サブネットマスクとは?初心者向けに役割・見方・計算方法を図解

ネットワーク初級編 08/全32記事

この記事は、「ネットワーク初級編|通信の仕組みをゼロから学ぶ」の第8回です。

前回学んだIPv4アドレスに、サブネットマスクを組み合わせることで、同じネットワークにいる相手を判断できるようになります。

サブネットマスクとは?初心者向けに役割・見方・計算方法を図解

サブネットマスクは、IPアドレスを「ネットワークを表す部分」と「端末を表す部分」に分けるための情報です。この記事では、255.255.255.0や/24の意味、同じネットワークの見分け方、設定確認のポイントを図解します。

対象レベルLevel 1・初級
想定読了時間約20分
身につく成果同じネットワークか判断できる
前提知識IPv4アドレスの見方
演習環境ブラウザのみ

パソコンのネットワーク設定を見ると、IPアドレスの近くに255.255.255.0という数字が表示されます。これがサブネットマスクです。

数字だけを見ると難しそうですが、役割はシンプルです。IPアドレスのどこまでが所属するネットワークを表し、どこからが端末番号を表すのかを示しています。

この記事を読み終えるとできること

  • サブネットマスクの役割を説明できる
  • 255.255.255.0と/24の関係を説明できる
  • 2台の端末が同じネットワークか判断できる
  • Windowsの設定画面でサブネットマスクを確認できる

サブネットマスクとは何か

最初に覚える定義

サブネットマスクとは、IPアドレスのうち、どこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部かを示す情報です。

IPv4アドレスは、単に端末を識別する32ビットの番号ではありません。サブネットマスクと組み合わせることで、次の2つの情報に分けて考えられます。

  • ネットワーク部:その端末が所属するネットワークを表す部分
  • ホスト部:そのネットワーク内で端末を識別する部分

たとえば、IPアドレスが192.168.1.10、サブネットマスクが255.255.255.0の場合、一般的には次のように分けます。

192.168.1.10 / 255.255.255.0 の分かれ方

ネットワーク部192
ネットワーク部168
ネットワーク部1
ホスト部10
ネットワーク:192.168.1.0 / 端末番号:10

IPアドレスだけでは、区切り位置は分かりません。

同じ192.168.1.10でも、設定されるサブネットマスクが変われば、所属するネットワークの範囲も変わります。

なぜサブネットマスクが必要なのか

端末はデータを送るとき、宛先が自分と同じネットワークにいるか、それとも別のネットワークにいるかを判断します。

同じネットワークの場合

端末は、同じLAN内にいる相手へ直接データを届けようとします。

例:192.168.1.10から192.168.1.20へ通信

異なるネットワークの場合

端末は、ルーターであるデフォルトゲートウェイへデータを渡します。

例:192.168.1.10から192.168.2.20へ通信

この判断に使われるのが、IPアドレスとサブネットマスクです。

送信先によって通信方法が変わる

💻PC-A
192.168.1.10/24
🔍宛先を判定
同じネットワークか?
📡直接送信またはルーター
判定結果で経路が変わる

次の記事では、別のネットワークへ送るときに使うデフォルトゲートウェイを詳しく学びます。

ネットワーク部とホスト部を図で理解する

サブネットマスクは、2進数にすると役割が明確になります。IPv4アドレスと同じく、サブネットマスクも32ビットです。

255.255.255.0を2進数に変換すると、次のようになります。

255.255.255.0 = 11111111.11111111.11111111.00000000

サブネットマスクでは、連続する1がネットワーク部、連続する0がホスト部を表します。

サブネットマスクの1と0が示す範囲

1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
ネットワーク部:24ビットホスト部:8ビット
サブネットマスクのビット意味
1IPアドレスのネットワーク部として扱う
0IPアドレスのホスト部として扱う

1と0は原則として途中で交互に並びません。サブネットマスクは、左から1が連続し、その後に0が連続する形で使用します。

255.255.255.0と/24の関係

ネットワークの資料や設定では、192.168.1.10/24のような表記もよく使われます。この/24は、サブネットマスクの1が左から24個あることを表しています。

255.255.255.0 = 11111111.11111111.11111111.00000000 = /24

この表記をプレフィックス長またはCIDR表記と呼びます。

10進数表記CIDR表記ネットワーク部ホスト部
255.0.0.0/88ビット24ビット
255.255.0.0/1616ビット16ビット
255.255.255.0/2424ビット8ビット
255.255.255.128/2525ビット7ビット
255.255.255.192/2626ビット6ビット

なぜ2つの書き方があるのか

255.255.255.0は設定画面で見かけやすく、/24は構成図やクラウド、ルーターの設定でよく使われます。意味は同じです。

初心者は、まず/24=255.255.255.0を確実に覚えましょう。その後、/25や/26など、1オクテットの途中で区切るサブネットを学ぶと理解しやすくなります。

同じネットワークの見分け方

ここでは、サブネットマスクが255.255.255.0、つまり/24の場合を考えます。

/24では、IPアドレスの先頭24ビット、10進数では最初の3つの数字がネットワーク部です。

PC-A

IPアドレス:192.168.1.10

サブネットマスク:255.255.255.0

ネットワーク:192.168.1.0/24

PC-B

IPアドレス:192.168.1.20

サブネットマスク:255.255.255.0

ネットワーク:192.168.1.0/24

PC-AとPC-Bは、どちらもネットワーク部が192.168.1です。そのため、同じネットワークに所属します。

同じネットワークに所属する例

💻PC-A
192.168.1.10/24
🔀スイッチ
同じLAN内を中継
💻PC-B
192.168.1.20/24

異なるネットワークの例

端末IPアドレスサブネットマスク所属ネットワーク
PC-A192.168.1.10255.255.255.0192.168.1.0/24
PC-C192.168.2.20255.255.255.0192.168.2.0/24

最初の3つの数字が異なるため、PC-AとPC-Cは別のネットワークです。通信するにはルーターが必要です。

判断手順

  1. 両方のIPアドレスを確認する送信元と宛先のIPアドレスを確認します。
  2. サブネットマスクを確認する両端末がどの範囲をネットワーク部として扱うか確認します。
  3. ネットワーク部を比較するネットワーク部が同じなら同一ネットワーク、異なれば別ネットワークです。
  4. 通信方法を決める同じなら直接、異なるならデフォルトゲートウェイへ送ります。

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス

サブネットの中には、端末へ割り当てない特別なアドレスがあります。

種類192.168.1.0/24の例役割
ネットワークアドレス192.168.1.0ネットワークそのものを表す
ホストアドレス192.168.1.1〜192.168.1.254端末やルーターなどへ割り当てる
ブロードキャストアドレス192.168.1.255同じネットワーク内の全端末宛てを表す
192.168.1.0/24で通常割り当てられる範囲:192.168.1.1 ~ 192.168.1.254

/24ではホスト部が8ビットあるため、理論上は2の8乗=256個の組み合わせがあります。そこからネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除くと、通常利用できるホストアドレスは254個です。

クラウドなど一部の環境では、プラットフォーム側が追加のアドレスを予約することがあります。実際に利用できる数は、サービスの仕様も確認してください。

よく使われるサブネットマスク

初級段階では、次の表を見ながら範囲を確認できれば十分です。

CIDRサブネットマスクアドレス総数通常利用可能なホスト数
/24255.255.255.0256254
/25255.255.255.128128126
/26255.255.255.1926462
/27255.255.255.2243230
/28255.255.255.2401614
/29255.255.255.24886
/30255.255.255.25242

プレフィックス長が大きいほど、ネットワークは小さくなる

/24から/25へ数字が大きくなると、ネットワーク部が1ビット増え、ホスト部が1ビット減ります。その結果、1つのネットワークに入れられる端末数は少なくなります。

/24 → /25 → /26と進むたび、1ネットワークのアドレス数は半分になります。

Windowsでサブネットマスクを確認する方法

Windowsでは、コマンドプロンプトでipconfigを実行すると確認できます。

C:\> ipconfig イーサネット アダプター Ethernet: IPv4 アドレス . . . . . . . . . . : 192.168.1.10 サブネット マスク . . . . . . . . : 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . : 192.168.1.1

この例では、端末の設定は次のとおりです。

  • IPアドレス:192.168.1.10
  • サブネットマスク:255.255.255.0、つまり/24
  • 所属ネットワーク:192.168.1.0/24
  • デフォルトゲートウェイ:192.168.1.1

PowerShellで確認する方法

PS C:\> Get-NetIPAddress -AddressFamily IPv4 IPAddress : 192.168.1.10 PrefixLength : 24 InterfaceAlias : Ethernet

PowerShellでは、サブネットマスクがPrefixLength : 24のようにCIDR表記で表示されることがあります。

現場で起こるサブネットマスクの設定ミス

サブネットマスクが誤っていると、IPアドレスが正しく見えても通信できない場合があります。

ケース1:同じネットワークなのに別ネットワークと判断する

PC-A:192.168.1.10/24

PC-B:192.168.1.20/32

PC-Bの範囲が極端に狭いため、相手を同じネットワークとして正しく扱えません。

ケース2:別ネットワークなのに同じネットワークと判断する

PC-A:192.168.1.10/16

宛先:192.168.2.20

PC-Aは宛先を同じネットワークと誤認し、ルーターへ送らず直接探そうとします。

設定ミスを切り分ける順番

  1. IPアドレスを確認する想定したアドレスが設定されているか確認します。
  2. サブネットマスクを確認する同じネットワークの端末と値が一致しているか、設計どおりか確認します。
  3. 所属ネットワークを計算する自分と宛先が同一ネットワークか確認します。
  4. デフォルトゲートウェイを確認する別ネットワークへの通信に必要な設定を確認します。
  5. pingやARPの結果を確認するどこまで通信できているかを段階的に調べます。

サブネットマスクだけを変更すると、端末が「直接送る相手」と「ルーターへ渡す相手」の判断範囲が変わります。設定変更時はIPアドレス、ゲートウェイ、ネットワーク設計をセットで確認してください。

サブネットマスクに関するよくある勘違い

サブネットマスクは端末を識別する番号

端末自体を識別するのはIPアドレスです。サブネットマスクは、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分ける情報です。

IPアドレスの最初の3つが必ずネットワーク部

255.255.255.0、つまり/24なら最初の3オクテットがネットワーク部です。しかし、/16や/26では区切り位置が変わります。

同じ192.168で始まれば同じネットワーク

同じネットワークかどうかは、IPアドレスだけでなくサブネットマスクを組み合わせて判断します。

/24と255.255.255.0は別の設定

どちらも同じサブネットマスクを表しています。表示方法が異なるだけです。

サブネットマスクは通信経路の判断に使われる

端末はIPアドレスとサブネットマスクから、宛先へ直接送るか、デフォルトゲートウェイへ渡すかを判断します。

理解度チェック

解答を見る前に、自分で考えてみましょう。

問題1.サブネットマスクの役割として最も適切なものはどれですか。

  1. Webサイトの名前をIPアドレスへ変換する
  2. IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分ける
  3. 通信を暗号化する
  4. LANケーブルの速度を決める
解答を見る
正解:B

サブネットマスクは、IPアドレスの区切り位置を示します。

問題2.255.255.255.0をCIDR表記にするとどれですか。

  1. /8
  2. /16
  3. /24
  4. /32
解答を見る
正解:C(/24)

2進数にすると1が24個、0が8個並びます。

問題3.どちらも/24のとき、192.168.10.20と同じネットワークに所属するIPアドレスはどれですか。

  1. 192.168.10.50
  2. 192.168.11.20
  3. 192.169.10.20
  4. 10.168.10.20
解答を見る
正解:A

/24では最初の3オクテットがネットワーク部です。192.168.10が一致しています。

問題4.192.168.1.0/24のネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを答えてください。

解答を見る

ネットワークアドレス:192.168.1.0

ブロードキャストアドレス:192.168.1.255

問題5./24から/25へ変更すると、1つのネットワークで使えるアドレス範囲は広くなりますか、狭くなりますか。

解答を見る
正解:狭くなります。

ネットワーク部が1ビット増え、ホスト部が1ビット減るため、1ネットワークのアドレス総数は256から128へ半分になります。

実践演習:同じネットワークか判定しよう

PC-Aから各端末へ通信するとき、同じネットワークか、別ネットワークかを判定してください。

基準となるPC-A

IPアドレス:172.16.10.50

サブネットマスク:255.255.255.0(/24)

課題1.PC-Bを判定する

PC-B:172.16.10.100/24

同じネットワーク/別ネットワーク:______
理由:________________
課題1の解答を見る
同じネットワークです。

どちらもネットワーク部が172.16.10で、所属ネットワークは172.16.10.0/24です。

課題2.PC-Cを判定する

PC-C:172.16.20.100/24

同じネットワーク/別ネットワーク:______
通信するために必要な機器:______
課題2の解答を見る
別ネットワークです。

PC-Aは172.16.10.0/24、PC-Cは172.16.20.0/24に所属します。通信にはルーターが必要です。

課題3.設定ミスを見つける

同じスイッチに接続された2台のPCがあります。

端末IPアドレスサブネットマスク
PC-D192.168.50.10255.255.255.0
PC-E192.168.50.20255.255.0.0

設計上、ネットワークは192.168.50.0/24です。どの設定を修正すべきですか。

修正対象:______
修正後の値:______
課題3の解答を見る

PC-Eのサブネットマスクを255.255.255.0へ修正します。

PC-Eだけ/16になっており、設計された/24と一致していません。

自分の言葉で説明する課題

ITを知らない人へ、サブネットマスクを30秒程度で説明してください。

「サブネットマスクとは何ですか?」

サブネットマスクとは、____________________________。
説明例を見る

サブネットマスクとは、IPアドレスのどこまでが所属するネットワークを表し、どこからが端末番号を表すのかを示す情報です。端末はIPアドレスとサブネットマスクを使って、通信相手が同じネットワークにいるかを判断します。

「IPアドレスを区切る」「ネットワーク部とホスト部」「同じネットワークか判断する」の3点を含められれば、この記事の目標は達成です。

まとめ

  • サブネットマスクは、IPアドレスをネットワーク部とホスト部に分ける情報
  • サブネットマスクの2進数で、1の部分がネットワーク部、0の部分がホスト部
  • 255.255.255.0/24は同じ意味
  • 端末はIPアドレスとサブネットマスクから、宛先が同じネットワークか判断する
  • 同じネットワークなら直接通信し、別ネットワークならデフォルトゲートウェイへ送る
  • 192.168.1.0/24では、通常192.168.1.1〜192.168.1.254を端末へ割り当てる
  • サブネットマスクの設定ミスは、通信できない原因になる

サブネットマスクは、端末が通信経路を選ぶための「ネットワークの境界線」です。

次の記事:デフォルトゲートウェイとは何か

今回は、サブネットマスクを使って、宛先が同じネットワークか別のネットワークかを判断する仕組みを学びました。

次の記事では、別のネットワークへデータを送るときに利用するデフォルトゲートウェイの役割を解説します。

「デフォルトゲートウェイが間違っていると、同じLAN内には通信できるのにインターネットへ接続できない」という理由も分かるようになります。

ネットワーク初級編 08/全32記事

初級編では、ネットワークの全体像からIPアドレス、DNS、TCP、基本コマンド、障害切り分けまでを順番に学びます。

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