OSI参照モデルとは?7階層の役割を初心者向けに図解

ネットワーク初級編 13/全32記事

この記事は、 「ネットワーク初級編|通信の仕組みをゼロから学ぶ」 の第13回です。

前回は、機器同士が通信するための共通ルールである プロトコル を学びました。今回は、複数の通信処理を7つの階層に分けて整理する 「OSI参照モデル」を学びます。

OSI参照モデルとは?7階層の役割を初心者向けに図解

ネットワーク通信では、アプリケーション、TCPやUDP、IPアドレス、 MACアドレス、LANケーブルなど、役割の異なる多くの仕組みが連携しています。 OSI参照モデルを使うと、これらを7つの階層に分けて整理できます。 この記事では、各階層の役割と通信の流れを、初心者向けに図解します。

対象レベル Level 1・初級
想定読了時間 約22分
身につく成果 OSIの7階層と役割を説明できる
前提知識 IP・MAC・ポート・プロトコル
演習環境 ブラウザのみ

ネットワークを学び始めると、HTTP、TCP、IP、Ethernetなど、 多くの用語が一度に登場します。

これらをすべて同じ種類の技術として覚えようとすると、 それぞれの違いや関係が分からなくなります。

OSI参照モデルは、通信に必要な処理を役割ごとに分け、 「どの技術が、通信のどの部分を担当しているのか」 を整理するための地図です。

この記事を読み終えるとできること

  • OSI参照モデルの目的を説明できる
  • 第1層から第7層までの役割を区別できる
  • IP・MAC・ポート番号が属する階層を説明できる
  • カプセル化と非カプセル化の流れを説明できる
  • 通信障害を階層ごとに整理できる
  • OSIモデルとTCP/IPモデルの違いを説明できる

OSI参照モデルとは何か

最初に覚える定義

OSI参照モデルとは、ネットワーク通信に必要な処理を、 役割ごとに7つの階層へ分けて整理した考え方です。

パソコンからWebサーバーへデータを送るときは、 1つのプロトコルだけで通信しているわけではありません。

  • Webページを要求するためのルール
  • 通信相手のアプリケーションを識別する仕組み
  • 離れたネットワークまでデータを届ける仕組み
  • 同じLAN内で次の機器へ届ける仕組み
  • ケーブルや電波でデータを送る仕組み

このように、目的の異なる複数の処理が組み合わさることで、 1回の通信が成立しています。

OSI参照モデルは、通信そのものではありません。

通信処理を理解しやすくするために、 役割を7つに分けて整理した「考え方」や「分類方法」です。

なぜ階層に分けるのか

通信に必要なすべての処理を、1つの巨大な仕組みとして扱うと、 設計や開発、障害調査が複雑になります。

そこで、役割ごとに処理を分けます。

役割を整理できる

IPアドレス、MACアドレス、ポート番号などの違いを、 担当する階層ごとに整理できます。

技術を組み合わせやすい

各階層が決められた役割を担当するため、 異なる技術同士を組み合わせやすくなります。

変更の影響を抑えられる

ある階層の技術を変更しても、 ほかの階層をすべて作り直さずに済みます。

障害箇所を整理できる

通信できない原因を、ケーブル、LAN、IP、TCP、 アプリケーションなどに分けて考えられます。

宅配便に置き換えて考える

OSI参照モデルは、荷物を相手へ届ける流れに置き換えると理解しやすくなります。

送りたい内容を用意する

商品や手紙を用意します。ネットワークでは、 アプリケーションが送信するデータに相当します。

相手が読める形式にする

必要に応じて翻訳したり、圧縮したりします。 データ形式の変換や暗号化に相当します。

配送の受付を管理する

受付を開始し、やり取りが終わるまで管理します。 通信セッションの管理に相当します。

荷物を分割して番号を付ける

大きな荷物を運べる大きさに分けます。 データ分割や順序管理に相当します。

配送先の住所を確認する

遠くの宛先まで届ける住所と経路を決めます。 IPアドレスとルーティングに相当します。

次の配送拠点へ渡す

現在地から次の拠点まで荷物を運びます。 MACアドレスを使った同一リンク内の転送に相当します。

道路や車で実際に運ぶ

道路や車を使って荷物を移動させます。 ケーブル、光、電波による伝送に相当します。

OSI参照モデルの7階層

OSI参照モデルは、通信処理を第1層から第7層までに分けます。

利用者やアプリケーションに近いのが第7層で、 ケーブルや電波に近いのが第1層です。

OSI参照モデルの全体図

7
アプリケーション層 Application Layer
利用者が使うネットワークサービスを提供する
6
プレゼンテーション層 Presentation Layer
データ形式の変換、暗号化、圧縮を行う
5
セッション層 Session Layer
通信の開始、維持、終了を管理する
4
トランスポート層 Transport Layer
アプリケーション間の通信とデータ配送を管理する
3
ネットワーク層 Network Layer
異なるネットワークを越えて宛先まで届ける
2
データリンク層 Data Link Layer
同じ通信リンク上の次の機器までデータを届ける
1
物理層 Physical Layer
電気信号、光、電波としてビットを伝送する
第7層
利用者・アプリケーションに近い
第1層
ケーブル・電波に近い
名称 主な役割 代表例 データの呼び方
第7層 アプリケーション層 ネットワークサービスを提供する HTTP、HTTPS、DNS、SMTP データ
第6層 プレゼンテーション層 形式変換、暗号化、圧縮 文字コード、画像形式、暗号化処理
第5層 セッション層 通信の開始、維持、終了 セッション管理、同期処理
第4層 トランスポート層 アプリケーション間のデータ配送 TCP、UDP、ポート番号 セグメント/データグラム
第3層 ネットワーク層 ネットワーク間の配送と経路選択 IP、IPアドレス、ルーター パケット
第2層 データリンク層 同一リンク内のデータ転送 Ethernet、MACアドレス、スイッチ フレーム
第1層 物理層 電気・光・電波による伝送 LANケーブル、光ファイバー、電波 ビット

最初は、すべての用語を暗記する必要はありません。

まずは「第1層は物理的な伝送」「第2層はMAC」 「第3層はIP」「第4層はTCP・UDPとポート番号」 「第7層はアプリケーションの通信」と整理しましょう。

各階層の役割を詳しく理解する

第7層 アプリケーション層

アプリケーション層は、利用者が使うアプリケーションに対して、 ネットワークサービスを提供する階層です。

Webサイトを見る、名前からIPアドレスを調べる、 メールを送るといった処理に必要なプロトコルが含まれます。

HTTP HTTPS DNS SMTP SSH

WebブラウザそのものがOSI第7層というより、 ブラウザが利用するHTTPやHTTPSなどの通信機能が アプリケーション層に該当すると考えると分かりやすくなります。

第6層 プレゼンテーション層

プレゼンテーション層は、送信側と受信側がデータを正しく扱えるように、 データの表現形式を整える階層です。

  • 文字コードやデータ形式の変換
  • データの暗号化と復号
  • データの圧縮と展開
文字コード 画像形式 暗号化 圧縮

たとえば、送信側で暗号化したデータを、 受信側で元の内容へ戻す処理が該当します。

第5層 セッション層

セッション層は、通信するアプリケーション同士の やり取りを開始し、維持し、終了するための管理を行う階層です。

  • 通信の開始
  • 通信状態の維持
  • 処理の同期
  • 通信の終了
セッション確立 維持 同期 終了

現在の実際の通信では、第5層から第7層までの役割が 1つのアプリケーションやプロトコルの中でまとめて実装されることもあります。

第4層 トランスポート層

トランスポート層は、送信元と宛先のアプリケーション間で、 データをどのように届けるかを管理する階層です。

  • 大きなデータを小さく分割する
  • 受信側でデータを元の順番へ戻す
  • データが届いたかを確認する
  • ポート番号でアプリケーションを識別する
TCP UDP ポート番号 信頼性 順序制御

TCPは、データの到着確認や再送、順序制御を行います。 UDPは、確認処理を簡略化して効率よくデータを送ります。

第4層の重要情報はポート番号です。

IPアドレスで通信先の機器を識別し、 ポート番号でその機器上のどのアプリケーションへ届けるかを識別します。

第3層 ネットワーク層

ネットワーク層は、異なるネットワークを越えて、 最終的な宛先までデータを届ける階層です。

  • 送信元IPアドレスと宛先IPアドレスを付ける
  • 宛先ネットワークへの経路を判断する
  • ルーターを経由してパケットを転送する
IP IPアドレス ルーティング ルーター パケット

自分と異なるネットワークにあるサーバーへ通信する場合、 パソコンはデータを デフォルトゲートウェイ へ渡します。

第2層 データリンク層

データリンク層は、同じLANや同じ通信リンク上にある 次の機器までデータを届ける階層です。

  • 送信元MACアドレスと宛先MACアドレスを付ける
  • Ethernetフレームを作る
  • スイッチが転送先ポートを判断する
  • 伝送中にデータが壊れていないかを確認する
Ethernet MACアドレス スイッチ フレーム VLAN

第3層のIPアドレスが最終的な通信相手を示すのに対し、 第2層のMACアドレスは、現在の通信リンク上で 次にデータを渡す相手を示します。

MACアドレスの役割については、 「MACアドレスとは何か」 でも解説しています。

第1層 物理層

物理層は、0と1のビット情報を、 電気信号、光、電波として実際に伝送する階層です。

  • LANケーブルや光ファイバーの規格
  • コネクターの形状
  • 電気信号や光信号
  • 無線通信で使う電波
  • 通信速度や信号のタイミング
ビット LANケーブル 光ファイバー 電波 コネクター

LANケーブルが抜けている、光信号が届いていない、 Wi-Fiの電波が弱いといった問題は、主に物理層の問題として整理できます。

機器を1つの階層だけに固定しすぎないようにしましょう。

初学者向けには「スイッチは第2層」「ルーターは第3層」と整理できますが、 実際には複数の階層を処理できる機器もあります。 たとえば、レイヤー3スイッチは第2層と第3層の両方の処理を行います。

送信から受信までの通信の流れ

パソコンからWebサーバーへデータを送る場合、 送信側では第7層から第1層へ向かって処理が進みます。

受信側では反対に、第1層から第7層へ向かって処理が進みます。

送信側と受信側の処理方向

送信側のパソコン
第7層 アプリケーションデータを作る
第6層 データ形式を整える
第5層 通信状態を管理する
第4層 ポート番号などを追加する
第3層 IPアドレスなどを追加する
第2層 MACアドレスなどを追加する
第1層 信号として送信する
LAN・インターネット
受信側のWebサーバー
第1層 信号を受信する
第2層 フレームを確認する
第3層 IPパケットを確認する
第4層 ポート番号などを確認する
第5層 通信状態を確認する
第6層 データ形式を元へ戻す
第7層 アプリケーションへ渡す

Webサイトを開く場合の簡略化した流れ

  1. ブラウザが、Webサーバーへ送る要求データを作ります。
  2. 必要に応じて、データの暗号化や形式変換が行われます。
  3. TCPやUDPが、ポート番号などの情報を追加します。
  4. IPが、送信元IPアドレスと宛先IPアドレスを追加します。
  5. Ethernetが、送信元MACアドレスと宛先MACアドレスを追加します。
  6. データが0と1の信号へ変換され、ケーブルや電波を通って送信されます。
  7. Webサーバーは、受け取ったデータを下位層から順番に確認します。
  8. 最終的に、Webサーバーのアプリケーションへ要求内容が渡されます。

同じ階層同士が、論理的に通信していると考えます。

たとえば、送信側の第3層はIP情報を付け、 受信側の第3層はそのIP情報を確認します。 実際のデータは下位層を通りますが、 同じ階層のルールに従って処理されています。

カプセル化とは何か

重要用語

カプセル化とは、上位層から受け取ったデータに、 各階層が通信に必要な制御情報を付け加える処理です。

送信側では、データが第7層から第1層へ渡される過程で、 各階層の情報が順番に追加されます。

アプリケーションデータ
例:Webページを送ってください
TCP/UDPヘッダー + アプリケーションデータ
セグメントまたはデータグラム
IPヘッダー + TCP/UDPのデータ
パケット
Ethernetヘッダー + IPパケット + トレーラー
フレーム
01010110 11001010 00110101 …
ビットとして伝送

各階層で追加される代表的な情報

階層 追加される代表的な情報 目的
第4層 送信元・宛先ポート番号、順序番号など アプリケーションの識別や配送管理
第3層 送信元・宛先IPアドレスなど 最終的な通信相手まで届ける
第2層 送信元・宛先MACアドレス、誤り検出情報など 現在のリンク上の次の相手へ届ける
第1層 信号へ変換するための物理的な表現 ケーブル、光、電波で伝送する

受信側では情報を取り外す

受信側では、第1層から第7層へデータを渡しながら、 各階層が自分に関係する情報を確認して取り外します。

この処理を、一般に非カプセル化または デカプセル化と呼びます。

荷物を送るときに、商品を箱へ入れ、 宛名ラベルや配送票を付けるのがカプセル化です。

荷物を受け取った側が配送票や箱を外し、 中の商品を取り出すのが非カプセル化です。

OSIモデルとTCP/IPモデルの違い

OSI参照モデルは、通信処理を7階層に分けて整理します。

一方、現在のインターネット通信を理解するときには、 通信処理を4階層に整理したTCP/IPモデルもよく使われます。

OSI参照モデル TCP/IPモデル 主な役割
第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
アプリケーション層 アプリケーション通信、データ表現、セッション管理
第4層 トランスポート層 トランスポート層 アプリケーション間のデータ配送
第3層 ネットワーク層 インターネット層 IPによるネットワーク間の配送
第2層 データリンク層
第1層 物理層
ネットワークインターフェース層 同一リンク内の転送と物理的な伝送

OSIとTCP/IPのどちらか一方だけが正しいわけではありません。

OSI参照モデルは役割を細かく整理するときに便利で、 TCP/IPモデルは実際のインターネット通信を理解するときに便利です。

次の記事では、TCP/IPモデルの4階層を使って、 Webアクセス時にデータがどのように流れるのかを解説します。

障害切り分けでOSIモデルを使う方法

OSI参照モデルは、試験用の暗記項目だけではありません。 現場では、通信障害の原因を整理するときに役立ちます。

第1層を確認

  • ケーブルが抜けていないか
  • リンクランプが点灯しているか
  • 光や電波が届いているか
  • インターフェースが有効か

第2層を確認

  • 正しいVLANに所属しているか
  • MACアドレスを学習しているか
  • スイッチポートが正常か
  • Ethernetエラーがないか

第3層を確認

  • IPアドレスは正しいか
  • サブネットマスクは正しいか
  • ゲートウェイは正しいか
  • 経路情報があるか

第4層を確認

  • 必要なポートが開いているか
  • TCP接続が成立するか
  • ファイアウォールで拒否されていないか
  • サービスが待ち受けているか

第7層を確認

  • アプリケーションが動いているか
  • DNSで名前解決できるか
  • URLや設定値が正しいか
  • サーバーが正常に応答しているか

例:pingは通るがWebサイトを開けない

WebサーバーのIPアドレスへpingが通る場合、 少なくとも物理的な接続やIP通信は成立している可能性が高いと考えられます。

次に確認する候補は、次のとおりです。

  • TCPの80番または443番ポートへ接続できるか
  • ファイアウォールでWeb通信が拒否されていないか
  • Webサーバーのサービスが起動しているか
  • ブラウザへ入力したURLが正しいか
  • DNSで正しいIPアドレスを取得できているか

このように、OSI参照モデルを使うと、 「どの範囲までは正常で、次にどの階層を調べるべきか」を整理できます。

必ず第1層から確認するとは限らない

障害切り分けでは、第1層から順番に確認する方法が基本です。 ただし、毎回すべての階層を確認しなければならないわけではありません。

たとえば、同じ端末から複数のWebサイトを開けるのに、 1つのサービスだけ利用できない場合は、 物理層よりもアプリケーション側の問題を優先して調べられます。

OSI参照モデルは、確認手順を機械的に決めるものではなく、 原因候補と確認範囲を整理するために使います。

OSI参照モデルのよくある勘違い

データは第7層から第1層へ一度だけ流れる

送信側では第7層から第1層へ進みますが、 受信側では第1層から第7層へ進みます。 通信では送信と受信の両方の処理が行われます。

OSI参照モデルの7階層が、そのまま別々の機器として存在する

OSI参照モデルは通信処理を分類した考え方です。 1台のパソコンやネットワーク機器が、 複数の階層の処理を担当することがあります。

IPアドレスとMACアドレスは同じ階層の情報

IPアドレスは第3層で使われ、 MACアドレスは第2層で使われます。 目的と利用範囲が異なります。

ポート番号はルーターの物理ポート番号を表す

TCPやUDPのポート番号は、第4層でアプリケーションを識別する番号です。 ネットワーク機器の接続口を示す物理ポート番号とは別のものです。

実際の通信では必ず7階層が明確に分離されている

実際のプロトコルやソフトウェアでは、 複数の階層の役割がまとめて実装される場合があります。 OSI参照モデルは、処理を理解するための基準です。

OSI参照モデルは通信の役割と障害範囲を整理するために使える

技術を階層ごとに整理すると、 通信の仕組みや障害の確認箇所を理解しやすくなります。

7階層の覚え方

上位層から順番に、名称の最初の音を並べると覚えやすくなります。

上から覚える

アプリケーション → プレゼンテーション → セッション → トランスポート → ネットワーク → データリンク → 物理

最初は名称だけを暗記するのではなく、 次の4つを中心に覚えましょう。

  • 第1層:ケーブル・光・電波
  • 第2層:MACアドレスとフレーム
  • 第3層:IPアドレスとパケット
  • 第4層:TCP・UDPとポート番号

理解度チェック

記事の内容を確認するため、次の5問に答えてください。 解答を見る前に、一度自分で考えてみましょう。

問題1.OSI参照モデルの説明として、最も適切なものはどれですか。

  1. ネットワークへ接続するための物理的な機器
  2. 通信処理を役割ごとに7階層へ分けて整理した考え方
  3. Webサイトだけで使われる通信プロトコル
  4. IPアドレスを自動設定する仕組み
解答を見る
正解:B

OSI参照モデルは、ネットワーク通信に必要な処理を、 役割ごとに7階層へ分けて整理した考え方です。

問題2.IPアドレスを使用して、異なるネットワーク間で データを届ける階層はどれですか。

  1. 第1層 物理層
  2. 第2層 データリンク層
  3. 第3層 ネットワーク層
  4. 第4層 トランスポート層
解答を見る
正解:C

第3層のネットワーク層では、IPアドレスと経路情報を使って、 異なるネットワークを越えてパケットを届けます。

問題3.TCP・UDPとポート番号が属する階層はどれですか。

  1. アプリケーション層
  2. トランスポート層
  3. ネットワーク層
  4. データリンク層
解答を見る
正解:B

TCPとUDPは第4層のトランスポート層で使われます。 ポート番号を使って通信先のアプリケーションを識別します。

問題4.送信側で、各階層がデータへ制御情報を追加する処理を 何と呼びますか。

解答を見る
正解:カプセル化

送信側では、TCPまたはUDPヘッダー、IPヘッダー、 Ethernetヘッダーなどが順番に追加されます。

問題5.次の用語を、該当する階層と組み合わせてください。

  • MACアドレス
  • IPアドレス
  • ポート番号
  • LANケーブル
解答を見る
  • MACアドレス:第2層 データリンク層
  • IPアドレス:第3層 ネットワーク層
  • ポート番号:第4層 トランスポート層
  • LANケーブル:第1層 物理層

実践演習:障害をOSI階層に分類しよう

PCからWebサーバーへアクセスする構成で、 次の5つの問題が発生したとします。

演習用ネットワーク

PC  →  スイッチ  →  ルーター  →  Webサーバー

課題1.問題が属する階層を答える

  1. PCとスイッチを接続するLANケーブルが抜けている
  2. PCが誤ったVLANへ接続されている
  3. PCのデフォルトゲートウェイが間違っている
  4. ファイアウォールでTCP 443番ポートが拒否されている
  5. WebサーバーのWebサービスが停止している
1:第__層
2:第__層
3:第__層
4:第__層
5:第__層
課題1の解答を見る
  1. 第1層 物理層
    ケーブルが接続されていないため、信号を伝送できません。
  2. 第2層 データリンク層
    VLANは、Ethernet通信を論理的に分割する第2層の技術です。
  3. 第3層 ネットワーク層
    デフォルトゲートウェイは、異なるネットワークへの IPパケット転送に関係します。
  4. 第4層 トランスポート層
    TCP 443番ポートを使った通信が拒否されています。
  5. 第7層 アプリケーション層
    Webサービスそのものが停止しています。

課題2.確認する順番を考える

PCからWebサイトを開けず、PCのリンクランプも点灯していません。 最初にどのような確認を行うべきでしょうか。

最初に確認する内容を、自分の言葉で書いてみましょう。
課題2の解答例を見る

最初に、第1層の物理的な接続を確認します。

  • LANケーブルが両端に正しく接続されているか
  • ケーブルが破損していないか
  • スイッチポートが有効になっているか
  • 別のケーブルやポートへ交換するとリンクするか

第1層で信号を送受信できなければ、 上位層のIPアドレスやWebサービスを確認しても通信できません。

課題3.pingは通るがHTTPSだけ接続できない

WebサーバーのIPアドレスへpingは通りますが、 HTTPSでWebページを開けません。 次に確認する項目を3つ以上挙げてください。

例:TCP 443番ポートへ接続できるか確認する
課題3の解答例を見る
  • TCP 443番ポートへ接続できるか
  • ファイアウォールでHTTPS通信が拒否されていないか
  • WebサーバーのHTTPSサービスが起動しているか
  • Webサーバーが443番ポートで待ち受けているか
  • ブラウザへ入力したURLが正しいか
  • プロキシ設定に誤りがないか

pingが通るため、第1層から第3層までは通信できている可能性があります。 次に、第4層や第7層を中心に調査します。

自分の言葉で説明する課題

最後に、次の質問へ自分の言葉で答えてください。

「OSI参照モデルとは何ですか?」と、 ネットワークを学び始めた人から質問されました。 30秒程度で説明してください。

OSI参照モデルとは、________________________。
説明例を見る

OSI参照モデルとは、ネットワーク通信に必要な処理を、 役割ごとに7つの階層へ分けて整理した考え方です。

たとえば、ケーブルや電波は第1層、 MACアドレスは第2層、IPアドレスは第3層、 TCPやUDPとポート番号は第4層として整理できます。

通信の仕組みを理解したり、 障害がどの範囲で発生しているかを考えたりするときに役立ちます。

模範解答と同じ文章である必要はありません。

「通信処理を7階層に分ける」 「役割を整理する」 「障害切り分けに使える」 という内容を説明できれば、この記事の目標は達成です。

まとめ

  • OSI参照モデルとは、ネットワーク通信の処理を 役割ごとに7階層へ分けて整理した考え方
  • 第7層から第5層は、アプリケーション、データ表現、 セッション管理に関係する
  • 第4層はTCP・UDPとポート番号を使い、 アプリケーション間のデータ配送を管理する
  • 第3層はIPアドレスを使い、 異なるネットワークを越えてパケットを届ける
  • 第2層はMACアドレスを使い、 同じリンク上の次の機器までフレームを届ける
  • 第1層はケーブル、光、電波を使ってビットを伝送する
  • 送信側で各階層の情報を付ける処理をカプセル化という
  • 受信側では、各階層の情報を確認しながら 元のデータをアプリケーションへ渡す
  • OSI参照モデルを使うと、 通信障害の原因を階層ごとに整理できる

OSI参照モデルは暗記するだけの表ではなく、 複雑なネットワーク通信を整理するための共通の地図です。

次の記事:TCP/IPモデルを通信の流れから理解する

今回は、ネットワーク通信を7階層に分ける OSI参照モデルを学びました。

次の記事では、現在のインターネット通信を理解するときに使われる TCP/IPモデルの4階層を解説します。

Webアクセスを例に、HTTP、TCP、IP、Ethernetが どのように連携してデータを運ぶのかを確認します。

ネットワーク初級編 13/全32記事

今回から、第3章「通信の流れ」が始まりました。 第3章では、TCP/IPモデル、Ethernet、ARP、ICMP、 TCP・UDP、Webアクセスの流れを順番に学びます。

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