この記事は、 「ネットワーク初級編|通信の仕組みをゼロから学ぶ」 の最終回です。
第1回から第31回までに学んだ内容を、知識問題、構成図の読み取り、 障害切り分け、成果物作成の4段階で確認します。
ネットワーク初級編総合演習|全31記事の知識を実践問題で確認
用語を覚えているだけでなく、通信の流れを説明し、構成図やコマンド結果から 問題箇所を考えられるかを確認します。最後は「Webサイトが表示されるまで」を、 初心者にも伝わる資料としてまとめます。
ネットワーク初級編では、ネットワークの全体像からIPアドレス、MACアドレス、 DNS、DHCP、ARP、TCP、HTTP、基本コマンド、障害切り分けまで学んできました。
この総合演習の目的は、用語を暗記できているかを調べることではありません。 複数の知識をつなげて、通信の仕組みや障害原因を説明できるかを確認することです。
この総合演習で確認すること
- IP・MAC・ポート番号の役割を区別できる
- Webサイトが表示されるまでの通信を説明できる
- 構成図から通信経路を読み取れる
- コマンド結果から原因候補を絞り込める
- DNS・DHCP・NATなどの役割を関連づけられる
- 確認結果を短い障害報告としてまとめられる
総合演習の進め方と採点方法
問題は4つのパートに分かれています。最初は解答を開かず、 メモ用紙やテキストエディターへ自分の回答を書いてください。
初級編の修了基準
- 総合得点が40点以上である
- Webサイトが表示されるまでの流れを自分の言葉で説明できる
- 基本構成図と通信経路を読み取れる
ipconfig、ping、nslookupなどの結果を確認できる
答えを暗記するためのテストではありません。 間違えた問題は、解説にある復習記事へ戻り、なぜその答えになるのかを説明できる状態を目指してください。
出題範囲と復習リンク
総合演習の出題範囲は、ネットワーク初級編の第1回から第31回までです。 不安な章がある場合は、先に章末テストで復習してください。
第3章の記事リンクを開く
第4章の記事リンクを開く
Part 1:基礎知識総合テスト
全20問・各1点・合計20点です。初級編の重要用語と仕組みを確認します。
Q1ネットワークの説明として最も適切なものはどれですか。
- 1台のパソコンの中だけでデータを処理する仕組み
- 複数の機器が共通のルールでデータや機能をやり取りする仕組み
- インターネット回線だけを指す言葉
- LANケーブルを製造するための規格
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ネットワークは、複数の機器が接続され、共通のルールに従ってデータや機能をやり取りできる仕組みです。
Q2クライアントとサーバーの関係として正しいものはどれですか。
- クライアントがサービスを要求し、サーバーがサービスを提供する
- サーバーが必ず利用者の手元にあり、クライアントはデータセンターにある
- クライアントとサーバーは同じ役割である
- サーバーにはIPアドレスが不要である
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Webブラウザなどのクライアントが要求を送り、Webサーバーなどが要求に応じてデータや機能を返します。
Q3LAN・WAN・インターネットの説明として正しい組み合わせはどれですか。
- LANは狭い範囲、WANは離れた拠点間、インターネットは世界中のネットワークの集合
- LANは無線専用、WANは有線専用、インターネットは社内専用
- LANとWANは同じ意味で、インターネットだけが異なる
- WANは家庭内だけで使われる
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LANは家庭やオフィスなど比較的狭い範囲、WANは離れた拠点や地域を接続するネットワークです。
Q4機器と主な役割の組み合わせで正しいものはどれですか。
- スイッチ:異なるネットワーク間を中継する
- ルーター:主に異なるネットワーク間を中継する
- アクセスポイント:Webページを保存する
- サーバー:Wi-Fiの電波だけを提供する
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ルーターは異なるネットワーク同士を接続します。スイッチは主に同じLAN内の端末を接続し、アクセスポイントは無線端末をLANへ接続します。
Q5IPアドレスの主な役割はどれですか。
- ネットワーク上の通信相手を識別する
- LANケーブルの長さを表す
- 通信内容を必ず暗号化する
- Webサイトの文字サイズを決める
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IPアドレスは、ネットワーク上の送信元と宛先を識別するために使われます。
Q6192.168.10.20/24と同じネットワークに属するIPアドレスはどれですか。
- 192.168.10.200
- 192.168.11.20
- 192.168.20.10
- 10.0.0.20
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/24では先頭24ビット、つまり最初の3つの数字がネットワーク部です。192.168.10が同じ端末同士は同一ネットワークです。
Q7デフォルトゲートウェイが必要になる場面はどれですか。
- 自分自身へ通信するときだけ
- 同じネットワーク内の端末へ通信するときだけ
- 異なるネットワークにある宛先へ通信するとき
- キーボードを使用するとき
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端末は、異なるネットワーク宛てのパケットをデフォルトゲートウェイであるルーターへ渡します。
Q8MACアドレスの説明として最も適切なものはどれですか。
- 主に同一LAN内でフレームを届けるために使われる識別情報
- WebサイトのURLを数字へ変換する情報
- インターネット上の経路をすべて記録する情報
- アプリケーションを識別する番号
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Ethernetでは、同一LAN内でフレームを届けるために送信元・宛先MACアドレスを使用します。
Q9ポート番号とプロトコルの説明として正しいものはどれですか。
- ポート番号は端末内のアプリケーションやサービスを識別し、プロトコルは通信の共通ルールである
- ポート番号とIPアドレスは必ず同じ値になる
- プロトコルはケーブルの種類だけを表す
- ポート番号はMACアドレスを調べるためだけに使う
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IPアドレスで端末を識別し、ポート番号で端末内のサービスを識別します。プロトコルは通信方法の共通ルールです。
Q10OSI参照モデルやTCP/IPモデルを学ぶ主な目的はどれですか。
- 通信処理を役割ごとの層に分けて理解し、障害箇所を整理しやすくする
- すべてのネットワーク機器を同じ製品へ統一する
- IPアドレスを自動で決める
- Webサイトのデザインを決める
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通信を層に分けると、物理接続、IP、TCP、アプリケーションなど、どの範囲に問題がありそうか整理できます。
Q11ARPの役割として正しいものはどれですか。
- 同一LAN内で、IPアドレスに対応するMACアドレスを調べる
- ドメイン名に対応するIPアドレスを調べる
- IPアドレスを自動配布する
- Web通信を暗号化する
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端末が同一LAN内へEthernetフレームを送るには宛先MACアドレスが必要です。ARPはIPアドレスからMACアドレスを確認します。
Q12pingで主に利用されるプロトコルはどれですか。
- ARP
- ICMP
- HTTP
- DHCP
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pingはICMP Echo RequestとEcho Replyを使い、宛先まで到達できるかを確認します。
Q13TCPとUDPの違いとして正しいものはどれですか。
- TCPは到達確認や順序制御を行い、UDPは処理を簡略化して送信する
- UDPだけがIPアドレスを使う
- TCPは必ず無線LANで、UDPは必ず有線LANで使う
- TCPとUDPはまったく同じ動作をする
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TCPは信頼性を重視し、UDPは確認処理を減らして軽量に送信します。用途に応じて使い分けられます。
Q14TCPの3ウェイハンドシェイクの正しい順番はどれですか。
- ACK → SYN → SYN/ACK
- SYN → SYN/ACK → ACK
- SYN/ACK → ACK → SYN
- HTTP → DNS → ARP
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クライアントがSYNを送り、サーバーがSYN/ACKを返し、クライアントがACKを返してTCP接続を確立します。
Q15DNSの主な役割はどれですか。
- ドメイン名とIPアドレスを対応づける
- 端末へIP設定を自動配布する
- プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスへ変換する
- LANケーブルの断線を修復する
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人が覚えやすいドメイン名から、通信に必要なIPアドレスを調べる仕組みがDNSです。
Q16DHCPで端末へ配布できる情報として適切なものはどれですか。
- IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバー
- Webサイトの記事本文だけ
- LANケーブルの色と長さ
- サーバーのCPU温度だけ
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DHCPを利用すると、端末が通信に必要とする基本的なIP設定を自動的に受け取れます。
Q17NAPTの説明として最も適切なものはどれですか。
- 複数の端末が1つのグローバルIPアドレスを共有できるよう、IPアドレスとポート番号を変換する
- DNS名をMACアドレスへ変換する
- 無線LANを有線LANへ物理的に交換する
- TCPをUDPへ必ず変換する
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家庭用ルーターなどではNAPTにより、複数端末のプライベートIP通信を1つのグローバルIPアドレスへ集約できます。
Q18HTTPSがHTTPと比べて追加する主な機能はどれですか。
- 通信内容の暗号化や接続先の確認
- IPアドレスを不要にする
- ルーターを不要にする
- 必ず無線LANで通信する
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HTTPSではTLSを利用し、通信内容の暗号化、改ざん検知、接続先の証明などを行います。
Q19WindowsでIPアドレスやデフォルトゲートウェイを確認する代表的なコマンドはどれですか。
- ipconfig
- mkdir
- copy
- tasklist
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Windowsではipconfigやipconfig /allでIP設定を確認します。Linuxではip addrやip routeなどを利用します。
Q20「インターネットにつながらない」ときの確認順序として最も適切なものはどれですか。
- 最初からWebサーバーの再起動を依頼する
- 端末・物理接続・IP設定・ゲートウェイ・外部宛て・DNS・Webサービスの順に範囲を広げる
- 原因を確認せずルーターを初期化する
- pingが1回失敗した時点で回線障害と断定する
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障害切り分けでは、近い場所から遠い場所へ、確認範囲を少しずつ広げます。1つの結果だけで原因を断定しないことが重要です。
Part 2:ネットワーク構成図の読み取り
全5問・各2点・合計10点です。以下の構成を使って通信の流れを考えます。
演習用ネットワーク構成
PC-A
IP: 192.168.10.20/24
GW: 192.168.10.1
DNS: 192.168.10.53
|
|
[SW1]----------------[DNS Server]
| 192.168.10.53/24
|
[Router R1]
LAN: 192.168.10.1/24
WAN: 203.0.113.10
|
|
Internet
|
|
[Web Server]
www.example.jp
198.51.100.20
TCP 443 / HTTPS
| 機器・サービス | 設定・役割 |
|---|---|
| PC-A | Webサイトを閲覧するクライアント |
| SW1 | 同一LAN内のEthernetフレームを転送 |
| DNS Server | www.example.jpを198.51.100.20へ名前解決 |
| Router R1 | LANとインターネットを中継し、NAPTを実施 |
| Web Server | TCP 443番ポートでHTTPSサービスを提供 |
Q21PC-AとDNS Serverは同じネットワークに属していますか。理由も答えてください。
解答例を見る
どちらもサブネットマスクが/24で、ネットワーク部が192.168.10だからです。PC-Aはルーターを経由せず、SW1を通してDNS Serverへ通信できます。
Q22PC-AがDNS Serverへ通信するときと、Web Serverへ通信するときに、ARPで調べる相手はそれぞれ誰ですか。
解答例を見る
- DNS Server宛て:DNS Server自身のMACアドレスを調べます。
- Web Server宛て:異なるネットワークにあるため、デフォルトゲートウェイであるRouter R1のLAN側MACアドレスを調べます。
Q23PC-Aでhttps://www.example.jp/を開くときの処理を、次の語句を使って順番に並べてください。
語句:HTTPS要求、DNS名前解決、ARP、TCP 3ウェイハンドシェイク、Webページ受信
解答例を見る
DNS名前解決 → ARP → TCP 3ウェイハンドシェイク → HTTPS要求 → Webページ受信
実際にはDNS通信の前にも、DNS Server宛てのMACアドレスを確認するARPが発生する場合があります。この問題では全体の主要な流れを確認しています。
Q24Router R1でNAPTされた後、Web Serverから見える送信元IPアドレスはどれですか。
- 192.168.10.20
- 192.168.10.1
- 192.168.10.53
- 203.0.113.10
解答と解説を見る
Router R1が送信元のプライベートIPアドレスをWAN側のグローバルIPアドレスへ変換するため、Web Serverからは203.0.113.10に見えます。
Q25PC-AからWeb Serverまでの通信経路を、機器名を使って書いてください。
解答例を見る
PC-A → SW1 → Router R1 → Internet → Web Server
DNS Serverは名前解決のために利用しますが、Webページ本体の通信経路には含まれません。
Part 3:障害切り分けケース演習
全5問・各2点・合計10点です。コマンド結果から原因候補と次の確認を考えます。
ケースA:PC-Aから外部へ通信できない
利用者から「社内PCでWebサイトが見られない」と連絡がありました。PC-Aで確認した結果は次のとおりです。
Q26ケースAで最も疑わしい設定ミスは何ですか。正しい設定値も答えてください。
解答例を見る
原因:デフォルトゲートウェイが別ネットワークの192.168.20.1に設定されています。
正しい値:192.168.10.1です。
PC-AのIPアドレスとサブネットマスクから、同一LANにあるゲートウェイを設定する必要があります。
Q27設定を修正した後、どの順番で疎通確認しますか。4つ以上書いてください。
解答例を見る
ipconfigで設定が正しく反映されたか確認する- 自分自身のIPアドレスへpingする
- デフォルトゲートウェイ
192.168.10.1へpingする - 外部IPアドレス
198.51.100.20へpingする nslookup www.example.jpでDNSを確認する- ブラウザまたは
curlでHTTPS通信を確認する
ケースB:IPアドレスでは通信できるが、名前では接続できない
Q28ケースBでは、どの機能に問題がある可能性が高いですか。また、次に何を確認しますか。
解答例を見る
疑わしい機能:DNSによる名前解決です。
次の確認例:DNS ServerのIP設定、PC-Aから192.168.10.53への疎通、DNSサービスの稼働、UDP/TCP 53番の通信制御、別のDNS名の名前解決を確認します。
外部IPアドレスへpingできているため、端末から外部までの基本的なIP通信は成立しています。
ケースC:名前解決とpingは成功するが、Webページが表示されない
Q29ケースCでは、どの範囲を優先して調査しますか。原因候補を2つ以上挙げてください。
解答例を見る
優先する範囲:TCP 443番ポート、ファイアウォール、WebサーバーのHTTPSサービスです。
- 途中のファイアウォールやACLでTCP 443番が拒否されている
- WebサーバーのHTTPSサービスが停止している
- WebサーバーがTCP 443番で待ち受けていない
- サーバー側OSのファイアウォールで拒否されている
ping成功だけでは、HTTPSサービスが正常とは判断できません。ICMPとTCP 443は別の通信です。
Q30ケースAの調査結果を、上司へ報告する短い文章にまとめてください。
報告例を見る
PC-AでWebサイトを閲覧できない事象を確認しました。端末自身へのpingは成功しましたが、
デフォルトゲートウェイへの疎通が失敗していました。IP設定を確認したところ、
デフォルトゲートウェイが本来の192.168.10.1ではなく192.168.20.1に設定されていました。
設定を修正後、ゲートウェイ、外部IPアドレス、DNS名前解決、HTTPS接続が成功することを確認し、復旧しました。
Part 4:初級編最終課題
合計10点です。「Webサイトが表示されるまで」を、初心者へ説明する資料としてまとめます。
最終課題:Webサイトが表示されるまでの説明資料を作る
あなたは、新しく入社したIT未経験者へ、パソコンでWebサイトを開いたときに ネットワーク上で何が起きているのかを説明することになりました。
次の5つの成果物を作成してください。紙、スライド、文書、手書きのいずれでも構いません。
- パソコン、スイッチまたは無線AP、ルーター、DNSサーバー、Webサーバーを含む構成図
- URL入力からWebページ表示までの通信シーケンス
- 使用される主なプロトコルと役割の一覧
- 障害が発生しそうな場所と確認方法の一覧
- IT未経験者向けの200〜300文字程度の説明文
成果物1:ネットワーク構成図
最低限、次の要素と接続関係を含めます。
DNSサーバーを利用する位置も追加してください。
成果物1の回答例を見る
次は、自宅または小規模オフィスから外部のWebサイトへアクセスする構成例です。 DNSサーバーとWebサーバーはインターネット上にあるものとして表しています。
回答例:Webアクセス時のネットワーク構成図
[PC]
IP: 192.168.10.20/24
GW: 192.168.10.1
DNS: 203.0.113.53
|
| Ethernet / Wi-Fi
v
[スイッチ/無線AP]
|
v
[ルーター]
LAN: 192.168.10.1
WAN: 203.0.113.10
NAPTを実行
|
v
================ インターネット ================
| |
v v
[DNSサーバー] [Webサーバー]
203.0.113.53 198.51.100.20
名前からIPを回答 HTTPSを提供(TCP/443)
- PCは、同じLAN内のスイッチまたは無線APを経由してルーターへ接続します。
- DNS問い合わせは、ルーターを経由してDNSサーバーへ送られます。
- 名前解決後、PCは取得したWebサーバーのIPアドレスへ通信します。
- Webサーバーは別ネットワークにあるため、PCはパケットをデフォルトゲートウェイへ渡します。
- ルーターは必要に応じてNAPTを行い、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスへ変換します。
ARPで調べるのは、外部WebサーバーのMACアドレスではありません。 Webサーバーが別ネットワークにある場合、PCは同一LAN内にいるデフォルトゲートウェイのMACアドレスを調べます。
成果物2:通信シーケンス
次の処理を、矢印と短い説明で順番に並べます。
- ブラウザへURLを入力する
- DNSでWebサーバーのIPアドレスを調べる
- ARPで同一LAN内の次の宛先MACアドレスを調べる
- デフォルトゲートウェイへパケットを渡す
- ルーターで必要に応じてNAPTする
- WebサーバーとTCP接続を確立する
- TLSを利用して安全な通信を準備する
- HTTPSでWebページを要求する
- Webサーバーからデータを受け取る
- ブラウザが画面へ表示する
成果物2の回答例を見る
例として、ブラウザへhttps://www.example.com/を入力した場合の流れを示します。
-
URLを入力する
利用者がブラウザへ
https://www.example.com/を入力します。ブラウザは、接続先の名前とHTTPSを使うことを確認します。 -
DNSでIPアドレスを調べる
PCはDNSサーバーへ問い合わせ、
www.example.comに対応するWebサーバーのIPアドレス198.51.100.20を受け取ります。 - 次に渡す相手を判断する PCは自分のIPアドレスとサブネットマスクを使い、Webサーバーが別ネットワークにあると判断します。そのため、デフォルトゲートウェイへ送ることを決めます。
-
ARPでゲートウェイのMACアドレスを調べる
ARPキャッシュに情報がなければ、PCはARP要求を送信し、デフォルトゲートウェイ
192.168.10.1のMACアドレスを取得します。 - ルーターへフレームを送る IPパケットの宛先IPアドレスはWebサーバーのままですが、Ethernetフレームの宛先MACアドレスにはルーターのMACアドレスを設定します。
- ルーターが経路選択とNAPTを行う ルーターはルーティング情報から送信先を判断し、送信元IPアドレスとポート番号を、インターネット側で利用する値へ変換します。
- TCPの3ウェイハンドシェイクを行う PCとWebサーバーは、SYN、SYN/ACK、ACKを交換し、WebサーバーのTCPポート443への接続を確立します。
- TLSで安全な通信を準備する サーバー証明書の確認や暗号方式の合意を行い、通信内容を暗号化できる状態にします。
-
HTTPSでページを要求する
ブラウザは、暗号化された通信の中でWebサーバーへページを要求します。代表的な要求はHTTPの
GETです。 - データを受信して画面へ表示する WebサーバーからHTML、CSS、画像などを受信し、必要な追加データも取得します。ブラウザが内容を解析してWebページを表示します。
成果物3:プロトコル一覧
| プロトコル・情報 | 説明欄 |
|---|---|
| Ethernet・MACアドレス | ______________________ |
| ARP | ______________________ |
| IP | ______________________ |
| DNS | ______________________ |
| TCP | ______________________ |
| TLS・HTTPS | ______________________ |
| ICMP | ______________________ |
成果物3の回答例を見る
| プロトコル・情報 | 回答例 |
|---|---|
| Ethernet・MACアドレス | 同じLAN内でフレームを届けるために使用します。MACアドレスはLAN内の送信元機器と次に受け取る機器を識別します。 |
| ARP | 同じLAN内にある機器のIPアドレスからMACアドレスを調べます。外部通信では、主にデフォルトゲートウェイのMACアドレスを取得します。 |
| IP | 送信元と最終的な宛先をIPアドレスで識別し、異なるネットワークを越えてパケットを届けるために使用します。 |
| DNS | www.example.comのような名前を、通信に必要なIPアドレスへ変換します。 |
| TCP | 3ウェイハンドシェイクで接続を確立し、データの順序や再送を管理して、信頼性のある通信を行います。 |
| TLS・HTTPS | TLSで通信相手の証明書を確認し、通信内容を暗号化します。HTTPSはHTTPをTLSで保護したWeb通信です。 |
| ICMP | pingなどで疎通や応答を確認するときに使用します。ただし、ICMPが制限されている機器ではpingに応答しないこともあります。 |
成果物4:障害ポイントと確認方法
| 確認範囲 | 障害例 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 端末・物理接続 | ________ | ________ |
| IP設定 | ________ | ________ |
| ゲートウェイ・経路 | ________ | ________ |
| DNS | ________ | ________ |
| Webサービス | ________ | ________ |
成果物4の回答例を見る
| 確認範囲 | 障害例 | 確認方法の例 |
|---|---|---|
| 端末・物理接続 | LANケーブルが抜けている、Wi-Fiが無効、アクセスポイントへ接続できていない、ネットワークアダプターが無効 | ケーブルとリンクランプを確認します。Wi-Fiの接続先を確認し、Windowsではipconfig /all、Linuxではip linkやip addrでインターフェースの状態を確認します。 |
| IP設定 | IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの設定誤り、DHCPからアドレスを取得できていない | ipconfig /allまたはip addrで設定を確認します。自分自身や同一LAN内の機器へpingし、IPアドレスが169.254.x.xになっていないかも確認します。 |
| ゲートウェイ・経路 | デフォルトゲートウェイの設定誤り、ルーター停止、経路障害、インターネット回線障害 | 最初にデフォルトゲートウェイへpingします。次に外部IPアドレスへ疎通を確認し、tracertまたはtracerouteでどこまで到達しているかを確認します。 |
| DNS | DNSサーバーへ到達できない、DNSサーバー設定の誤り、名前解決情報の誤り | nslookupで名前解決できるか確認します。外部IPアドレスには到達できるのに、名前を指定した通信だけ失敗する場合はDNSを疑います。 |
| Webサービス | Webサーバー停止、TCPポート443の遮断、証明書エラー、特定サイトだけの障害 | 別のWebサイトが表示できるか確認し、障害範囲を比較します。ブラウザのエラー内容を確認し、利用可能ならcurl -I https://www.example.com/でHTTP応答を確認します。 |
切り分けの基本順序
端末・物理接続 → IP設定 → デフォルトゲートウェイ → 外部IPアドレス → DNS名前解決 → Webサービスの順に確認すると、原因範囲を段階的に絞り込めます。
成果物5:初心者向け説明文
説明文の例を見る
ブラウザへWebサイトの名前を入力すると、パソコンはまずDNSという案内サービスを使って、 接続先サーバーのIPアドレスを調べます。接続先が別のネットワークにある場合は、 デフォルトゲートウェイであるルーターへデータを渡します。データはインターネットを通って Webサーバーへ届き、TCPとHTTPSを使って安全にページの文字や画像を受け取ります。 最後にブラウザが受信したデータを組み立て、画面へWebページを表示します。
Part 4の採点基準
| 成果物 | 2点 | 1点 | 0点 |
|---|---|---|---|
| 構成図 | 主要機器と接続関係が正しい | 一部不足がある | 通信経路を読み取れない |
| 通信シーケンス | DNS・ARP・TCP・HTTPSの順序と役割を説明できる | 順序または説明に一部誤りがある | 主要な流れを説明できない |
| プロトコル一覧 | 6種類以上の役割を正しく説明できる | 3〜5種類を説明できる | 2種類以下しか説明できない |
| 障害ポイント | 5つの範囲で障害例と確認方法を書ける | 3〜4つの範囲を書ける | 2つ以下しか書けない |
| 初心者向け説明 | 専門用語を補足し、全体の流れを分かりやすく説明できる | 流れは分かるが説明が難しい、または一部不足 | 用語の列挙だけで流れを説明できない |
採点シートと修了判定
各パートの点数を記入し、合計点を計算してください。
| パート | 満点 | 自分の得点 |
|---|---|---|
| Part 1:基礎知識総合テスト | 20点 | __点 |
| Part 2:ネットワーク構成図の読み取り | 10点 | __点 |
| Part 3:障害切り分けケース演習 | 10点 | __点 |
| Part 4:初級編最終課題 | 10点 | __点 |
| 合計 | 50点 | __点 |
40〜50点:初級編修了
基礎知識を関連づけ、通信経路や障害原因を考えられる状態です。 次はVLAN、ルーティング、STP、ACL、パケット解析など、中級編の内容へ進みましょう。
30〜39点:弱点を復習
基礎は身についていますが、一部の知識がまだつながっていません。 点数の低かった章のまとめテストと関連記事を復習し、再挑戦してください。
0〜29点:章ごとに再確認
個別の用語を覚えるより、まず通信の全体像から整理しましょう。 第1章から順番に読み直し、各章末テストを解いてから総合演習へ戻るのがおすすめです。
得点よりも大切な確認
模範解答を見ずに、「PCからWebサーバーまで、どの機器を通り、どの情報とプロトコルが使われるか」を 3分程度で説明できれば、初級編の大きな目標は達成できています。
まとめ
- 初級編総合演習は、基礎知識・構成図・障害切り分け・成果物作成の4パートで構成
- 満点は50点、初級編の修了基準は40点以上
- IPアドレスは通信相手、MACアドレスは同一LAN内の届け先、ポート番号はサービスを識別する
- WebアクセスではDNS、ARP、IP、TCP、TLS、HTTPSなどが連携する
- 障害対応では端末から接続先へ、確認範囲を段階的に広げる
- 最終目標は、通信の仕組みを自分の言葉と図で説明できること
初級編で身につけた「通信を分解して考える力」は、VLANやルーティング、 ファイアウォール、クラウドネットワークを学ぶときの土台になります。
これでネットワーク初級編は修了です。間違えた分野を復習し、 「通信を説明できる」「基本コマンドで確認できる」「原因候補を整理できる」状態を目指してください。

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