対象レベル:Level 1〜2
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身につく成果:インフラエンジニアと開発エンジニアの仕事内容や必要スキルの違いを説明できる
関連スキル:ネットワーク/サーバー/クラウド/プログラミング/システム開発/キャリア設計
ITエンジニアの仕事を調べていると、よく目にするのが「インフラエンジニア」と「開発エンジニア」という職種です。
どちらもITシステムを作り、運用するために欠かせない仕事ですが、担当する範囲や必要な知識、成果物には違いがあります。
ただし、現在のITシステムでは、インフラと開発が完全に分かれているとは限りません。
クラウド、DevOps、コンテナ、Infrastructure as Codeなどの普及により、インフラエンジニアがプログラムを書く機会も、開発エンジニアがクラウド環境を構築する機会も増えています。
この記事では、どちらが優れているかを決めるのではなく、次の観点から両者の違いを比較します。
- 仕事内容
- 担当する技術
- 作成する成果物
- 仕事の進め方
- 障害対応
- 必要なスキル
- キャリアパス
- 働き方
それぞれの特徴を理解し、自分が関心を持っている仕事や、現在担当している業務を整理するために活用してください。
インフラエンジニアと開発エンジニアの違い
インフラエンジニアと開発エンジニアの違いを簡単に表すと、次のようになります。
| 比較項目 | インフラエンジニア | 開発エンジニア |
|---|---|---|
| 主な役割 | システムを動かす基盤を作る | システム上で動く機能を作る |
| 主な対象 | ネットワーク、サーバー、クラウド、OS、セキュリティ | Webサービス、業務システム、アプリ、API |
| 主な成果物 | 構成図、設計書、パラメータシート、設定、試験項目書 | ソースコード、設計書、API仕様書、テストコード |
| 主な技術 | TCP/IP、Linux、Windows Server、AWS、Azure、仮想化 | Java、Python、JavaScript、PHP、C#、データベース |
| 重視されること | 安定性、可用性、性能、セキュリティ | 機能、使いやすさ、保守性、処理の正確性 |
| 障害の例 | 通信できない、サーバーが停止した、負荷が高い | 画面が動かない、計算結果が違う、処理に失敗する |
| 変更の単位 | 構成、設定、リソース、通信経路 | プログラム、機能、画面、ロジック |
| 主な確認方法 | ログ、監視、コマンド、パケット、メトリクス | ログ、デバッガー、テスト、コードレビュー |
インフラエンジニアは、システムを動かすための「土台」を担当します。
開発エンジニアは、その土台の上で利用者が使う「機能」を担当します。
例えば、インターネットショッピングサイトの場合、役割は次のように分かれます。
利用者
↓
商品を検索する画面
カートへ追加する機能
注文を確定する機能
↓
開発エンジニアが担当する範囲
↓
Webサーバー
データベースサーバー
ネットワーク
クラウド環境
セキュリティ
↓
インフラエンジニアが担当する範囲
実際のプロジェクトでは、両者が連携しながら一つのシステムを作ります。
インフラエンジニアとは
インフラエンジニアは、ITシステムを安定して動かすための基盤を設計、構築、運用するエンジニアです。
「インフラ」はInfrastructureの略で、道路、電気、水道などの社会基盤を意味します。
IT分野では、次のようなものがインフラに含まれます。
- ネットワーク
- サーバー
- OS
- クラウド
- ストレージ
- 仮想化環境
- セキュリティ
- 監視システム
- バックアップ環境
システムの画面や機能が正しく作られていても、それを動かすサーバーやネットワークに問題があれば、利用者はサービスを使用できません。
インフラエンジニアは、サービスが利用できる状態を維持する役割を担います。
インフラエンジニアの主な種類
インフラエンジニアという言葉には、複数の専門領域が含まれます。
ネットワークエンジニア
ルーター、スイッチ、ファイアウォール、ロードバランサーなどを扱います。
主な業務は次のとおりです。
- IPアドレス設計
- VLAN設計
- ルーティング設計
- 拠点間接続
- インターネット接続
- VPN構築
- 通信障害の切り分け
サーバーエンジニア
LinuxやWindows Serverを使用して、サーバー環境を構築します。
主な業務は次のとおりです。
- OSのインストール
- アカウント管理
- Webサーバーの構築
- ファイルサーバーの構築
- バックアップ設定
- パッチ適用
- 障害調査
クラウドエンジニア
AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどを使ってシステム基盤を構築します。
主な業務は次のとおりです。
- 仮想ネットワークの設計
- 仮想サーバーの構築
- 権限管理
- 監視設定
- バックアップ設計
- オンプレミス環境との接続
- クラウド利用料金の管理
セキュリティエンジニア
システムやネットワークを攻撃や不正利用から守るための対策を行います。
主な業務は次のとおりです。
- ファイアウォールの設計
- アクセス制御
- 脆弱性対応
- セキュリティログの分析
- インシデント対応
- 認証・認可の設計
企業によっては、一人のインフラエンジニアが複数の領域を担当することもあります。
開発エンジニアとは
開発エンジニアは、プログラミング言語を使ってシステムやアプリケーションの機能を作るエンジニアです。
利用者が直接操作する画面だけでなく、画面の裏側で動く処理や、システム同士を接続するAPIなども開発します。
例えば、オンラインショップでは次のような機能を作ります。
- 商品を検索する
- 商品の詳細を表示する
- カートに商品を追加する
- 在庫を確認する
- 注文内容を保存する
- 決済サービスと連携する
- 注文完了メールを送信する
これらの処理をプログラムとして実装するのが、開発エンジニアの主な役割です。
開発エンジニアの主な種類
開発エンジニアにも複数の専門領域があります。
フロントエンドエンジニア
利用者がブラウザ上で操作する画面を作ります。
主に使用される技術は次のとおりです。
- HTML
- CSS
- JavaScript
- TypeScript
- React
- Vue.js
画面の見た目だけでなく、ボタンを押したときの動作や、入力内容のチェックなども実装します。
バックエンドエンジニア
サーバー側で動く処理を作ります。
主に使用される技術は次のとおりです。
- Java
- Python
- PHP
- Ruby
- C#
- Go
- SQL
ユーザー認証、データ登録、検索処理、外部サービスとの連携などを担当します。
モバイルアプリエンジニア
スマートフォンやタブレットで動くアプリを開発します。
- iOSアプリ
- Androidアプリ
- クロスプラットフォームアプリ
端末のカメラ、位置情報、通知などを利用する機能を実装することもあります。
組み込みエンジニア
自動車、家電、工場設備、医療機器などに組み込まれるソフトウェアを開発します。
Webシステムとは異なり、メモリや処理速度、消費電力などの制約を考慮する必要があります。
仕事内容を比較
インフラエンジニアの仕事の流れ
インフラエンジニアの仕事は、一般的に次の流れで進みます。
要件の確認
↓
基本設計
↓
詳細設計
↓
機器・クラウド環境の構築
↓
単体試験・結合試験
↓
本番環境への導入
↓
監視・運用・障害対応
例えば、新しい業務システムを導入する場合、次のような点を確認します。
- 利用者は何人か
- どの程度の通信量があるか
- サーバーは何台必要か
- 障害時にどこまで業務を継続するか
- インターネットからアクセスできるか
- 社外から利用するか
- どのように監視するか
- バックアップをどの程度保存するか
これらの要件をもとに、構成を決めていきます。
開発エンジニアの仕事の流れ
開発エンジニアの仕事は、一般的に次の流れで進みます。
要件の確認
↓
基本設計
↓
詳細設計
↓
プログラミング
↓
単体テスト
↓
結合テスト・システムテスト
↓
リリース
↓
保守・機能改善
例えば、新しい予約システムを開発する場合、次のような点を確認します。
- 誰がシステムを利用するか
- どのような情報を入力するか
- 予約内容をどこに保存するか
- 予約変更やキャンセルをどのように扱うか
- 管理者は何を確認できるか
- 外部の決済サービスと連携するか
- エラー時にどのような画面を表示するか
これらの要件を、画面、データ、処理の設計へ落とし込みます。
作成する成果物を比較
インフラエンジニアと開発エンジニアでは、作成する成果物にも違いがあります。
インフラエンジニアの主な成果物
- 物理構成図
- 論理構成図
- IPアドレス一覧
- VLAN一覧
- サーバー一覧
- クラウド構成図
- パラメータシート
- ファイアウォール通信要件表
- 監視項目一覧
- バックアップ設計書
- 作業手順書
- 試験項目書
- 障害報告書
インフラの設計では、「どの機器やサービスを、どのように接続するか」が重要です。
開発エンジニアの主な成果物
- 画面設計書
- 機能一覧
- 処理フロー
- データベース設計書
- テーブル定義書
- API仕様書
- ソースコード
- テストコード
- 単体テスト仕様書
- リリース手順書
- 操作マニュアル
- 不具合管理票
開発の設計では、「入力された情報をどのように処理し、どのような結果を返すか」が重要です。
必要な技術を比較
インフラエンジニアが扱う技術
インフラエンジニアは、システム全体を安定して動かすための技術を扱います。
ネットワーク
- TCP/IP
- IPアドレス
- VLAN
- ルーティング
- DNS
- DHCP
- NAT
- VPN
- ファイアウォール
- ロードバランサー
サーバー・OS
- Linux
- Windows Server
- Webサーバー
- DNSサーバー
- ファイルサーバー
- Active Directory
- ストレージ
- バックアップ
クラウド・仮想化
- AWS
- Microsoft Azure
- Google Cloud
- VMware
- コンテナ
- Kubernetes
運用・自動化
- 監視ツール
- ログ管理
- Shell Script
- PowerShell
- Python
- Ansible
- Terraform
インフラエンジニアも、設定の自動化やクラウド環境の構築でコードを書くことがあります。
開発エンジニアが扱う技術
開発エンジニアは、システムの機能を実装するための技術を扱います。
プログラミング言語
- Java
- JavaScript
- TypeScript
- Python
- PHP
- Ruby
- C#
- Go
- C
- C++
データベース
- MySQL
- PostgreSQL
- Oracle Database
- SQL Server
- NoSQLデータベース
フレームワーク
- Spring
- Django
- Laravel
- Ruby on Rails
- React
- Vue.js
- Angular
開発・テスト
- Git
- GitHub
- GitLab
- 単体テスト
- コードレビュー
- CI/CD
- デバッグ
- API開発
開発エンジニアも、アプリケーションを動かすためにクラウドやネットワークの基礎知識を使用します。
仕事で重視される観点を比較
両者は同じシステムを担当していても、重視する観点が異なります。
インフラエンジニアが重視する観点
可用性
機器やサーバーに障害が起きても、サービスを継続できるかを考えます。
そのため、次のような構成を検討します。
- サーバーの冗長化
- ネットワーク回線の冗長化
- 機器の二重化
- 複数拠点への分散
- 自動切り替え
性能
利用者が増えても処理できるか、通信が遅くならないかを確認します。
- CPU
- メモリ
- ディスク容量
- 通信帯域
- 同時接続数
- レスポンスタイム
セキュリティ
必要な利用者だけがシステムへアクセスできるようにします。
- ファイアウォール
- アクセス制御
- 暗号化
- 認証
- ログ管理
- 脆弱性対応
運用性
システムを継続して管理できるかを考えます。
- 監視方法
- バックアップ
- 障害時の連絡
- 定期メンテナンス
- 設定変更の手順
- ログの保存期間
開発エンジニアが重視する観点
機能性
利用者が必要とする処理を正しく実行できるかを考えます。
- 入力
- 検索
- 登録
- 更新
- 削除
- 計算
- 外部連携
使いやすさ
利用者が迷わず操作できるかを考えます。
- 画面の配置
- 操作手順
- 入力項目
- エラーメッセージ
- 表示速度
- スマートフォン対応
保守性
後から修正や機能追加をしやすいプログラムになっているかを考えます。
- コードの読みやすさ
- 処理の分割
- 命名
- コメント
- テストコード
- ドキュメント
正確性
入力されたデータが正しく処理されるかを確認します。
- 計算結果
- データの整合性
- 条件分岐
- 例外処理
- 重複登録の防止
- トランザクション管理
障害対応を比較
システム障害が発生した場合、インフラエンジニアと開発エンジニアでは確認するポイントが異なります。
インフラエンジニアが確認すること
「システムに接続できない」という障害では、次のような項目を確認します。
- サーバーが起動しているか
- ネットワークへ接続できるか
- DNSで名前解決できるか
- ファイアウォールで通信が拒否されていないか
- CPUやメモリが不足していないか
- ディスク容量が不足していないか
- ロードバランサーが正常か
- クラウドサービスに障害が発生していないか
使用する情報には、次のようなものがあります。
- pingやtracerouteの結果
- サーバーの状態
- ネットワーク機器のログ
- ファイアウォールログ
- CPU・メモリ使用率
- パケットキャプチャー
- クラウドの監視情報
開発エンジニアが確認すること
「ボタンを押しても処理が完了しない」という障害では、次のような項目を確認します。
- エラーが発生している処理はどこか
- 入力値に問題がないか
- プログラムの条件分岐が正しいか
- データベースへ接続できているか
- SQLが正しく実行されているか
- 外部APIから正常な応答が返っているか
- 例外処理が実装されているか
- 修正によって別の機能へ影響しないか
使用する情報には、次のようなものがあります。
- アプリケーションログ
- エラーメッセージ
- スタックトレース
- ソースコード
- デバッガー
- SQLの実行結果
- APIのリクエストとレスポンス
- テスト結果
両方の調査が必要になるケース
実際の障害では、原因がインフラとアプリケーションのどちらにあるか、最初から分かるとは限りません。
例えば、Webサイトの表示が遅い場合、原因候補には次のものがあります。
- ネットワークが混雑している
- サーバーのCPU使用率が高い
- データベースの処理が遅い
- プログラムが大量のデータを取得している
- 外部APIの応答が遅い
- DNSの応答に時間がかかっている
このようなケースでは、インフラエンジニアと開発エンジニアが情報を共有し、原因を切り分けます。
仕事の進め方を比較
インフラエンジニアの仕事の特徴
インフラ作業では、設定変更がシステム全体へ影響することがあります。
例えば、ファイアウォールの設定を誤ると、複数のシステムが通信できなくなる可能性があります。
そのため、変更前に次の内容を整理します。
- 作業内容
- 影響範囲
- 作業日時
- 確認方法
- 障害発生時の切り戻し方法
- 関係者への連絡
- 作業後の監視
本番環境の変更は、利用者が少ない夜間や休日に実施される場合もあります。
開発エンジニアの仕事の特徴
開発作業では、機能を細かく分けて実装し、テストと修正を繰り返します。
一般的には、次のような作業を行います。
- 要件を確認する
- 実装方法を検討する
- プログラムを書く
- 自分でテストする
- コードレビューを受ける
- 指摘を修正する
- 他の機能と組み合わせてテストする
- 本番環境へリリースする
チームによっては、短い期間ごとに機能を追加するアジャイル開発が採用されます。
コミュニケーションの違い
どちらの職種でも、技術力だけでなくコミュニケーションが必要です。
インフラエンジニアのコミュニケーション
インフラエンジニアは、次のような相手と連携します。
- 開発エンジニア
- サーバー担当者
- ネットワーク担当者
- セキュリティ担当者
- クラウド担当者
- 運用担当者
- ベンダー
- 顧客
- データセンター担当者
特に重要なのは、通信要件やサーバー要件を具体的に確認することです。
例えば、「システム間で通信したい」という要望だけでは、設定を作ることができません。
次のような情報が必要です。
- 送信元IPアドレス
- 宛先IPアドレス
- プロトコル
- ポート番号
- 通信方向
- 通信目的
- 利用開始日
開発エンジニアのコミュニケーション
開発エンジニアは、次のような相手と連携します。
- プロジェクトマネージャー
- デザイナー
- インフラエンジニア
- テスト担当者
- 業務担当者
- 顧客
- 他システムの開発担当者
特に重要なのは、利用者が必要としている機能を正確に理解することです。
例えば、「検索しやすくしてほしい」という要望を実装するには、次のような確認が必要です。
- 何を検索するのか
- どの項目で絞り込むのか
- 部分一致か完全一致か
- 検索結果を何件表示するか
- 並び順はどうするか
- 検索結果をダウンロードするか
両者とも、曖昧な要望を具体的な技術要件へ変換する力が求められます。
学習内容を比較
インフラエンジニアの学習例
初めてインフラ分野を学ぶ場合、次のような順番があります。
- コンピューターとOSの基礎
- IPアドレスとネットワークの基礎
- LinuxまたはWindows Server
- DNS、DHCP、HTTPなどの基本サービス
- 仮想化
- クラウド
- セキュリティ
- 監視と障害対応
- 構成管理と自動化
知識だけでなく、検証環境を作って実際に操作することが重要です。
開発エンジニアの学習例
初めて開発分野を学ぶ場合、次のような順番があります。
- コンピューターとOSの基礎
- プログラミング言語の文法
- 条件分岐と繰り返し
- 関数とクラス
- データベースとSQL
- Webの仕組み
- フレームワーク
- Git
- テスト
- アプリケーションの公開
プログラムを読むだけでなく、自分で小さな機能を作ることが学習の中心になります。
資格の位置づけを比較
インフラ分野で扱われる資格
インフラ分野では、次のような領域の資格があります。
- ネットワーク
- Linux
- Windows Server
- AWS
- Microsoft Azure
- Google Cloud
- セキュリティ
- ITサービス管理
資格学習では、ネットワークやOS、クラウドサービスの体系的な知識を整理できます。
一方で、実務では構成図、ログ、コマンド出力、設定内容を読み取る力も必要です。
開発分野で扱われる資格
開発分野では、次のような領域の資格があります。
- プログラミング言語
- データベース
- 情報処理技術
- クラウド開発
- ソフトウェア設計
- アジャイル開発
開発では、資格に加えて、作成したプログラムやソースコードを成果物として示す方法もあります。
資格と実務経験、制作物のどれが重視されるかは、企業や担当業務によって異なります。
キャリアパスを比較
インフラエンジニアのキャリア例
インフラエンジニアのキャリアには、次のような方向があります。
監視・運用
↓
構築
↓
詳細設計
↓
基本設計・要件定義
専門領域を深める場合は、次のような方向があります。
- ネットワークスペシャリスト
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
- SRE
- DevOpsエンジニア
- インフラアーキテクト
- ITサービスマネージャー
開発エンジニアのキャリア例
開発エンジニアのキャリアには、次のような方向があります。
プログラミング・テスト
↓
詳細設計
↓
基本設計
↓
要件定義
専門領域を深める場合は、次のような方向があります。
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- モバイルアプリエンジニア
- テックリード
- ソフトウェアアーキテクト
- データエンジニア
- 機械学習エンジニア
両方の職種から、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントへ進むケースもあります。
働き方を比較
働き方は企業やプロジェクトによって大きく異なりますが、担当業務によって一定の傾向があります。
| 比較項目 | インフラエンジニア | 開発エンジニア |
|---|---|---|
| 主な作業場所 | オフィス、データセンター、リモート | オフィス、リモート |
| 夜間作業 | 本番環境の変更で発生する場合がある | リリース作業で発生する場合がある |
| 緊急対応 | 障害時に発生する場合がある | 重大な不具合発生時に対応する場合がある |
| リモート勤務 | クラウドや設計業務では行いやすい | 開発環境が整っていれば行いやすい |
| 個人作業 | 設計、設定作成、調査 | 実装、テスト、調査 |
| チーム作業 | 構成検討、変更作業、障害対応 | 設計、コードレビュー、結合テスト |
インフラエンジニアでも、物理機器を扱わずクラウドだけを担当する場合があります。
開発エンジニアでも、セキュリティ上の理由から指定された場所でしか作業できない場合があります。
職種名だけで働き方が決まるわけではありません。
インフラと開発の境界は変化している
以前は、インフラエンジニアがサーバーを用意し、開発エンジニアがプログラムを配置するという分担が一般的でした。
現在は、両者の境界にある仕事も増えています。
DevOps
開発と運用が協力し、システムを継続的に改善する考え方です。
- 開発環境の自動構築
- 自動テスト
- 自動デプロイ
- 監視
- 障害情報の共有
- 改善の繰り返し
SRE
ソフトウェア開発の考え方を使って、システムの信頼性を高める役割です。
インフラの知識に加えて、プログラミングや自動化、監視設計などを扱います。
Infrastructure as Code
サーバーやネットワークなどのインフラ構成を、コードで管理する方法です。
代表的な用途には次のようなものがあります。
- クラウド環境の自動構築
- 設定変更の履歴管理
- 複数環境の再現
- レビューによるミスの防止
コンテナとKubernetes
アプリケーションの実行環境をコンテナとして管理する技術です。
開発とインフラの両方に関係するため、担当範囲は組織によって異なります。
関心の違いを比較するチェック項目
どちらがよいかを判断するのではなく、どのような作業に関心を持ちやすいかを整理してみましょう。
インフラ分野に関連する関心
- 通信がどの経路を通っているか調べたい
- サーバーやネットワークの構成を見るのが好き
- 障害の原因をログやコマンドから切り分けたい
- システムを安定して動かす方法を考えたい
- クラウド環境の構成を設計したい
- セキュリティやアクセス制御に関心がある
- 作業手順や影響範囲を事前に整理したい
開発分野に関連する関心
- 自分で機能やサービスを作りたい
- プログラムの動きを考えるのが好き
- 画面や操作方法を改善したい
- 複雑な処理を小さく分解したい
- エラーの原因をコードから見つけたい
- データを登録・検索・集計したい
- 作成した機能を利用者に使ってもらいたい
両方に当てはまる場合は、クラウド、DevOps、SRE、バックエンド開発など、インフラと開発の両方に関係する分野もあります。
未経験者が求人を見るときの確認ポイント
同じ職種名でも、実際の仕事内容は企業によって異なります。
求人票を見るときは、職種名だけでなく、具体的な業務内容を確認することが重要です。
インフラエンジニア求人の確認項目
- 監視、運用、構築、設計のどこを担当するか
- ネットワークとサーバーのどちらが中心か
- オンプレミスとクラウドのどちらを扱うか
- 手順書作業だけか、自分で調査・設計する機会があるか
- 夜間対応や休日対応があるか
- 使用する製品やクラウドサービスは何か
- 障害対応の範囲はどこまでか
開発エンジニア求人の確認項目
- 使用するプログラミング言語は何か
- フロントエンドとバックエンドのどちらか
- 新規開発と既存システムの保守のどちらか
- プログラミング以外に設計やテストも担当するか
- 使用するフレームワークは何か
- コードレビューの仕組みがあるか
- 開発方法はウォーターフォールかアジャイルか
「インフラエンジニア」「開発エンジニア」という名前だけでは、担当工程や必要スキルまでは判断できません。
よくある質問
インフラエンジニアはプログラミングをしないのですか?
プログラミングをまったく使用しない業務もありますが、自動化やクラウド環境の管理ではコードを書くことがあります。
主に使用されるものには、次のような技術があります。
- Shell Script
- PowerShell
- Python
- Ansible
- Terraform
- API
- YAML
- JSON
アプリケーション開発とは目的が異なり、設定作業の自動化や情報取得に使用されることが多い傾向があります。
開発エンジニアにネットワークの知識は必要ですか?
開発するシステムによっては必要です。
Webシステムやクラウドサービスでは、次のような知識が関係します。
- IPアドレス
- DNS
- HTTP・HTTPS
- ポート番号
- ファイアウォール
- ロードバランサー
- API通信
- TLS証明書
インフラ担当者と正確に会話するためにも、基礎的なネットワーク知識は役立ちます。
インフラエンジニアと開発エンジニアは一緒に仕事をしますか?
多くのシステム開発で連携します。
開発エンジニアが作成したアプリケーションを動かすには、サーバー、ネットワーク、データベース、監視、セキュリティなどの環境が必要です。
一方、インフラエンジニアが環境を設計するには、アプリケーションの通信方法や必要な性能を確認する必要があります。
途中で職種を変更することはできますか?
インフラから開発、開発からインフラへ担当領域を広げるケースはあります。
ただし、これまで使用していなかった技術を学び、実際に成果物を作る必要があります。
例えば、インフラから開発へ移る場合はプログラムやアプリケーションを作り、開発からインフラへ移る場合はクラウド環境やサーバー構成を作ってみる方法があります。
まとめ
インフラエンジニアと開発エンジニアは、どちらもITシステムを作り、維持するために必要な職種です。
インフラエンジニアは、主にネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティなど、システムを動かすための基盤を担当します。
開発エンジニアは、主にプログラミング言語を使い、利用者が使用する機能やシステム内部の処理を担当します。
両者の主な違いは、次のとおりです。
| 観点 | インフラエンジニア | 開発エンジニア |
|---|---|---|
| 作るもの | システムの実行基盤 | システムの機能 |
| 主な対象 | ネットワーク、サーバー、クラウド | 画面、処理、データ、API |
| 重視する点 | 安定性、可用性、性能、セキュリティ | 機能性、正確性、使いやすさ、保守性 |
| 主な調査方法 | コマンド、監視、ログ、パケット | コード、ログ、デバッガー、テスト |
| 主な成果物 | 構成図、設定、パラメータ、手順書 | ソースコード、画面設計、API仕様、テストコード |
一方で、クラウドやDevOpsなどの領域では、インフラと開発の知識を組み合わせて仕事をする機会もあります。
職種名だけで仕事内容を判断せず、担当する技術、工程、成果物、運用体制などを具体的に確認することが大切です。

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