を実践問題で確認

用語を覚えているだけでなく、通信の流れを説明し、構成図やコマンド結果から 問題箇所を考えられるかを確認します。最後は「Webサイトが表示されるまで」を、 初心者にも伝わる資料としてまとめます。

対象レベル Level 1・初級修了
想定所要時間 約60〜90分
満点 50点
合格基準 40点以上・80%
演習環境 ブラウザ・メモ用紙

ネットワーク初級編では、ネットワークの全体像からIPアドレス、MACアドレス、 DNS、DHCP、ARP、TCP、HTTP、基本コマンド、障害切り分けまで学んできました。

この総合演習の目的は、用語を暗記できているかを調べることではありません。 複数の知識をつなげて、通信の仕組みや障害原因を説明できるかを確認することです。

この総合演習で確認すること

  • IP・MAC・ポート番号の役割を区別できる
  • Webサイトが表示されるまでの通信を説明できる
  • 構成図から通信経路を読み取れる
  • コマンド結果から原因候補を絞り込める
  • DNS・DHCP・NATなどの役割を関連づけられる
  • 確認結果を短い障害報告としてまとめられる

総合演習の進め方と採点方法

問題は4つのパートに分かれています。最初は解答を開かず、 メモ用紙やテキストエディターへ自分の回答を書いてください。

Part 1 20点 基礎知識20問
Part 2 10点 構成図5問
Part 3 10点 障害対応5問
Part 4 10点 最終成果物

初級編の修了基準

  • 総合得点が40点以上である
  • Webサイトが表示されるまでの流れを自分の言葉で説明できる
  • 基本構成図と通信経路を読み取れる
  • ipconfigpingnslookupなどの結果を確認できる

答えを暗記するためのテストではありません。 間違えた問題は、解説にある復習記事へ戻り、なぜその答えになるのかを説明できる状態を目指してください。

出題範囲と復習リンク

総合演習の出題範囲は、ネットワーク初級編の第1回から第31回までです。 不安な章がある場合は、先に章末テストで復習してください。

第1章:ネットワークの全体像

ネットワーク、クライアントとサーバー、LAN・WAN、通信機器の役割を確認します。

第1章まとめテストへ

第2章:通信で使われる情報

IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MAC、ポート、プロトコルを確認します。

第2章まとめテストへ

第3章:通信の流れ

OSI、TCP/IP、Ethernet、ARP、ICMP、TCP・UDP、Webアクセスを確認します。

第3章まとめテストへ

第4章:身近なネットワークサービス

DNS、DHCP、NAT・NAPT、HTTP・HTTPS、有線・無線LAN、サーバー通信を確認します。

第4章まとめテストへ

第5章:基本操作と初歩的な切り分け

Windows・Linuxコマンド、ping障害、インターネット接続障害、構成図の読み方を確認します。

第5章まとめテストへ

初級編の全体一覧

学習順序や各記事の進捗を確認したい場合は、初級編の固定ページへ戻ってください。

初級編一覧へ

Part 1:基礎知識総合テスト

全20問・各1点・合計20点です。初級編の重要用語と仕組みを確認します。

Q1ネットワークの説明として最も適切なものはどれですか。

  1. 1台のパソコンの中だけでデータを処理する仕組み
  2. 複数の機器が共通のルールでデータや機能をやり取りする仕組み
  3. インターネット回線だけを指す言葉
  4. LANケーブルを製造するための規格
解答と解説を見る
正解:B

ネットワークは、複数の機器が接続され、共通のルールに従ってデータや機能をやり取りできる仕組みです。

Q2クライアントとサーバーの関係として正しいものはどれですか。

  1. クライアントがサービスを要求し、サーバーがサービスを提供する
  2. サーバーが必ず利用者の手元にあり、クライアントはデータセンターにある
  3. クライアントとサーバーは同じ役割である
  4. サーバーにはIPアドレスが不要である
解答と解説を見る
正解:A

Webブラウザなどのクライアントが要求を送り、Webサーバーなどが要求に応じてデータや機能を返します。

Q3LAN・WAN・インターネットの説明として正しい組み合わせはどれですか。

  1. LANは狭い範囲、WANは離れた拠点間、インターネットは世界中のネットワークの集合
  2. LANは無線専用、WANは有線専用、インターネットは社内専用
  3. LANとWANは同じ意味で、インターネットだけが異なる
  4. WANは家庭内だけで使われる
解答と解説を見る
正解:A

LANは家庭やオフィスなど比較的狭い範囲、WANは離れた拠点や地域を接続するネットワークです。

Q4機器と主な役割の組み合わせで正しいものはどれですか。

  1. スイッチ:異なるネットワーク間を中継する
  2. ルーター:主に異なるネットワーク間を中継する
  3. アクセスポイント:Webページを保存する
  4. サーバー:Wi-Fiの電波だけを提供する
解答と解説を見る
正解:B

ルーターは異なるネットワーク同士を接続します。スイッチは主に同じLAN内の端末を接続し、アクセスポイントは無線端末をLANへ接続します。

Q5IPアドレスの主な役割はどれですか。

  1. ネットワーク上の通信相手を識別する
  2. LANケーブルの長さを表す
  3. 通信内容を必ず暗号化する
  4. Webサイトの文字サイズを決める
解答と解説を見る
正解:A

IPアドレスは、ネットワーク上の送信元と宛先を識別するために使われます。

Q6192.168.10.20/24と同じネットワークに属するIPアドレスはどれですか。

  1. 192.168.10.200
  2. 192.168.11.20
  3. 192.168.20.10
  4. 10.0.0.20
解答と解説を見る
正解:A

/24では先頭24ビット、つまり最初の3つの数字がネットワーク部です。192.168.10が同じ端末同士は同一ネットワークです。

Q7デフォルトゲートウェイが必要になる場面はどれですか。

  1. 自分自身へ通信するときだけ
  2. 同じネットワーク内の端末へ通信するときだけ
  3. 異なるネットワークにある宛先へ通信するとき
  4. キーボードを使用するとき
解答と解説を見る
正解:C

端末は、異なるネットワーク宛てのパケットをデフォルトゲートウェイであるルーターへ渡します。

Q8MACアドレスの説明として最も適切なものはどれですか。

  1. 主に同一LAN内でフレームを届けるために使われる識別情報
  2. WebサイトのURLを数字へ変換する情報
  3. インターネット上の経路をすべて記録する情報
  4. アプリケーションを識別する番号
解答と解説を見る
正解:A

Ethernetでは、同一LAN内でフレームを届けるために送信元・宛先MACアドレスを使用します。

Q9ポート番号とプロトコルの説明として正しいものはどれですか。

  1. ポート番号は端末内のアプリケーションやサービスを識別し、プロトコルは通信の共通ルールである
  2. ポート番号とIPアドレスは必ず同じ値になる
  3. プロトコルはケーブルの種類だけを表す
  4. ポート番号はMACアドレスを調べるためだけに使う
解答と解説を見る
正解:A

IPアドレスで端末を識別し、ポート番号で端末内のサービスを識別します。プロトコルは通信方法の共通ルールです。

Q10OSI参照モデルやTCP/IPモデルを学ぶ主な目的はどれですか。

  1. 通信処理を役割ごとの層に分けて理解し、障害箇所を整理しやすくする
  2. すべてのネットワーク機器を同じ製品へ統一する
  3. IPアドレスを自動で決める
  4. Webサイトのデザインを決める
解答と解説を見る
正解:A

通信を層に分けると、物理接続、IP、TCP、アプリケーションなど、どの範囲に問題がありそうか整理できます。

Q11ARPの役割として正しいものはどれですか。

  1. 同一LAN内で、IPアドレスに対応するMACアドレスを調べる
  2. ドメイン名に対応するIPアドレスを調べる
  3. IPアドレスを自動配布する
  4. Web通信を暗号化する
解答と解説を見る
正解:A

端末が同一LAN内へEthernetフレームを送るには宛先MACアドレスが必要です。ARPはIPアドレスからMACアドレスを確認します。

Q12pingで主に利用されるプロトコルはどれですか。

  1. ARP
  2. ICMP
  3. HTTP
  4. DHCP
解答と解説を見る
正解:B

pingはICMP Echo RequestとEcho Replyを使い、宛先まで到達できるかを確認します。

Q13TCPとUDPの違いとして正しいものはどれですか。

  1. TCPは到達確認や順序制御を行い、UDPは処理を簡略化して送信する
  2. UDPだけがIPアドレスを使う
  3. TCPは必ず無線LANで、UDPは必ず有線LANで使う
  4. TCPとUDPはまったく同じ動作をする
解答と解説を見る
正解:A

TCPは信頼性を重視し、UDPは確認処理を減らして軽量に送信します。用途に応じて使い分けられます。

Q14TCPの3ウェイハンドシェイクの正しい順番はどれですか。

  1. ACK → SYN → SYN/ACK
  2. SYN → SYN/ACK → ACK
  3. SYN/ACK → ACK → SYN
  4. HTTP → DNS → ARP
解答と解説を見る
正解:B

クライアントがSYNを送り、サーバーがSYN/ACKを返し、クライアントがACKを返してTCP接続を確立します。

Q15DNSの主な役割はどれですか。

  1. ドメイン名とIPアドレスを対応づける
  2. 端末へIP設定を自動配布する
  3. プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスへ変換する
  4. LANケーブルの断線を修復する
解答と解説を見る
正解:A

人が覚えやすいドメイン名から、通信に必要なIPアドレスを調べる仕組みがDNSです。

Q16DHCPで端末へ配布できる情報として適切なものはどれですか。

  1. IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバー
  2. Webサイトの記事本文だけ
  3. LANケーブルの色と長さ
  4. サーバーのCPU温度だけ
解答と解説を見る
正解:A

DHCPを利用すると、端末が通信に必要とする基本的なIP設定を自動的に受け取れます。

Q17NAPTの説明として最も適切なものはどれですか。

  1. 複数の端末が1つのグローバルIPアドレスを共有できるよう、IPアドレスとポート番号を変換する
  2. DNS名をMACアドレスへ変換する
  3. 無線LANを有線LANへ物理的に交換する
  4. TCPをUDPへ必ず変換する
解答と解説を見る
正解:A

家庭用ルーターなどではNAPTにより、複数端末のプライベートIP通信を1つのグローバルIPアドレスへ集約できます。

Q18HTTPSがHTTPと比べて追加する主な機能はどれですか。

  1. 通信内容の暗号化や接続先の確認
  2. IPアドレスを不要にする
  3. ルーターを不要にする
  4. 必ず無線LANで通信する
解答と解説を見る
正解:A

HTTPSではTLSを利用し、通信内容の暗号化、改ざん検知、接続先の証明などを行います。

Q19WindowsでIPアドレスやデフォルトゲートウェイを確認する代表的なコマンドはどれですか。

  1. ipconfig
  2. mkdir
  3. copy
  4. tasklist
解答と解説を見る
正解:A

Windowsではipconfigipconfig /allでIP設定を確認します。Linuxではip addrip routeなどを利用します。

Q20「インターネットにつながらない」ときの確認順序として最も適切なものはどれですか。

  1. 最初からWebサーバーの再起動を依頼する
  2. 端末・物理接続・IP設定・ゲートウェイ・外部宛て・DNS・Webサービスの順に範囲を広げる
  3. 原因を確認せずルーターを初期化する
  4. pingが1回失敗した時点で回線障害と断定する
解答と解説を見る
正解:B

障害切り分けでは、近い場所から遠い場所へ、確認範囲を少しずつ広げます。1つの結果だけで原因を断定しないことが重要です。

Part 2:ネットワーク構成図の読み取り

全5問・各2点・合計10点です。以下の構成を使って通信の流れを考えます。

演習用ネットワーク構成

PC-A
IP: 192.168.10.20/24
GW: 192.168.10.1
DNS: 192.168.10.53
        |
        |
      [SW1]----------------[DNS Server]
        |                   192.168.10.53/24
        |
   [Router R1]
   LAN: 192.168.10.1/24
   WAN: 203.0.113.10
        |
        |
    Internet
        |
        |
 [Web Server]
 www.example.jp
 198.51.100.20
 TCP 443 / HTTPS
機器・サービス 設定・役割
PC-A Webサイトを閲覧するクライアント
SW1 同一LAN内のEthernetフレームを転送
DNS Server www.example.jp198.51.100.20へ名前解決
Router R1 LANとインターネットを中継し、NAPTを実施
Web Server TCP 443番ポートでHTTPSサービスを提供

Q21PC-AとDNS Serverは同じネットワークに属していますか。理由も答えてください。

回答:同じ/異なる。理由:__________________
解答例を見る
解答:同じネットワークに属します。

どちらもサブネットマスクが/24で、ネットワーク部が192.168.10だからです。PC-Aはルーターを経由せず、SW1を通してDNS Serverへ通信できます。

Q22PC-AがDNS Serverへ通信するときと、Web Serverへ通信するときに、ARPで調べる相手はそれぞれ誰ですか。

DNS宛て:________ Web Server宛て:________
解答例を見る
  • DNS Server宛て:DNS Server自身のMACアドレスを調べます。
  • Web Server宛て:異なるネットワークにあるため、デフォルトゲートウェイであるRouter R1のLAN側MACアドレスを調べます。

Q23PC-Aでhttps://www.example.jp/を開くときの処理を、次の語句を使って順番に並べてください。

語句:HTTPS要求、DNS名前解決、ARP、TCP 3ウェイハンドシェイク、Webページ受信

1.____ → 2.____ → 3.____ → 4.____ → 5.____
解答例を見る

DNS名前解決 → ARP → TCP 3ウェイハンドシェイク → HTTPS要求 → Webページ受信

実際にはDNS通信の前にも、DNS Server宛てのMACアドレスを確認するARPが発生する場合があります。この問題では全体の主要な流れを確認しています。

Q24Router R1でNAPTされた後、Web Serverから見える送信元IPアドレスはどれですか。

  1. 192.168.10.20
  2. 192.168.10.1
  3. 192.168.10.53
  4. 203.0.113.10
解答と解説を見る
正解:D

Router R1が送信元のプライベートIPアドレスをWAN側のグローバルIPアドレスへ変換するため、Web Serverからは203.0.113.10に見えます。

Q25PC-AからWeb Serverまでの通信経路を、機器名を使って書いてください。

PC-A → ____ → ____ → ____ → Web Server
解答例を見る

PC-A → SW1 → Router R1 → Internet → Web Server

DNS Serverは名前解決のために利用しますが、Webページ本体の通信経路には含まれません。

Part 3:障害切り分けケース演習

全5問・各2点・合計10点です。コマンド結果から原因候補と次の確認を考えます。

ケースA:PC-Aから外部へ通信できない

利用者から「社内PCでWebサイトが見られない」と連絡がありました。PC-Aで確認した結果は次のとおりです。

C:\> ipconfig イーサネット アダプター Ethernet: IPv4 アドレス . . . . . . . . . . : 192.168.10.20 サブネット マスク . . . . . . . . : 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . : 192.168.20.1 DNS サーバー . . . . . . . . . . : 192.168.10.53 C:\> ping 127.0.0.1 127.0.0.1 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128 C:\> ping 192.168.10.20 192.168.10.20 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128 C:\> ping 192.168.10.1 要求がタイムアウトしました。 C:\> ping 198.51.100.20 要求がタイムアウトしました。

Q26ケースAで最も疑わしい設定ミスは何ですか。正しい設定値も答えてください。

原因:____________ 正しい値:________
解答例を見る

原因:デフォルトゲートウェイが別ネットワークの192.168.20.1に設定されています。

正しい値:192.168.10.1です。

PC-AのIPアドレスとサブネットマスクから、同一LANにあるゲートウェイを設定する必要があります。

Q27設定を修正した後、どの順番で疎通確認しますか。4つ以上書いてください。

1.____ → 2.____ → 3.____ → 4.____ → 5.____
解答例を見る
  1. ipconfigで設定が正しく反映されたか確認する
  2. 自分自身のIPアドレスへpingする
  3. デフォルトゲートウェイ192.168.10.1へpingする
  4. 外部IPアドレス198.51.100.20へpingする
  5. nslookup www.example.jpでDNSを確認する
  6. ブラウザまたはcurlでHTTPS通信を確認する

ケースB:IPアドレスでは通信できるが、名前では接続できない

C:\> ping 192.168.10.1 192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=64 C:\> ping 198.51.100.20 198.51.100.20 からの応答: バイト数 =32 時間 =18ms TTL=52 C:\> nslookup www.example.jp DNS request timed out. timeout was 2 seconds. サーバー: UnKnown Address: 192.168.10.53

Q28ケースBでは、どの機能に問題がある可能性が高いですか。また、次に何を確認しますか。

疑わしい機能:________ 次の確認:____________
解答例を見る

疑わしい機能:DNSによる名前解決です。

次の確認例:DNS ServerのIP設定、PC-Aから192.168.10.53への疎通、DNSサービスの稼働、UDP/TCP 53番の通信制御、別のDNS名の名前解決を確認します。

外部IPアドレスへpingできているため、端末から外部までの基本的なIP通信は成立しています。

ケースC:名前解決とpingは成功するが、Webページが表示されない

C:\> nslookup www.example.jp 名前: www.example.jp Address: 198.51.100.20 C:\> ping 198.51.100.20 198.51.100.20 からの応答: バイト数 =32 時間 =20ms TTL=52 C:\> curl -I https://www.example.jp/ curl: (28) Failed to connect to www.example.jp port 443: Connection timed out

Q29ケースCでは、どの範囲を優先して調査しますか。原因候補を2つ以上挙げてください。

調査範囲:________ 原因候補:1.______ 2.______
解答例を見る

優先する範囲:TCP 443番ポート、ファイアウォール、WebサーバーのHTTPSサービスです。

  • 途中のファイアウォールやACLでTCP 443番が拒否されている
  • WebサーバーのHTTPSサービスが停止している
  • WebサーバーがTCP 443番で待ち受けていない
  • サーバー側OSのファイアウォールで拒否されている

ping成功だけでは、HTTPSサービスが正常とは判断できません。ICMPとTCP 443は別の通信です。

Q30ケースAの調査結果を、上司へ報告する短い文章にまとめてください。

事象
________________________
確認結果
________________________
原因
________________________
対応
________________________
復旧確認
________________________
報告例を見る

PC-AでWebサイトを閲覧できない事象を確認しました。端末自身へのpingは成功しましたが、 デフォルトゲートウェイへの疎通が失敗していました。IP設定を確認したところ、 デフォルトゲートウェイが本来の192.168.10.1ではなく192.168.20.1に設定されていました。 設定を修正後、ゲートウェイ、外部IPアドレス、DNS名前解決、HTTPS接続が成功することを確認し、復旧しました。

Part 4:初級編最終課題

合計10点です。「Webサイトが表示されるまで」を、初心者へ説明する資料としてまとめます。

最終課題:Webサイトが表示されるまでの説明資料を作る

あなたは、新しく入社したIT未経験者へ、パソコンでWebサイトを開いたときに ネットワーク上で何が起きているのかを説明することになりました。

次の5つの成果物を作成してください。紙、スライド、文書、手書きのいずれでも構いません。

  • パソコン、スイッチまたは無線AP、ルーター、DNSサーバー、Webサーバーを含む構成図
  • URL入力からWebページ表示までの通信シーケンス
  • 使用される主なプロトコルと役割の一覧
  • 障害が発生しそうな場所と確認方法の一覧
  • IT未経験者向けの200〜300文字程度の説明文

成果物1:ネットワーク構成図

最低限、次の要素と接続関係を含めます。

PC → スイッチ/アクセスポイント → ルーター → インターネット → Webサーバー
DNSサーバーを利用する位置も追加してください。
成果物1の回答例を見る

次は、自宅または小規模オフィスから外部のWebサイトへアクセスする構成例です。 DNSサーバーとWebサーバーはインターネット上にあるものとして表しています。

回答例:Webアクセス時のネットワーク構成図

[PC]
IP: 192.168.10.20/24
GW: 192.168.10.1
DNS: 203.0.113.53
        |
        | Ethernet / Wi-Fi
        v
[スイッチ/無線AP]
        |
        v
[ルーター]
LAN: 192.168.10.1
WAN: 203.0.113.10
NAPTを実行
        |
        v
================ インターネット ================
        |                              |
        v                              v
[DNSサーバー]                    [Webサーバー]
203.0.113.53                     198.51.100.20
名前からIPを回答                 HTTPSを提供(TCP/443)
  • PCは、同じLAN内のスイッチまたは無線APを経由してルーターへ接続します。
  • DNS問い合わせは、ルーターを経由してDNSサーバーへ送られます。
  • 名前解決後、PCは取得したWebサーバーのIPアドレスへ通信します。
  • Webサーバーは別ネットワークにあるため、PCはパケットをデフォルトゲートウェイへ渡します。
  • ルーターは必要に応じてNAPTを行い、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスへ変換します。

ARPで調べるのは、外部WebサーバーのMACアドレスではありません。 Webサーバーが別ネットワークにある場合、PCは同一LAN内にいるデフォルトゲートウェイのMACアドレスを調べます。

成果物2:通信シーケンス

次の処理を、矢印と短い説明で順番に並べます。

  1. ブラウザへURLを入力する
  2. DNSでWebサーバーのIPアドレスを調べる
  3. ARPで同一LAN内の次の宛先MACアドレスを調べる
  4. デフォルトゲートウェイへパケットを渡す
  5. ルーターで必要に応じてNAPTする
  6. WebサーバーとTCP接続を確立する
  7. TLSを利用して安全な通信を準備する
  8. HTTPSでWebページを要求する
  9. Webサーバーからデータを受け取る
  10. ブラウザが画面へ表示する
成果物2の回答例を見る

例として、ブラウザへhttps://www.example.com/を入力した場合の流れを示します。

  1. URLを入力する 利用者がブラウザへhttps://www.example.com/を入力します。ブラウザは、接続先の名前とHTTPSを使うことを確認します。
  2. DNSでIPアドレスを調べる PCはDNSサーバーへ問い合わせ、www.example.comに対応するWebサーバーのIPアドレス198.51.100.20を受け取ります。
  3. 次に渡す相手を判断する PCは自分のIPアドレスとサブネットマスクを使い、Webサーバーが別ネットワークにあると判断します。そのため、デフォルトゲートウェイへ送ることを決めます。
  4. ARPでゲートウェイのMACアドレスを調べる ARPキャッシュに情報がなければ、PCはARP要求を送信し、デフォルトゲートウェイ192.168.10.1のMACアドレスを取得します。
  5. ルーターへフレームを送る IPパケットの宛先IPアドレスはWebサーバーのままですが、Ethernetフレームの宛先MACアドレスにはルーターのMACアドレスを設定します。
  6. ルーターが経路選択とNAPTを行う ルーターはルーティング情報から送信先を判断し、送信元IPアドレスとポート番号を、インターネット側で利用する値へ変換します。
  7. TCPの3ウェイハンドシェイクを行う PCとWebサーバーは、SYN、SYN/ACK、ACKを交換し、WebサーバーのTCPポート443への接続を確立します。
  8. TLSで安全な通信を準備する サーバー証明書の確認や暗号方式の合意を行い、通信内容を暗号化できる状態にします。
  9. HTTPSでページを要求する ブラウザは、暗号化された通信の中でWebサーバーへページを要求します。代表的な要求はHTTPのGETです。
  10. データを受信して画面へ表示する WebサーバーからHTML、CSS、画像などを受信し、必要な追加データも取得します。ブラウザが内容を解析してWebページを表示します。

成果物3:プロトコル一覧

プロトコル・情報 説明欄
Ethernet・MACアドレス ______________________
ARP ______________________
IP ______________________
DNS ______________________
TCP ______________________
TLS・HTTPS ______________________
ICMP ______________________
成果物3の回答例を見る
プロトコル・情報 回答例
Ethernet・MACアドレス 同じLAN内でフレームを届けるために使用します。MACアドレスはLAN内の送信元機器と次に受け取る機器を識別します。
ARP 同じLAN内にある機器のIPアドレスからMACアドレスを調べます。外部通信では、主にデフォルトゲートウェイのMACアドレスを取得します。
IP 送信元と最終的な宛先をIPアドレスで識別し、異なるネットワークを越えてパケットを届けるために使用します。
DNS www.example.comのような名前を、通信に必要なIPアドレスへ変換します。
TCP 3ウェイハンドシェイクで接続を確立し、データの順序や再送を管理して、信頼性のある通信を行います。
TLS・HTTPS TLSで通信相手の証明書を確認し、通信内容を暗号化します。HTTPSはHTTPをTLSで保護したWeb通信です。
ICMP pingなどで疎通や応答を確認するときに使用します。ただし、ICMPが制限されている機器ではpingに応答しないこともあります。

成果物4:障害ポイントと確認方法

確認範囲 障害例 確認方法
端末・物理接続 ________ ________
IP設定 ________ ________
ゲートウェイ・経路 ________ ________
DNS ________ ________
Webサービス ________ ________
成果物4の回答例を見る
確認範囲 障害例 確認方法の例
端末・物理接続 LANケーブルが抜けている、Wi-Fiが無効、アクセスポイントへ接続できていない、ネットワークアダプターが無効 ケーブルとリンクランプを確認します。Wi-Fiの接続先を確認し、Windowsではipconfig /all、Linuxではip linkip addrでインターフェースの状態を確認します。
IP設定 IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの設定誤り、DHCPからアドレスを取得できていない ipconfig /allまたはip addrで設定を確認します。自分自身や同一LAN内の機器へpingし、IPアドレスが169.254.x.xになっていないかも確認します。
ゲートウェイ・経路 デフォルトゲートウェイの設定誤り、ルーター停止、経路障害、インターネット回線障害 最初にデフォルトゲートウェイへpingします。次に外部IPアドレスへ疎通を確認し、tracertまたはtracerouteでどこまで到達しているかを確認します。
DNS DNSサーバーへ到達できない、DNSサーバー設定の誤り、名前解決情報の誤り nslookupで名前解決できるか確認します。外部IPアドレスには到達できるのに、名前を指定した通信だけ失敗する場合はDNSを疑います。
Webサービス Webサーバー停止、TCPポート443の遮断、証明書エラー、特定サイトだけの障害 別のWebサイトが表示できるか確認し、障害範囲を比較します。ブラウザのエラー内容を確認し、利用可能ならcurl -I https://www.example.com/でHTTP応答を確認します。

切り分けの基本順序

端末・物理接続 → IP設定 → デフォルトゲートウェイ → 外部IPアドレス → DNS名前解決 → Webサービスの順に確認すると、原因範囲を段階的に絞り込めます。

成果物5:初心者向け説明文

200〜300文字程度で、「住所」「案内役」「受付窓口」など身近な例を使いながら説明してください。
説明文の例を見る

ブラウザへWebサイトの名前を入力すると、パソコンはまずDNSという案内サービスを使って、 接続先サーバーのIPアドレスを調べます。接続先が別のネットワークにある場合は、 デフォルトゲートウェイであるルーターへデータを渡します。データはインターネットを通って Webサーバーへ届き、TCPとHTTPSを使って安全にページの文字や画像を受け取ります。 最後にブラウザが受信したデータを組み立て、画面へWebページを表示します。

Part 4の採点基準

成果物 2点 1点 0点
構成図 主要機器と接続関係が正しい 一部不足がある 通信経路を読み取れない
通信シーケンス DNS・ARP・TCP・HTTPSの順序と役割を説明できる 順序または説明に一部誤りがある 主要な流れを説明できない
プロトコル一覧 6種類以上の役割を正しく説明できる 3〜5種類を説明できる 2種類以下しか説明できない
障害ポイント 5つの範囲で障害例と確認方法を書ける 3〜4つの範囲を書ける 2つ以下しか書けない
初心者向け説明 専門用語を補足し、全体の流れを分かりやすく説明できる 流れは分かるが説明が難しい、または一部不足 用語の列挙だけで流れを説明できない

採点シートと修了判定

各パートの点数を記入し、合計点を計算してください。

パート 満点 自分の得点
Part 1:基礎知識総合テスト 20点 __点
Part 2:ネットワーク構成図の読み取り 10点 __点
Part 3:障害切り分けケース演習 10点 __点
Part 4:初級編最終課題 10点 __点
合計 50点 __点

40〜50点:初級編修了

基礎知識を関連づけ、通信経路や障害原因を考えられる状態です。 次はVLAN、ルーティング、STP、ACL、パケット解析など、中級編の内容へ進みましょう。

30〜39点:弱点を復習

基礎は身についていますが、一部の知識がまだつながっていません。 点数の低かった章のまとめテストと関連記事を復習し、再挑戦してください。

0〜29点:章ごとに再確認

個別の用語を覚えるより、まず通信の全体像から整理しましょう。 第1章から順番に読み直し、各章末テストを解いてから総合演習へ戻るのがおすすめです。

得点よりも大切な確認

模範解答を見ずに、「PCからWebサーバーまで、どの機器を通り、どの情報とプロトコルが使われるか」を 3分程度で説明できれば、初級編の大きな目標は達成できています。

まとめ

  • 初級編総合演習は、基礎知識・構成図・障害切り分け・成果物作成の4パートで構成
  • 満点は50点、初級編の修了基準は40点以上
  • IPアドレスは通信相手、MACアドレスは同一LAN内の届け先、ポート番号はサービスを識別する
  • WebアクセスではDNS、ARP、IP、TCP、TLS、HTTPSなどが連携する
  • 障害対応では端末から接続先へ、確認範囲を段階的に広げる
  • 最終目標は、通信の仕組みを自分の言葉と図で説明できること

初級編で身につけた「通信を分解して考える力」は、VLANやルーティング、 ファイアウォール、クラウドネットワークを学ぶときの土台になります。

初級編修了後の次の学習

初級編では、ネットワーク通信の基本と初歩的な切り分けを学びました。 次の段階では、VLAN、トランク、STP、ルーティング、ACL、VPN、Wiresharkなどを使い、 実際の構成を作りながら障害原因を特定する力を身につけます。

ネットワーク初級編 32/全32記事

これでネットワーク初級編は修了です。間違えた分野を復習し、 「通信を説明できる」「基本コマンドで確認できる」「原因候補を整理できる」状態を目指してください。

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