「未経験からSES企業に入ると、年収が低いままになる」
インターネットやSNSでは、このような意見をよく見かけます。
これからIT業界を目指す人にとっては、かなり不安になる言葉ではないでしょうか。
結論からいうと、未経験SESの初年度年収が低くなりやすいのは本当だと、私は感じています。
私は23歳のとき、IT経験も資格もない状態でSES企業に入社しました。初年度の年収は約270万円です。
一方、5年目の現在は、ネットワークの設計・構築や顧客対応を担当し、年収は約450万円になる見込みです。
5年間で年収は約180万円上がりました。割合にすると約67%の増加です。
この結果だけを見ると、順調に年収が上がっているように見えるかもしれません。
しかし、実際には次のような問題も経験しました。
- 資格を取得しても基本給は上がらない
- 客先から評価されても、契約単価が上がらない
- 現場の評価と自社の昇進評価が一致しない
- 同じ現場に後から入った未経験者の方が単価が高い
- 仕事内容が高度になっても、給与に反映されるとは限らない
- 5年目に入って、年収の伸びが止まり始めた
この記事では、私の実際の年収推移を公開しながら、未経験SESの年収は本当に低いのか、なぜ給料が上がりにくいのかを解説します。
なお、この記事はSES企業すべてに当てはまる話ではありません。
会社の給与制度、勤務地、案件、契約単価、本人のスキルによって待遇は大きく異なります。あくまで、名古屋で未経験からネットワークエンジニアになった一人の実例としてご覧ください。
私が未経験からSES企業へ入社した経緯
私がSES企業へ入社したのは23歳のときです。
経歴は、決してきれいなものではありません。
大学を中退した後、しばらくニートをしていました。IT業界での実務経験はなく、プログラミングやネットワークを本格的に学習した経験もありません。
もちろん、IT資格も持っていませんでした。
そんな私がIT業界を選んだ理由は、非常に単純です。
IT業界なら、将来的に稼げるようになるのではないか。
当時は、SES、SIer、自社開発、受託開発といった業態の違いもよく分かっていませんでした。
ネットワークエンジニアが具体的に何をする仕事なのかも、十分には理解していなかったと思います。
入社したのは、社員数約3,000人の比較的大きなSES企業です。本社は東京にあり、私は名古屋で勤務することになりました。
初任給の基本給は約18万2,000円です。
固定残業代として20時間分が含まれ、20時間を超えた残業については追加で支給される制度でした。
資格手当と待機期間中の給与はありましたが、住宅手当はありませんでした。
私のSES入社後5年間の年収推移
私の年収と仕事内容の推移は、次のとおりです。
| 経験年数 | 年収 | 主な仕事内容 |
|---|---|---|
| 1年目 | 270万円 | ネットワークの設計・構築、顧客対応 |
| 2年目 | 370万円 | ネットワークの設計・構築、顧客対応 |
| 3年目 | 410万円 | ネットワークの設計・構築、顧客対応 |
| 4年目 | 450万円 | ネットワークの設計・構築、顧客対応 |
| 5年目 | 450万円見込み | ネットワークの設計・構築、顧客対応 |
1年目の270万円から、5年目には450万円まで上がっています。
ただし、毎年同じ理由で年収が上がったわけではありません。
特に1年目から2年目にかけて年収が100万円上がった大きな理由は、スキルアップによる昇給だけではなく、2年目から賞与が支給されるようになったためです。
つまり、「1年間働いたことで市場価値が一気に100万円上がった」というわけではありません。
年収を見るときは、基本給だけでなく、賞与、残業代、各種手当がどの程度含まれているかを確認する必要があります。
1年目は年収270万円。正直かなり残念だった
1年目の年収は約270万円でした。
率直にいうと、かなり残念に感じました。
将来性を期待してIT業界へ入ったものの、初任給の基本給は約18万2,000円。賞与も1年目はありません。
未経験であり、会社から見れば教育が必要な人材であることは理解していました。
それでも、実際に毎月の給与明細を見ると、「IT業界に入れば稼げる」という入社前のイメージとの違いを感じました。
ただし、私は最初の案件にかなり恵まれています。
未経験SESでは、監視、問い合わせ対応、キッティング、手順書に沿った定型作業などから始まることもあります。
一方、私は1年目からネットワークの設計・構築案件に配属されました。
いわゆる「案件ガチャ」に当たった状態です。
仕事の難易度は高かったものの、最初から設計・構築の経験を積めたことは、その後のキャリアに大きく影響しました。
初年度にCCNAと基本情報技術者を取得
入社後、私はCCNAと基本情報技術者試験に合格しました。
どちらも初年度に取得しています。
完全未経験の状態からネットワークの設計・構築案件に入り、実務と並行して資格を取得したため、自分なりにかなり努力したつもりです。
しかし、資格に合格したからといって、月給が上がったわけではありませんでした。
合格した場合は、受験料と一時的なお祝い金のような報奨金が支給されます。
資格を取得するメリットがなかったわけではありません。
ネットワークの基礎を体系的に学べたことや、未経験者として最低限の知識を証明できたことは、実務でも役立ちました。
ただし、少なくとも私の会社では、
資格取得=基本給アップ
ではありませんでした。
資格支援制度が充実している会社でも、「資格手当が毎月支給されるのか」「一時金だけなのか」「昇進要件に含まれるのか」では、収入への影響がまったく異なります。
資格制度があるという言葉だけで判断せず、具体的な仕組みまで確認した方がよいでしょう。
2年目は370万円。年収が100万円上がった理由
2年目の年収は約370万円です。
1年目と比べると、約100万円上がりました。
この数字だけを見ると、大幅な昇給に見えます。
しかし、大きな理由は賞与が支給されるようになったことです。
もちろん、基本給も上がっています。私の会社では、月額ベースで1万~2万円程度昇給する年がありました。
それでも、年収が100万円増えたすべての理由が、自分の技術力や契約単価の上昇だったわけではありません。
この経験から、年収推移を見る際には、次の項目を分けて考える必要があると感じました。
- 基本給がいくら上がったか
- 賞与が新たに支給されたか
- 残業時間が増えていないか
- 資格手当などが追加されていないか
- 契約単価が上がったか
- 社内の役職や等級が上がったか
年収だけが上がっていても、残業時間が大幅に増えていれば、時間単価はほとんど変わっていない可能性があります。
私の場合、2年目の大幅な年収増加はうれしかったものの、純粋な昇給だけによるものではありませんでした。
3~4年目は410万円から450万円へ
3年目の年収は約410万円、4年目は約450万円でした。
1年目から4年目までは、客先に常駐してネットワークの設計・構築を担当しています。
経験年数が増えるにつれて、一人で対応できる作業も増えました。
単に指示された設定を行うだけではなく、設計書の作成、構築、試験、関係者との調整など、担当する範囲も広がっていきました。
一方で、仕事内容そのものは、1年目から大きく変わっていません。
最初からネットワークの設計・構築案件に入れたため、監視から運用、運用から構築というように、工程が大きく変化するキャリアではありませんでした。
これは恵まれていた部分でもありますが、別の見方をすると、同じ分野、同じような役割を長く続けてきたともいえます。
経験年数が増えれば、自然に年収も上がり続けると思うかもしれません。
しかし、実際には、同じ仕事を続けるだけでは、どこかで昇給が止まります。
5年目は自社の受託案件へ。しかし年収は横ばい
5年目からは客先常駐ではなく、自社の受託案件を担当するようになりました。
現在は、ネットワークの構築・設計だけでなく、顧客対応も行っています。
客先から与えられた作業をこなすだけではなく、自社の立場で顧客とやり取りするようになったことは、大きな変化です。
それでも、5年目の年収は約450万円の見込みで、4年目からほぼ変わりません。
1年目から4年目までは年収が上がっていましたが、5年目に入って伸びが止まり始めました。
この経験から、私は次のように考えています。
実務経験を積むだけで、年収が自動的に上がり続けるわけではない。
ある程度までは、経験年数や社内の定期昇給によって年収が上がります。
しかし、その先は、役割を変える、専門性を高める、マネジメントを経験する、より待遇のよい会社へ移るなど、意識的な行動が必要になります。
未経験SESの年収は本当に低いのか
私の結論は、次のとおりです。
未経験SESの初年度年収は、低くなりやすい。しかし、SESだから一生低いとは限らない。
私の初年度年収は270万円でした。
dodaが2026年5月に公開したデータでは、ITエンジニア全体の平均年収は469万円、20代では398万円、ネットワークエンジニア全体では455万円となっています。
もちろん、この数字と未経験1年目の年収をそのまま比較することはできません。
dodaのデータには、経験者、30代以上、管理職、高度な専門技術を持つ人も含まれています。勤務地や企業規模も異なります。
それでも、私の初年度年収270万円が、ITエンジニア全体の水準と比べて低かったことは確かです。
一方、5年目の450万円は、dodaが示すネットワークエンジニア全体の平均455万円に近い金額です。
厚生労働省のjob tagでは、基盤システムの設計・構築に携わるITSSレベル1~2の年収帯として、420万~620万円という調査結果が掲載されています。ただし、これは第一四分位から第三四分位の範囲であり、SESだけを対象にした数字ではありません。
私の現在の年収450万円は、その範囲の下側に位置します。
つまり、私のケースでは、
- 未経験1年目は明確に低かった
- 5年間で一般的なネットワークエンジニアの水準に近づいた
- ただし、設計・構築と顧客対応を行う5年目として十分高いとは感じていない
というのが実態です。
なぜ未経験SESの年収は低くなりやすいのか
1.未経験者を採用・教育するコストがかかる
完全未経験者は、入社直後から経験者と同じ成果を出せるわけではありません。
研修、資格取得支援、営業活動、面談対策、現場でのフォローなど、会社側にもコストがかかります。
案件に入れない待機期間が発生しても、正社員であれば会社は給与や社会保険料を負担します。
そのため、未経験者の給与が経験者より低く設定されること自体は、ビジネス上ある程度理解できます。
私の会社では、待機中も給与が支払われる制度でした。
未経験者を採用し、仕事が決まるまでのリスクを会社が負う以上、入社直後から高い給与を支払うのが難しい事情はあります。
ただし、「教育コストがかかるから」という理由だけで、何年働いても低い給与のままでよいわけではありません。
経験を積み、顧客に価値を提供できるようになった後も待遇が変わらないのであれば、別の問題として考える必要があります。
2.給与の原資となる契約単価が低い
SES企業では、顧客から受け取る契約金額が売上の基礎になります。
SESという言葉に法律上の明確な定義があるわけではありませんが、一般的には、一定期間にわたってエンジニアの技術や専門スキルを顧客へ提供するサービスを指します。SES企業が準委任、派遣、請負など複数の形態を扱うこともあります。
私も、自分の請求単価を会社から教えてもらった経験があります。
初めて金額を知ったときは、想像していたほど高くありませんでした。
そのため、給与との差を見ても、「これならそんなものか」と感じました。
SNSでは、「会社が高額な単価を受け取っているのに、エンジニアへ少ししか還元していない」という話が目立ちます。
しかし、請求単価と給与の差額が、そのまま会社の利益になるわけではありません。
会社は、社会保険料の会社負担分、採用費、営業担当者の人件費、研修費、待機中の給与、管理部門の人件費なども負担します。
一方で、契約単価が上がっても給与にほとんど反映されない会社が存在することも事実です。
重要なのは、単純な単価と額面給与の比較ではなく、次の仕組みを確認することです。
- 単価が給与に連動するのか
- 社内等級によって給与が決まるのか
- 賞与に反映されるのか
- 昇給や昇進の条件が明確か
- 単価を本人へ開示しているか
3.現場評価と自社評価が一致しない
SESでは、普段一緒に働く客先の担当者と、給与や昇進を決める自社の評価者が異なることがあります。
この構造が、評価のずれを生みます。
私は現場から高い評価を受けても、契約単価が上がらなかった経験があります。
さらに、自社内の昇進要件もクリアできませんでした。
現場で重要な仕事を任されていることと、自社の評価制度上で昇進できることは、必ずしも同じではありません。
客先から「よく働いている」「仕事を任せられる」と評価されても、その内容が自社へ正しく共有されなかったり、社内の昇進項目と一致していなかったりすれば、給与には反映されません。
そのため、SESで働く場合は、現場で成果を出すだけでなく、その成果を自社へ伝える必要があります。
具体的には、次の内容を記録しておくことが大切です。
- 担当した案件の規模
- 自分が担当した工程
- 作成した設計書や試験資料
- 解決した障害や課題
- 顧客から受けた評価
- 作業時間やコストを削減した実績
- 後輩支援やチームへの貢献
技術力だけでなく、自分の成果を説明するビジネススキルも必要です。
4.本人の能力以外でも契約単価が変わる
私が特に納得できなかったのは、後から同じ客先へ配属された未経験者の方が、私より高い単価で契約されていたことです。
その方は、単価を含む自社の昇進要件をクリアしていました。
もちろん、その方に問題があったという話ではありません。
入場した時期、顧客の予算、営業交渉、契約更新のタイミング、担当営業、案件の需給など、さまざまな条件が違っていた可能性があります。
ただ、この経験から分かったのは、次のことです。
SESの契約単価は、エンジニア本人の技術力だけで決まるわけではない。
同じ現場で似た仕事をしていても、契約条件が異なる場合があります。
そして、会社の昇進制度が契約単価と強く結びついている場合、本人が直接コントロールしにくい要素によって評価が変わる可能性があります。
「スキルを上げれば必ず単価も給与も上がる」とは限りません。
本人のスキルに加えて、営業力、会社の取引構造、評価制度、契約更新のタイミングも影響します。
「案件ガチャ」は年収以上に重要
未経験SESでは、入社時の年収だけでなく、最初にどの案件へ配属されるかが重要です。
私は1年目からネットワークの設計・構築を経験できました。
この点では、かなり運がよかったと考えています。
仮に年収が同じ270万円でも、5年間ずっと手順書に沿った定型作業だけを続けた場合と、1年目から設計・構築を経験した場合では、その後の市場価値が大きく変わります。
そのため、未経験者がSES企業を選ぶ際には、初任給だけでなく、次の点を確認した方がよいでしょう。
- 未経験者の最初の配属先にはどのような案件が多いか
- 監視やキッティングから設計・構築へ進んだ実例があるか
- 本人の希望を案件選びに反映できるか
- 一つの現場から異動する仕組みがあるか
- 社内研修だけでなく、実務経験を積める環境があるか
- 自社受託や請負案件を保有しているか
最初の給与が多少高くても、スキルが身につかない案件を何年も続ければ、長期的な年収は上がりにくくなります。
反対に、最初の給与が低くても、市場で評価される実務経験を積めれば、その後の転職や昇給につなげられます。
何もしなければ5年目でも年収は低いまま
私は、経験年数が増えれば、ある程度までは給与も上がると考えています。
しかし、何もしなくても年収が上がり続けるわけではありません。
SESで年収が上がる人と上がらない人の違いは、会社や案件だけでなく、本人が自分でスキルアップできるかどうかにもあります。
ただし、ここでいうスキルアップは、資格を増やすことだけではありません。
実務で求められる能力は、次のように幅広いものです。
- 技術的な問題を自力で切り分ける能力
- 設計理由を説明する能力
- 顧客の要望を整理する能力
- 障害やリスクを分かりやすく報告する能力
- 関係者と合意形成する能力
- 自分の成果を職務経歴書や面談で説明する能力
- 新しい技術を自分で学ぶ能力
日本企業ではデジタル人材の不足が続いており、IPAの「DX動向2025」では、日本企業の85.1%がDX推進人材の不足を感じていると報告されています。
ただし、人材不足だからといって、すべてのITエンジニアの給与が自動的に上がるわけではありません。
企業が求めているスキルを持ち、それを実績として説明できる人材にならなければ、需要の高さを自分の給与へつなげることはできません。
過去の自分に伝えたい3つのこと
現在の私が、未経験で入社した1年目の自分へ助言するなら、次の3つを伝えます。
1.オンプレミスだけで満足せず、早めにクラウドを学ぶ
私はネットワークエンジニアとして、オンプレミス環境の設計・構築を中心に経験してきました。
オンプレミスのネットワークを学ぶこと自体は重要です。
TCP/IP、ルーティング、スイッチング、冗長化、VPNなどの基礎知識は、クラウドでも役立ちます。
しかし、オンプレミスだけを深掘りし続けるのではなく、基礎を身につけた段階で、早めにAWSやAzureのネットワークを学ぶべきでした。
厚生労働省のjob tagでも、基盤システムの仕事は、従来の物理機器中心の構築から、クラウドサービスを分析・設定してシステムを構築する仕事へ変化していると説明されています。
今から振り返ると、オンプレミスを完璧にしてからクラウドへ進むのではなく、オンプレミスとクラウドを並行して学ぶ方がよかったと感じます。
2.技術だけでなくビジネススキルを身につける
1年目の私は、技術力を高めれば自然に評価され、給与も上がると思っていました。
しかし、実際には技術力だけでは不十分です。
設計・構築ができても、顧客の要望を整理できなければ、上流工程は任されません。
障害を解決できても、その状況を顧客や上司へ分かりやすく説明できなければ、十分に評価されないことがあります。
また、自分が何を担当し、どのような成果を出したのかを説明できなければ、社内評価や転職面接でも不利になります。
特に身につけるべきだと感じるのは、次の能力です。
- 顧客への説明
- 要件の整理
- 障害報告
- ドキュメント作成
- 会議での発言
- 課題とリスクの管理
- 自分の成果の言語化
作業者から設計者、提案者へ進むためには、技術を知っているだけでなく、その技術を相手の利益やリスクと結びつけて説明する必要があります。
3.英語を後回しにしない
英語も、1年目から学んでおけばよかったと感じています。
ネットワーク製品やクラウドサービスでは、最新かつ詳細な情報が英語で先に公開されることがあります。
英語を避けていると、日本語の解説記事や翻訳された情報だけに頼ることになります。
最初から英会話を完璧にする必要はありません。
まずは、次のことができるだけでも大きな違いがあります。
- 英語でエラーメッセージを検索する
- 海外ベンダーの公式ドキュメントを読む
- 英語の技術用語を理解する
- サポートへの問い合わせ文を書く
- 海外の技術動画や講座を利用する
技術力、ビジネススキル、英語力を組み合わせれば、対応できる製品や案件の幅が広がります。
SES企業へ入社したことを後悔しているか
私は、SES企業へ入社したこと自体は後悔していません。
大学中退後にニートをしており、IT経験も資格もなかった私が、ネットワークエンジニアとして実務経験を積む機会を得られたからです。
1年目から設計・構築案件に入れたこともあり、5年間でネットワークの構築、設計、顧客対応まで経験できました。
SESは、未経験者がIT業界へ入るための入口になり得ます。
一方で、入社しただけで市場価値が上がるわけではありません。
配属された案件を何となく続け、会社から指示された業務だけをこなしていると、経験年数だけが増えてしまいます。
その状態になる前に、自分の市場価値を定期的に確認する必要があります。
5年目の現在、転職を検討している理由
私はこれまで転職を経験していません。
23歳で入社した会社に、そのまま5年間在籍しています。
現在の年収は約450万円で、1年目の270万円から見れば大きく上がりました。
しかし、5年目は前年からほぼ横ばいです。
現在は設計・構築だけでなく顧客対応も行っているため、仕事内容と給与が適切に釣り合っているのかを確認したいと考えるようになりました。
そのため、給与アップを目的の一つとして転職を検討しています。
ここで重要なのは、必ずしも転職することではありません。
まずは、現在の経験が社外でどの程度評価されるのかを確認することです。
求人を見る、職務経歴書を作る、転職エージェントと話す、実際に面接を受けるといった行動を通して、自分の市場価値が分かります。
社内の評価だけを見ていると、自分の給与が高いのか低いのか判断できません。
転職しない場合でも、外部の相場を知ることには意味があります。
未経験SES企業を選ぶときに確認したいこと
未経験からSES企業へ入る場合、求人票の初任給だけで判断しないことをおすすめします。
面接や会社説明会では、次の点を確認してみてください。
給与・評価制度
- 基本給はいくらか
- 固定残業代は何時間分か
- 賞与の支給実績はあるか
- 昇給額の平均はいくらか
- 資格手当は毎月か、一時金か
- 昇進条件は明文化されているか
- 客先評価をどのように社内評価へ反映するか
契約単価
- 契約単価を本人へ開示するか
- 単価が上がった場合に給与へ反映されるか
- 単価と社内等級がどのように関係するか
- 契約更新時に単価交渉を行うか
案件とキャリア
- 未経験者はどのような案件へ入ることが多いか
- 設計・構築案件へ進んだ実績があるか
- 案件変更を希望できるか
- 一つの現場に長期間固定されないか
- 自社受託や請負案件があるか
- クラウドやセキュリティ案件へ進めるか
待機時の待遇
- 待機中も基本給が全額支給されるか
- 待機を理由に給与が減額されないか
- 待機中に受けられる研修があるか
- 交通費や社会保険の扱いは変わらないか
会社名や「大手」という言葉だけでは、実際のキャリアは判断できません。
どのような案件で経験を積み、その経験がどのように給与へ反映されるのかまで確認することが重要です。
結論:未経験SESの年収は低い。ただし、低いままかどうかは行動で変わる
私の経験では、「未経験SESは年収が低い」という話は本当でした。
完全未経験で入社した1年目の年収は270万円です。
初任給の基本給は約18万2,000円で、賞与もありませんでした。
しかし、CCNAと基本情報技術者を取得し、ネットワークの設計・構築経験を積んだ結果、4年目には年収450万円まで上がりました。
一方、5年目の年収は横ばいです。
この5年間を通して分かったのは、次のことです。
未経験SESの入口の年収は低い。しかし、最も危険なのは、低い年収そのものではなく、市場価値が上がらない仕事を何年も続けることである。
SES企業へ入社すること自体が悪いわけではありません。
私のように、学歴や職歴に自信がなく、完全未経験からIT業界へ入るためのきっかけになることもあります。
ただし、会社へ入った後は、自分でキャリアを管理しなければなりません。
- どのような技術が身についたか
- どの工程を担当できるようになったか
- 顧客へどのような価値を提供したか
- 契約単価と給与は上がっているか
- 社外ではいくらで評価されるのか
- 次に何を学ぶべきか
これらを定期的に確認することが大切です。
経験年数だけを増やすのではなく、技術力、ビジネススキル、英語力を身につけ、実績として説明できる状態を作る。
それが、未経験SESから年収を上げるために必要な行動だと、5年間働いた現在の私は考えています。

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