この記事は、 「ネットワーク上級編|要件定義・設計・クラウド・自動化へ進む」 の第62回です。
第7章では、これまで学んだ要件定義・基本設計・各種ネットワーク技術を、 実際の設計書や提案資料として形にする方法を学びます。
ネットワーク詳細設計書の作り方|基本設計との違い・項目・書き方を実務例で解説
基本設計で「どのようなネットワークにするか」を決めたら、 次はその方針を機器設定へ落とせる粒度まで具体化します。 IPアドレス、VLAN、インターフェース、ルーティング、冗長化、 セキュリティ、監視、ログなどを、 構築担当者が迷わず設定できる状態へ変えるのが詳細設計です。
詳細設計書では、単に設定値を大量に並べればよいわけではありません。
重要なのは、 「基本設計で決めた方針が、どの設定によって実現されるのか」 を追跡できるようにすることです。
この記事を読み終えるとできること
- 基本設計書と詳細設計書の違いを説明できる
- 詳細設計で決めるべき項目を整理できる
- IP・VLAN・ルーティングを設定値へ落とせる
- 冗長化・セキュリティ・監視を具体化できる
- パラメータシートとの役割を区別できる
- 構築・試験へ引き継げる詳細設計書を作れる
詳細設計書とは何か
ネットワーク詳細設計書とは、 基本設計で決定したネットワークの構成・方式を、 実際に構築できる設定値と動作条件まで具体化した設計書です。
たとえば、基本設計書に次のような記載があるとします。
基本設計:
社内LANは「業務端末」「サーバー」「ネットワーク管理」の
3つのネットワークへ分離する。
この内容だけでは、構築担当者はまだ設定できません。
詳細設計では、さらに次のように具体化します。
- 業務端末:VLAN 100
- サーバー:VLAN 200
- ネットワーク管理:VLAN 900
- VLAN 100:192.168.100.0/24
- VLAN 200:192.168.200.0/24
- VLAN 900:192.168.90.0/24
- 各VLANのデフォルトゲートウェイ
- どのスイッチポートへどのVLANを割り当てるか
- VLAN間で許可する通信
つまり詳細設計は、 「方針」を「設定可能な値」へ変換する工程 です。
基本設計書と詳細設計書の違い
基本設計と詳細設計は、 「どちらが重要か」ではなく、決める粒度が違います。
| 項目 | 基本設計 | 詳細設計 |
|---|---|---|
| 目的 | ネットワーク全体の方式・構成を決める | 実際に構築できる設定値まで決める |
| 主な読者 | 顧客、PM、設計者、関係部署 | 設計者、構築担当者、試験担当者、運用担当者 |
| IPアドレス | アドレス体系やセグメント方針 | 各機器・各IFへ割り当てる具体的なアドレス |
| VLAN | 用途別にVLANを分割する方針 | VLAN ID、VLAN名、ポート割り当て |
| ルーティング | OSPFやスタティックなどの方式 | Area、Network、Metric、経路再配送など |
| 冗長化 | 装置・回線を冗長化する方針 | VRRP/HSRP ID、Priority、監視対象など |
| セキュリティ | セグメント分離や通信制御方針 | 送信元・宛先・ポート・アクションなど |
| 監視 | 死活・性能・ログを監視する方針 | 監視IP、OID、閾値、Syslog送信先など |
基本設計は「なぜ・何を採用するか」、 詳細設計は「具体的にどう設定するか」 と考えると整理しやすくなります。
基本設計については、 「61. 基本設計書の作り方」 もあわせて確認してください。
要件定義から構築までの流れ
何を実現するか
どの方式で実現するか
具体的にどう設定するか
設定して確認する
例:拠点間ネットワーク
| 工程 | 決める内容の例 |
|---|---|
| 要件定義 | 本社と支店間で業務通信を継続できること |
| 基本設計 | 回線を2系統とし、動的ルーティングで経路を冗長化する |
| 詳細設計 | 各回線のIPアドレス、OSPF Area、 Interface Cost、Hello/Dead Intervalなどを決める |
| 構築 | 詳細設計書に基づいて機器へ設定する |
| 試験 | 正常通信・回線断・機器断などを確認する |
詳細設計書を読むだけで構築担当者が設定内容を判断できない場合、 設計の具体化が不足している可能性があります。
詳細設計書に記載する主な項目
案件によって異なりますが、 ネットワーク詳細設計書では主に次の項目を扱います。
1.機器情報
- ホスト名
- 機種・型番
- OS・ソフトウェア
- 設置場所
- 役割
2.IPアドレス
- インターフェースIP
- サブネットマスク
- 管理IP
- Loopback
- VIP
3.VLAN・L2
- VLAN ID
- VLAN名
- Access/Trunk
- Allowed VLAN
- STP設定
- LAG設定
4.ルーティング
- スタティックルート
- OSPF
- BGP
- Metric
- 経路フィルタ
- 再配送
5.冗長化
- VRRP・HSRP
- Priority
- Preempt
- Track
- 障害切り替え条件
6.セキュリティ
- ACL
- FWポリシー
- 管理アクセス制御
- 認証方式
- VPNパラメータ
7.運用・監視
- SNMP
- Syslog
- NTP
- 監視対象
- 閾値
- 通知先
8.管理設定
- 管理ユーザー
- SSH
- DNS
- NTP
- AAA
- 設定バックアップ
IPアドレス・VLANを詳細設計へ落とし込む
IPアドレスやVLANでは、 基本設計で決めた「体系」を具体的な値へ変換します。
基本設計
部門ごとにVLANを分割し、 VLANごとに異なるIPサブネットを割り当てる。
詳細設計
| 用途 | VLAN ID | VLAN名 | ネットワーク | GW |
|---|---|---|---|---|
| 営業部 | 100 | SALES | 10.10.100.0/24 | 10.10.100.1 |
| 技術部 | 200 | ENGINEER | 10.10.200.0/24 | 10.10.200.1 |
| サーバー | 300 | SERVER | 10.10.30.0/24 | 10.10.30.1 |
| 管理 | 900 | MANAGEMENT | 10.10.90.0/24 | 10.10.90.1 |
IPアドレス設計については 「11. IPアドレス設計」 、 VLANについては 「12. VLAN設計」 も参照してください。
インターフェース設計
詳細設計では、 「どのポートを何に接続し、どのような設定をするか」 まで明確にします。
| 装置 | Interface | 接続先 | 用途 | 設定 |
|---|---|---|---|---|
| SW01 | Gi1/0/1 | PC-SALES-01 | 営業端末 | Access VLAN 100 |
| SW01 | Gi1/0/47 | SW02 Gi1/0/47 | スイッチ間 | Trunk VLAN 100,200,300,900 |
| SW01 | Gi1/0/48 | RT01 Gi0/1 | 上位接続 | Trunk |
確認したい項目
- Speed・Duplex
- Access / Trunk
- Native VLAN
- Allowed VLAN
- Port-channel
- STP PortFast
- BPDU Guard
- ポート説明
- 未使用ポートの扱い
ポート番号だけを記載し、 「接続先」と「用途」を残さない設計は避けます。 後から構成変更や障害調査をするときに、 そのポートの存在理由を追跡しづらくなるためです。
ルーティングを詳細設計へ落とし込む
「OSPFを使う」というだけでは基本設計の段階です。 詳細設計ではOSPFを構成する具体的な条件を決めます。
OSPFの場合
| 項目 | 設定例 |
|---|---|
| Process ID | 10 |
| Router ID | 10.255.0.1 |
| Area | 0 |
| 対象ネットワーク | 10.10.0.0/16 |
| Cost | 主系10、待機系100 |
| Passive Interface | ユーザー向けLANを対象 |
BGPやスタティックルートを利用する場合も同様に、 設定へ必要な値まで決定します。
- 宛先プレフィックス
- Next Hop
- Administrative Distance
- AS番号
- Neighbor
- Local Preference
- MED
- Prefix List
- Route Map
- 経路再配送条件
関連記事: 13. ルーティング設計
冗長化設計を具体化する
冗長化では、 「2台構成にする」だけでは詳細設計になりません。
障害時にどちらがActiveになるのか、 何を監視して切り替えるのか、 復旧後に元へ戻すのかまで考えます。
VRRPの例
| 項目 | RT01 | RT02 |
|---|---|---|
| 実IP | 10.10.100.2 | 10.10.100.3 |
| Virtual IP | 10.10.100.1 | |
| VRRP Group | 100 | |
| Priority | 120 | 100 |
| Preempt | 有効 | 有効 |
| Track | WAN側IF | WAN側IF |
冗長化の詳細設計では、 正常時だけでなく「どの障害で何が起こるか」 を文章または状態遷移として残すことが重要です。
関連記事: 14. 冗長化設計
セキュリティ設計を具体化する
基本設計で 「管理ネットワークへのアクセスを制限する」 と決めた場合、詳細設計では許可条件まで具体化します。
| 送信元 | 宛先 | サービス | 動作 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| 10.10.90.10 | 10.10.90.0/24 | SSH | Allow | 管理端末から機器管理 |
| 10.10.100.0/24 | 10.10.90.0/24 | Any | Deny | 一般端末から管理NWを遮断 |
ファイアウォールではさらに、 NAT、セキュリティプロファイル、 ログ取得、ポリシー順序なども確認します。
詳細設計では、 「セキュリティを強化する」といった抽象表現ではなく、 誰から、どこへ、何の通信を、どのように制御するか を明確にします。
監視・ログ・運用を詳細設計へ落とし込む
ネットワークが完成しても、 障害を検知できなければ運用できません。
監視設定例
| 監視対象 | 方式 | 条件 | 通知 |
|---|---|---|---|
| RT01 | ICMP | 3回連続失敗 | Critical |
| WAN IF | SNMP | 利用率80%以上 | Warning |
| CPU | SNMP | 90%以上5分継続 | Critical |
ログ設計例
- Syslogサーバー:10.10.90.20
- 送信レベル:Warning以上
- 送信元IP:管理インターフェース
- NTPサーバー:10.10.90.30
- タイムゾーン:JST
詳細設計書とパラメータシートの違い
実務では、 詳細設計書とパラメータシートを分けて作成する案件もあります。
| 成果物 | 主な役割 |
|---|---|
| 基本設計書 | 方式・構成・設計方針を説明する |
| 詳細設計書 | 各機能をどのように実装するか定義する |
| パラメータシート | 機器ごとの具体的な設定値を一覧化する |
| コンフィグ | 機器へ実際に投入する設定 |
OSPFを採用
Area構成・経路制御
Router ID等
実機コマンド
ただし成果物の分け方に絶対的なルールがあるわけではありません。 案件によっては詳細設計書の中に パラメータ表を含める場合もあります。
重要なのは文書名ではなく、 「どこに何が定義されているか」を関係者が共通認識として持つこと です。
ネットワーク詳細設計書を作る手順
STEP 1.基本設計書を読み込む
いきなり設定値を書き始めず、 まず基本設計で決まった内容を洗い出します。
- 採用構成
- IPアドレス方針
- VLAN方針
- ルーティング方式
- 冗長化方式
- セキュリティ方針
- 監視・ログ方針
STEP 2.設定が必要な機能を一覧化する
装置単位ではなく、 まず機能単位で整理すると抜け漏れを防ぎやすくなります。
STEP 3.具体的なパラメータを決める
IPアドレス、VLAN ID、OSPF Area、 VRRP Priority、SNMP送信先などを確定します。
STEP 4.構成図と整合させる
構成図と設計表で、 ホスト名・ポート番号・IPアドレスなどが一致しているか確認します。
STEP 5.構築可能か確認する
実際にコンフィグを作るつもりで設計書を読みます。
「この設計書だけでコンフィグを作れるか?」 という視点は、詳細設計レビューで非常に有効です。
STEP 6.試験可能か確認する
設計内容を実装したあと、 その設定が正しいことをどう確認するか考えます。
たとえばVRRPを設計するのであれば、 正常時だけでなく主系停止時の切り替え試験まで想像します。
STEP 7.レビューして確定する
設計者だけで完結させず、 構築担当、運用担当、試験担当などの視点からレビューします。
詳細設計レビューで確認するポイント
- 基本設計との矛盾がないか
- 構成図と装置名が一致しているか
- IPアドレスが重複していないか
- VLAN IDが重複していないか
- ポート番号と接続先が一致しているか
- ルーティングの到達性に矛盾がないか
- 冗長時の主系・待機系が明確か
- 障害時の動作が定義されているか
- ACLやFWポリシーで必要通信を遮断しないか
- 管理通信が必要以上に開放されていないか
- NTP・Syslog・SNMPなど運用設定が抜けていないか
- 未決定値が残っていないか
- 構築担当が設定を作れる粒度になっているか
- 試験担当が確認項目を作れる内容になっているか
詳細設計書の品質は、 「情報量が多いか」ではなく、 後工程で判断を追加しなくても実装できるか で評価すると分かりやすくなります。
詳細設計書でよくある失敗
「OSPFを利用する」「冗長化する」といった方針だけでは、 詳細設計として粒度が不足しています。
コンフィグには設定値はありますが、 なぜその設定が必要なのか、他機器との関係は何かを読み取りにくくなります。
RT01だけ、SW01だけを見るのではなく、 通信経路全体でVLAN・IP・ルーティング・セキュリティを確認します。
冗長構成では、 回線断・ポート断・装置停止などの障害時動作まで定義します。
SNMP、Syslog、NTP、SSH、AAAなどは、 ネットワークを運用するために必要な設計項目です。
「TBD」「後で確認」が残る場合は、 担当者と期限を決めて課題管理します。
ネットワーク詳細設計書の記載例
実務では案件に合わせて変更しますが、 小〜中規模ネットワークなら次のような構成から始められます。
1.文書概要
- 目的
- 対象範囲
- 関連資料
- 前提条件
2.機器一覧
- ホスト名
- 役割
- 機種
- 設置場所
3.インターフェース設計
- ポート番号
- 接続先
- IPアドレス
- Access / Trunk
4.VLAN設計
- VLAN ID
- VLAN名
- 用途
- 所属ポート
5.ルーティング設計
- スタティックルート
- OSPF
- BGP
- 経路制御
6.冗長化設計
- VRRP / HSRP
- STP
- リンク冗長化
- 障害時動作
7.セキュリティ設計
- ACL
- FWポリシー
- 管理アクセス
- 認証
8.運用・監視設計
- NTP
- Syslog
- SNMP
- 監視項目
9.障害時動作
- 装置障害
- 回線障害
- リンク障害
- 復旧時動作
10.未決事項・課題
- 未決定パラメータ
- 担当者
- 回答期限
顧客・上司へ詳細設計をどう説明するか
技術に詳しくない相手へは、 詳細設計を「設定値を決める作業」とだけ説明すると、 必要性が伝わりにくいことがあります。
説明例:
「基本設計では、ネットワーク全体をどのような構成にするかを決めました。 詳細設計では、その方針を実際の機器へ設定できる形にします。 具体的には、各機器のIPアドレス、VLAN番号、通信経路、 冗長化の優先順位、通信制御、監視先などを決定します。 ここを明確にしておくことで、 構築担当者による判断の違いや設定ミスを減らします。」
技術設定ではなく「リスク低減」として説明する
| 技術的な内容 | 業務上の意味 |
|---|---|
| IPアドレスを事前に確定 | 重複や設定ミスを防ぐ |
| 冗長化パラメータを定義 | 障害時の想定外動作を防ぐ |
| ACLを具体化 | 不要な通信を防止する |
| 監視閾値を決定 | 障害や性能劣化を早期検知する |
| 設定値を文書化 | 属人化を減らし、変更・保守をしやすくする |
詳細設計で使われる英語表現
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Detailed Design | 詳細設計 |
| Detailed Design Document | 詳細設計書 |
| Configuration Parameter | 設定パラメータ |
| Interface Assignment | インターフェース割り当て |
| IP Addressing | IPアドレス設計・割り当て |
| Routing Policy | ルーティングポリシー |
| Failover | 障害時切り替え |
| Configuration Template | 設定テンプレート |
| Implementation | 実装・構築 |
レビューで使える表現
Are all IP addresses and interface assignments defined?
すべてのIPアドレスとインターフェース割り当ては定義されていますか?
What happens if the primary link fails?
主回線が障害になった場合、どのように動作しますか?
Is this configuration consistent with the high-level design?
この設定は上位設計と整合していますか?
How will this configuration be verified?
この設定はどのように確認しますか?
理解度チェック
詳細設計書の役割を理解できたか確認してみましょう。
問題1.詳細設計書の目的として最も適切なものはどれですか。
- 顧客の要望だけを記録する
- 製品比較だけを行う
- 基本設計を実際に構築できる設定値へ具体化する
- 障害発生後の報告だけを記録する
解答を見る
詳細設計では、基本設計で決めた方式を、 IPアドレスやVLAN IDなどの具体的な設定へ落とし込みます。
問題2.「OSPFを利用する」という記載は、 基本設計と詳細設計のどちらに近いでしょうか。
解答を見る
詳細設計では、Area、Router ID、Cost、 Passive Interfaceなどをさらに具体化します。
問題3.詳細設計で障害時の動作を記載する理由を説明してください。
解答を見る
冗長化構成では、 障害時にどの装置・経路へ切り替わるのかを事前に決めておかないと、 実装後に想定外の動作をする可能性があるためです。 また、障害試験の条件を作るためにも必要です。
問題4.詳細設計書とパラメータシートの違いを説明してください。
解答を見る
詳細設計書は機能をどのように実装するかを定義する文書、 パラメータシートは各機器の具体的な設定値を 一覧化する文書として分けることがあります。 ただし案件によって成果物の分け方は異なります。
問題5.良い詳細設計書かどうかを確認する質問を1つ挙げてください。
解答例を見る
「この設計書だけを渡された構築担当者が、 追加の設計判断をせずに設定を作れるか?」 と確認するとよいでしょう。
実践演習:基本設計を詳細設計へ落とし込む
あなたは小規模オフィスネットワークの 詳細設計を担当することになりました。
基本設計
- 営業部と技術部をVLANで分離する
- サーバー用ネットワークを別に用意する
- 管理ネットワークを一般端末から分離する
- デフォルトゲートウェイを冗長化する
- 内部ルーティングにはOSPFを使用する
- ネットワーク機器は監視サーバーから監視する
- ログはSyslogサーバーへ転送する
課題1.VLANとIPアドレスを決める
次の4用途について、 VLAN ID・ネットワークアドレス・デフォルトゲートウェイを設計してください。
- 営業部
- 技術部
- サーバー
- 管理
技術部:VLAN ___ / Network __________ / GW __________
サーバー:VLAN ___ / Network __________ / GW __________
管理:VLAN ___ / Network __________ / GW __________
解答例を見る
- 営業部:VLAN 100 / 10.10.100.0/24 / 10.10.100.1
- 技術部:VLAN 200 / 10.10.200.0/24 / 10.10.200.1
- サーバー:VLAN 300 / 10.10.30.0/24 / 10.10.30.1
- 管理:VLAN 900 / 10.10.90.0/24 / 10.10.90.1
正解は1つではありません。 重複がなく、用途を識別しやすく、 将来拡張も考慮できていれば構いません。
課題2.ゲートウェイ冗長化を設計する
VLAN 100について、 RT01を主系、RT02を待機系としてVRRPを設計してください。
RT01 実IP:____________
RT02 実IP:____________
VRRP Group:____________
RT01 Priority:____________
RT02 Priority:____________
解答例を見る
- Virtual IP:10.10.100.1
- RT01:10.10.100.2
- RT02:10.10.100.3
- VRRP Group:100
- RT01 Priority:120
- RT02 Priority:100
課題3.監視設計を追加する
RT01とRT02について、 最低3つの監視項目を設計してください。
2.________________________________
3.________________________________
解答例を見る
- 管理IPへのICMP死活監視
- WANインターフェース状態のSNMP監視
- CPU・メモリ使用率のSNMP監視
- VRRP状態監視
- Syslogによる重要イベント監視
課題4.試験項目を考える
作成した詳細設計が正しく実装されていることを確認するため、 5つの試験項目を考えてください。
2.________________________________
3.________________________________
4.________________________________
5.________________________________
解答例を見る
- 営業部端末からデフォルトゲートウェイへ通信できる
- 営業部と技術部が意図した通信制御になっている
- OSPFネイバーが正常に確立する
- RT01停止時にRT02へゲートウェイが切り替わる
- 監視サーバーが機器停止を検知できる
- Syslogサーバーへログが転送される
自分の言葉で説明する課題
新人エンジニアから、 「基本設計書があるのに、なぜ詳細設計書も必要なのですか?」 と質問されました。
1分程度で説明してみてください。
説明例を見る
基本設計では、ネットワーク全体をどの方式や構成で作るかを決めます。 ただし、「OSPFを使う」「VLANで分ける」だけでは、 実際の機器へ設定できません。
詳細設計では、VLAN番号、IPアドレス、OSPF Area、 冗長化の優先度、監視先などを具体的に決めます。 これによって構築担当者が同じ設計意図で設定でき、 設定ミスや担当者ごとの判断差を減らせます。
まとめ
- 詳細設計は、基本設計で決めた方式を 実際に構築できる設定値まで具体化する工程
- 基本設計は「どの方式で実現するか」、 詳細設計は「具体的にどう設定するか」を扱う
- IP、VLAN、インターフェース、ルーティング、 冗長化、セキュリティ、監視などを具体化する
- 正常時だけでなく障害時の動作も詳細設計で定義する
- パラメータシートは、機器ごとの設定値を一覧化するために 詳細設計書と分ける場合がある
- 構成図・基本設計書・詳細設計書・パラメータシート間の 整合性確認が重要
- 良い詳細設計書は、 構築担当者が追加の設計判断をせず設定へ進める
詳細設計書は「設定値の一覧」ではありません。 基本設計で決めた設計意図を、 構築・試験・運用へ正しく引き継ぐための文書です。
次の記事:構成案を比較する評価表
詳細設計を進める前には、 複数の方式からどの構成を採用するか判断する場面があります。
次の記事では、 可用性、性能、セキュリティ、コスト、運用性、 拡張性などの観点から複数案を比較し、 「なぜこの構成を選んだのか」を説明できる評価表の作り方を学びます。
上級編では、要件定義、基本設計、クラウド、 セキュリティ、自動化から、 設計書・提案・ケーススタディまで段階的に学びます。

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