ブロードキャストドメインとコリジョンドメインとは?違い・数え方を図解

ネットワーク中級編 02/全50記事

この記事は、 「ネットワーク中級編|構築・検証・障害切り分けを身につける」 の第2回です。

前回学んだMACアドレステーブルを土台に、スイッチがフレームを転送する範囲と、 ネットワークを分割する意味を整理します。

ブロードキャストドメインとコリジョンドメインとは?違い・数え方を図解

スイッチやルーターがネットワークをどのように分割するのかを理解するには、 ブロードキャストドメインとコリジョンドメインの違いを押さえる必要があります。 この記事では、ハブ・スイッチ・ルーター・VLANごとの範囲を図で確認し、 実務で使える数え方と確認方法まで解説します。

対象レベル Level 2・中級
想定読了時間 約25分
身につく成果 構成図から2種類のドメインを数えられる
前提知識 MACアドレステーブルの基本
演習環境 ブラウザのみ・任意でCisco CLI

「スイッチはネットワークを分割する」「ルーターはブロードキャストを止める」と覚えていても、 構成図を見たときに範囲を正しく数えられないことがあります。

原因は、ブロードキャストが届く範囲Ethernetの衝突が起こり得る範囲を混同しているためです。 まずは、それぞれが何を境界として分かれるのかを整理しましょう。

この記事を読み終えるとできること

  • 2つのドメインの違いを説明できる
  • ハブ・スイッチ・ルーターの分割範囲を判断できる
  • VLANごとにブロードキャスト範囲が分かれる理由を説明できる
  • 構成図からドメイン数を数えられる
  • コリジョン関連カウンターの異常を確認できる
  • ブロードキャスト増加時の切り分け観点を持てる

最初に結論:2つのドメインの違い

比較項目 ブロードキャストドメイン コリジョンドメイン
何の範囲か レイヤー2ブロードキャストが届く範囲 同時送信によるEthernet衝突が起こり得る範囲
代表的な境界 ルーター、レイヤー3インターフェース、VLAN スイッチポート、ブリッジポート
ハブの影響 分割しない 分割しない
スイッチの影響 同じVLAN内では分割しない ポートごとに分割する
ルーターの影響 インターフェースごとに分割する インターフェースごとに分割する
現代のLANでの重要性 VLAN設計、障害範囲、性能、セキュリティに直結 全二重が基本のため衝突自体は少ないが、構成理解と異常検知に必要

最も重要な覚え方

スイッチはコリジョンドメインをポートごとに分割しますが、 同じVLAN内のブロードキャストドメインは分割しません。 ブロードキャストドメインを分けるには、ルーターやレイヤー3機能、またはVLANが必要です。

ブロードキャストドメインとは

定義

ブロードキャストドメインとは、宛先MACアドレスが FF:FF:FF:FF:FF:FFのフレームなど、レイヤー2ブロードキャストが届く範囲です。

Ethernetスイッチはブロードキャストフレームを受信すると、 原則として受信ポート以外の同一VLAN内ポートへ転送します。 そのため、同じVLANに所属する端末は、スイッチを複数台またいでいても 1つのブロードキャストドメインに含まれます。

同一VLAN内ではブロードキャストが全端末へ届く

ブロードキャストドメイン 1
💻 PC-A ARP Requestを送信
🔀 スイッチ 受信ポート以外へフラッディング
💻 PC-B フレームを受信
💻 PC-C フレームを受信

ブロードキャストが使われる代表例

ARP Request

IPv4通信で、同一セグメント上のIPアドレスに対応するMACアドレスを調べるときに使われます。

DHCP Discover

端末がまだ自分のIPアドレスやDHCPサーバーの場所を知らない状態で、 DHCPサーバーを探すために送信します。

IPv4ブロードキャスト

リミテッドブロードキャストやサブネット向けブロードキャストとして、 セグメント内の複数端末へ通知する目的で使われます。

一部の探索・通知プロトコル

製品やプロトコルによっては、同一LAN内の機器探索やサービス通知に ブロードキャストが使われることがあります。

IPv6にはIPv4のようなブロードキャストがありません。 近隣探索などではマルチキャストが使われます。 ただし、この記事ではEthernetとIPv4を中心に説明します。

ルーターはブロードキャストを通常転送しない

ルーターは異なるIPネットワークを接続する機器です。 受信したレイヤー2ブロードキャストフレームを、別インターフェースへそのまま転送しません。 そのため、ルーターのインターフェースがブロードキャストドメインの境界になります。

ルーターを境界にブロードキャスト範囲が分かれる

ブロードキャストドメイン 1
💻PC-A192.168.10.10
🔀SW1VLAN 10
RouterGi0/0
ブロードキャストドメイン 2
RouterGi0/1
🔀SW2VLAN 20
💻PC-B192.168.20.10

DHCP Discoverもルーターを越えないため、別セグメントにあるDHCPサーバーを利用するときは、 ルーターやレイヤー3スイッチにDHCPリレーを設定します。

コリジョンドメインとは

定義

コリジョンドメインとは、複数端末が同時に送信したときに、 Ethernet信号の衝突が起こり得る共有範囲です。

古い共有型Ethernetでは、複数端末が同じ伝送路を使っていました。 2台が同時に送信すると信号が衝突し、フレームを再送する必要があります。 この衝突を検知・回避するために使われた仕組みがCSMA/CDです。

ハブはコリジョンドメインを分割しない

ハブは受信した電気信号をほかの全ポートへ繰り返す装置です。 宛先MACアドレスを判断せず、全端末が同じ通信媒体を共有します。 したがって、ハブに接続された端末全体が1つのコリジョンドメインになります。

ハブ接続:全体で1つのコリジョンドメイン

コリジョンドメイン 1
💻PC-A半二重
ハブ信号を全ポートへ中継
💻PC-B半二重
💻PC-C半二重

スイッチはポートごとにコリジョンドメインを分割する

スイッチはポートごとに独立してフレームを送受信できます。 そのため、端末とスイッチ間の各リンクは別々のセグメントとして扱われます。 教材上は、スイッチの各ポートが1つのコリジョンドメインを形成すると数えます。

スイッチ接続:各ポートが独立したコリジョンドメイン

💻PC-Aコリジョンドメイン 1
🔀スイッチ各ポートを分離
💻PC-Bコリジョンドメイン 2
💻PC-Cコリジョンドメイン 3
🔀同じスイッチ別ポート
ルーターコリジョンドメイン 4

厳密な実務上の補足

現代のスイッチ接続は全二重通信が基本であり、正常な全二重リンクでは衝突は発生しません。 それでも学習上「各スイッチポートが別のコリジョンドメイン」と表現するのは、 共有媒体ではなく独立したEthernetセグメントになっていることを示すためです。

ハブ・スイッチ・ルーターの違い

機器 主な動作 ブロードキャストドメイン コリジョンドメイン
ハブ 受信信号を全ポートへ繰り返す 分割しない 分割しない
レイヤー2スイッチ MACアドレステーブルを基にフレームを転送 同一VLAN内では分割しない ポートごとに分割する
ルーター ルーティングテーブルを基に異なるIPネットワーク間を転送 インターフェースごとに分割する インターフェースごとに分割する
レイヤー3スイッチ スイッチングとルーティングの両方を行う VLAN・SVI・ルーテッドポートを境界に分割する 物理ポートごとに分割する

1台のスイッチだけではブロードキャストを止められない

スイッチは宛先MACアドレスを学習し、通常のユニキャストフレームを必要なポートだけへ転送します。 しかしブロードキャストフレームは宛先が全端末であるため、同じVLAN内へ広げます。

つまり、スイッチを導入すると不要なユニキャスト転送と衝突は減らせますが、 同じVLANにいる限りブロードキャスト範囲は同じです。

宛先MACアドレスがMACアドレステーブルに未学習の Unknown Unicastも、同一VLAN内の受信ポート以外へフラッディングされます。 ただし、これはブロードキャストフレームそのものではありません。

VLANとブロードキャストドメイン

VLANは、1台または複数台のスイッチを論理的に分割する技術です。 同じ物理スイッチに接続されていても、異なるVLANに所属するポート同士は 別のレイヤー2ネットワークとして扱われます。

1台のスイッチをVLAN 10とVLAN 20に分割

VLAN 10=ブロードキャストドメイン 1
💻PC-AVLAN 10
🔀SW1Gi0/1・Gi0/2
💻PC-BVLAN 10
VLAN 20=ブロードキャストドメイン 2
💻PC-CVLAN 20
🔀同じSW1Gi0/3・Gi0/4
💻PC-DVLAN 20

VLAN 10で発生したARP RequestはVLAN 10内にだけ転送され、VLAN 20には届きません。 VLAN 10とVLAN 20の間で通信するには、ルーターまたはレイヤー3スイッチによる Inter-VLAN Routingが必要です。

トランクポートは複数のブロードキャストドメインを運ぶ

スイッチ間のトランクポートは複数VLANのフレームを運びます。 ただし、VLAN 10とVLAN 20が1つのブロードキャストドメインに統合されるわけではありません。 802.1QタグによってVLANを識別したまま転送されます。

基本ルール:1 VLAN=1ブロードキャストドメイン

複数スイッチにまたがるVLANでも、同じVLAN IDとして正しくトランク転送されていれば、 論理的には1つのブロードキャストドメインです。

構成図からドメイン数を数える方法

ブロードキャストドメインの数え方

  1. VLANを確認する VLANが分かれていれば、原則としてVLANごとに1つ数えます。
  2. ルーターやレイヤー3境界を確認する ルーターの異なるインターフェース、SVI、ルーテッドポートの先は別ドメインです。
  3. スイッチの台数では数えない 複数スイッチでも同一VLANで接続されていれば1つのブロードキャストドメインです。
  4. トランク上のVLANを論理的に分ける 1本のトランクにVLAN 10・20・30が通っていれば、3つのドメインが同じ物理リンクを通ります。

コリジョンドメインの数え方

  1. ハブでつながる共有範囲を1つとして数える ハブ配下の端末とハブを接続するスイッチポートまでが1つの共有範囲です。
  2. スイッチの使用リンクを1つずつ数える PC-スイッチ、スイッチ-スイッチ、スイッチ-ルーターの各リンクは別セグメントです。
  3. VLAN数はコリジョンドメイン数に直接影響しない コリジョンドメインは主に物理ポート・リンク単位で考えます。
  4. 全二重では実際の衝突は発生しないと補足する 試験上の数え方と、現代LANの実動作を分けて説明します。
例1

ハブにPCを3台接続

ルーターやVLANはなく、1台のハブだけで接続されています。

ブロードキャスト1
コリジョン1
例2

スイッチにPCを3台接続

全ポートが同じVLANで、PCを3台接続しています。

ブロードキャスト1
コリジョン3
例3

ルーターの左右にスイッチ

ルーターの2インターフェースに、それぞれ1台のスイッチを接続しています。

ブロードキャスト2
コリジョン使用リンク数
例4

1台のスイッチにVLANを3つ作成

VLAN 10・20・30があり、各VLANに端末が接続されています。

ブロードキャスト3
コリジョン使用ポート数

問題文に無線LAN、共有媒体、ポートチャネル、仮想スイッチなどが含まれる場合は、 単純な「ケーブル本数=コリジョンドメイン数」では整理できないことがあります。 まずは有線Ethernetのハブ・スイッチ・ルーター構成で基本を固めてください。

全二重通信では衝突が起きない理由

現代のスイッチ接続では、端末とスイッチが送信用・受信用の通信を独立して行う 全二重通信(Full Duplex)が一般的です。 送信と受信を同時に行っても信号が同じ共有媒体上で競合しないため、衝突は発生しません。

項目 半二重 全二重
送受信 同時には行えない 同時に行える
代表的な構成 ハブを使った共有Ethernet スイッチと端末のポイントツーポイント接続
衝突 発生する可能性がある 正常なリンクでは発生しない
CSMA/CD 必要 使用しない

現代でもコリジョンカウンターを見る理由

全二重通信が正常に成立していれば、コリジョンは通常0です。 それにもかかわらずコリジョンやLate Collisionが増えている場合は、 次のような異常を疑います。

  • 片側が全二重、もう片側が半二重になっている
  • 速度・デュプレックスの自動ネゴシエーションが正常に成立していない
  • 古いハブや半二重機器が残っている
  • ケーブルや物理層に問題がある
  • 機器やドライバーの不具合が発生している

現場では「コリジョンドメインはいくつか」よりも、 「全二重なのにコリジョンが増えていないか」が重要です。

実機で確認するコマンド

ブロードキャストドメインは設定上のVLANとレイヤー3境界から確認します。 コリジョン関連の異常は、インターフェース状態とエラーカウンターから確認します。 以下はCisco IOS系の代表例です。

VLANの所属を確認する

Cisco IOS:VLAN一覧
Switch# show vlan brief

VLAN Name                             Status    Ports
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
1    default                          active    Gi0/5, Gi0/6
10   SALES                            active    Gi0/1, Gi0/2
20   ENGINEERING                      active    Gi0/3, Gi0/4

この例では、VLAN 1・10・20の3つが存在するため、 少なくとも3つのブロードキャストドメインがあります。 ただし、未使用VLANや孤立したVLANを実際の通信範囲として数えるかは、問題の条件に合わせます。

ポートのスイッチポート設定を確認する

Cisco IOS:アクセスポート・トランクポート確認
Switch# show interfaces gigabitEthernet 0/1 switchport

Name: Gi0/1
Switchport: Enabled
Administrative Mode: static access
Operational Mode: static access
Access Mode VLAN: 10 (SALES)

Access Mode VLANを確認すると、そのポートで受信したタグなしフレームが どのブロードキャストドメインに所属するか分かります。

速度とデュプレックスを確認する

Cisco IOS:ポート状態
Switch# show interfaces status

Port      Name        Status       Vlan       Duplex  Speed Type
Gi0/1     PC-A        connected    10         a-full  a-1000 10/100/1000BaseTX
Gi0/2     PC-B        connected    10         a-full  a-1000 10/100/1000BaseTX
Gi0/3     PC-C        connected    20         a-full  a-1000 10/100/1000BaseTX

a-fullは自動ネゴシエーションによって全二重で動作している例です。 対向機器側の状態も確認し、両端で速度とデュプレックスが一致していることを確認します。

コリジョンやインターフェースエラーを確認する

Cisco IOS:詳細カウンター
Switch# show interfaces gigabitEthernet 0/1

GigabitEthernet0/1 is up, line protocol is up (connected)
  Full-duplex, 1000Mb/s
  0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored
  0 output errors, 0 collisions, 0 interface resets
  0 late collision, 0 deferred

全二重リンクでは、collisionslate collisionは通常0です。 数値が増え続ける場合は、デュプレックス不一致や物理層の問題を調査します。

機種やOSバージョンによって、コマンドの表示項目や表記は異なります。 実務では機器の公式コマンドリファレンスも確認してください。

現場での障害切り分け

ケース1:同じVLANだけ通信が不安定

1つのVLANに多数の端末が所属し、ブロードキャストやUnknown Unicastが増えていると、 スイッチや端末の処理負荷が上がることがあります。

  1. 影響範囲をVLAN単位で確認する 特定VLANだけか、複数VLANか、全社的な問題かを切り分けます。
  2. インターフェースのBroadcastカウンターを確認する 通常時と比べて急増しているポートがないか確認します。
  3. ループやSTP異常を確認する レイヤー2ループが発生すると、ブロードキャストが繰り返し転送され、 ブロードキャストストームにつながる可能性があります。
  4. MACアドレスの移動や増減を確認する 同じMACアドレスが複数ポート間を高速に移動する場合、ループや誤配線を疑います。
  5. 原因ポートを段階的に絞る 影響を考慮しながら、アクセススイッチや端末側の接続を絞り込みます。

ケース2:全二重ポートでLate Collisionが増える

Late Collisionは、通常の衝突検知範囲より遅いタイミングで検知された衝突です。 現代の全二重リンクで増加する場合は正常ではありません。

  • 両端の速度・デュプレックス設定を確認する
  • 片側固定・片側Autoになっていないか確認する
  • ケーブル種別、配線長、コネクタ状態を確認する
  • 対向ポートのエラーカウンターも確認する
  • ポートやケーブルを交換し、事象が追従するか確認する

ケース3:DHCPだけ利用できない

DHCP Discoverはブロードキャストです。 DHCPサーバーとクライアントが別ブロードキャストドメインにいる場合、 ルーターやレイヤー3スイッチにDHCPリレーが必要です。

  • クライアントの所属VLANが正しいか
  • アクセスポートのVLAN設定が正しいか
  • トランクで対象VLANが許可されているか
  • SVIまたはルーターインターフェースがUpか
  • DHCPリレーの転送先IPアドレスが正しいか
  • DHCPサーバー側に対象サブネットのスコープがあるか

ブロードキャストドメインを理解すると、 「このパケットはどこまで届くのか」「どこから先はルーティングやリレーが必要か」を判断できます。 これがVLAN障害やDHCP障害を切り分ける土台になります。

よくある勘違い

スイッチを増やせばブロードキャストドメインも増える

同じVLANとして接続されている限り、スイッチの台数が増えても ブロードキャストドメインは1つのままです。

スイッチはブロードキャストを宛先ポートだけへ送る

ブロードキャストには特定の1台を示す宛先がありません。 スイッチは受信ポート以外の同一VLAN内ポートへ転送します。

全二重通信でもCSMA/CDで衝突を回避している

全二重リンクでは送信と受信が独立しており、衝突は発生しません。 CSMA/CDは共有型・半二重Ethernetで使われます。

トランクポートは複数VLANを1つのドメインにまとめる

トランクは複数VLANを同じ物理リンクで運ぶだけです。 VLANごとのブロードキャストドメインは分離されたままです。

VLAN設計は障害の影響範囲を決める

ブロードキャスト、レイヤー2ループ、誤設定などの影響は、 原則としてVLAN単位で広がります。VLANは性能だけでなく、障害範囲やセキュリティにも関係します。

理解度チェック

次の5問に答えて、2つのドメインの違いを確認しましょう。 先に自分で考えてから解答を開いてください。

問題1.レイヤー2スイッチが分割するものはどれですか。

  1. ブロードキャストドメインだけ
  2. コリジョンドメインだけ
  3. 両方とも常に分割する
  4. どちらも分割しない
解答を見る
正解:B

スイッチはポートごとにコリジョンドメインを分割します。 一方、同一VLAN内のブロードキャストドメインは分割しません。

問題2.同じスイッチ上にVLAN 10・20・30がある場合、ブロードキャストドメインはいくつですか。

  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 使用ポート数と同じ
解答を見る
正解:C

原則として1 VLANが1ブロードキャストドメインになるため、3つです。

問題3.全二重Ethernetリンクでコリジョンカウンターが増加しています。最初に疑うべきものはどれですか。

  1. DNS設定
  2. デュプレックス不一致や物理層の異常
  3. ルーティングテーブルの最長一致
  4. NTPの時刻ずれ
解答を見る
正解:B

正常な全二重リンクではコリジョンは発生しません。 速度・デュプレックス設定やケーブル状態を確認します。

問題4.ARP Requestはルーターを越えて別セグメントへそのまま転送されますか。

解答を見る
正解:通常は転送されません。

ARP Requestはレイヤー2ブロードキャストです。 ルーターは別インターフェースへそのまま転送しないため、ブロードキャストドメイン内だけに届きます。

問題5.次の空欄を埋めてください。

ハブはブロードキャストドメインとコリジョンドメインのどちらも( A )。 スイッチは同一VLAN内のブロードキャストドメインを( B )が、 コリジョンドメインはポートごとに( C )。

解答を見る
A:分割しない B:分割しない C:分割する

実践演習:構成図からドメイン数を数える

次の構成を読み取り、ブロードキャストドメインとコリジョンドメインを数えてください。

演習用構成

VLAN単位でブロードキャスト範囲を考える 物理リンク単位でコリジョン範囲を考える
VLAN 10
💻PC-ASW1 Gi0/1
🔀SW1VLAN 10・20
🔀SW2トランク接続
💻PC-BSW2 Gi0/1
VLAN 20
💻PC-CSW1 Gi0/2
🔀SW1Gi0/24 trunk
L3SWSVI 10・20
🖥️Serverルーテッドポート

課題1.ブロードキャストドメイン数

VLAN 10、VLAN 20、L3スイッチからサーバーへのルーテッドリンクを考慮し、 ブロードキャストドメインはいくつあるか答えてください。

回答:____個。理由:____________________。
課題1の解答を見る

解答:3個

  • VLAN 10:1個
  • VLAN 20:1個
  • L3スイッチとサーバー間のルーテッドセグメント:1個

SW1とSW2の台数ではなく、VLANとレイヤー3境界で数えます。

課題2.コリジョンドメイン数

次の物理リンクが使用されているものとします。

  • PC-A-SW1
  • PC-C-SW1
  • SW1-SW2
  • PC-B-SW2
  • SW1-L3SW
  • L3SW-Server
回答:____個。数え方:__________________。
課題2の解答を見る

解答:6個

ハブはなく、すべてスイッチまたはレイヤー3機器との独立リンクです。 教材上は使用している各リンクを1つのコリジョンドメインとして数えます。 実際には全二重であれば衝突は起こりません。

課題3.ARP Requestの到達範囲

PC-AがVLAN 10内でARP Requestを送信した場合、PC-B・PC-C・Serverのうち、 どの端末までフレームが届くか答えてください。

回答:____________________________。
課題3の解答を見る

PC-Bには届きます。PC-CとServerには届きません。

PC-AとPC-Bは同じVLAN 10です。PC-CはVLAN 20、Serverはルーテッドセグメントにあり、 レイヤー3境界を越えてARP Requestは転送されません。

課題4.障害報告を作る

VLAN 20でブロードキャストが急増し、同VLANの通信だけが不安定になりました。 事実・影響範囲・確認内容・次の対応を100〜150文字程度でまとめてください。

発生事象:____________________________________。
報告例を見る

VLAN 20に所属する端末で通信遅延を確認しました。ほかのVLANでは同事象は発生していません。 SW1のVLAN 20収容ポートでブロードキャスト受信数が急増しているため、 レイヤー2ループまたは端末異常を疑い、MACアドレス移動とSTP状態を確認します。

自分の言葉で説明する課題

後輩から「スイッチを使うと、ブロードキャストドメインとコリジョンドメインは どう変わりますか」と質問されました。1分以内で説明してください。

スイッチは、____________________________________。
説明例を見る

スイッチはポートごとに通信を独立させるため、コリジョンドメインを分割します。 一方、同じVLAN内ではブロードキャストフレームを受信ポート以外へ転送するため、 ブロードキャストドメインは分割しません。ブロードキャスト範囲を分けるには、 VLANを分けるか、ルーターやレイヤー3スイッチを境界にします。

説明には、「スイッチポートごと」「同じVLAN内」「ルーターまたはVLANで分割」 の3点を含めると、違いが伝わりやすくなります。

まとめ

  • ブロードキャストドメインは、レイヤー2ブロードキャストが届く範囲
  • コリジョンドメインは、共有Ethernet上で衝突が起こり得る範囲
  • ハブは、どちらのドメインも分割しない
  • レイヤー2スイッチは、コリジョンドメインをポートごとに分割する
  • 同じVLAN内では、スイッチをまたいでも1つのブロードキャストドメインになる
  • ルーターやレイヤー3インターフェースは、ブロードキャストドメインの境界になる
  • 原則として1 VLANが1ブロードキャストドメインになる
  • トランクは複数VLANを運ぶが、VLAN同士を1つのドメインにはしない
  • 現代の全二重Ethernetでは正常時に衝突は発生しない
  • 全二重ポートでコリジョンが増える場合は、デュプレックス不一致や物理層異常を疑う

「ブロードキャストはVLAN・レイヤー3境界で分ける」、 「コリジョンはスイッチポート・リンクごとに分ける」と整理すると、構成図を正しく読めます。

次の記事:VLANの仕組み

今回は、VLANごとにブロードキャストドメインが分かれることを学びました。

次の記事では、1台のスイッチを複数の論理ネットワークへ分割するVLANについて、 VLAN ID、ポートの所属、フレーム転送の流れを図解します。

ネットワーク中級編 02/全50記事

中級編では、スイッチング、ルーティング、セキュリティ、パケット解析、 障害切り分けを、構成図・コマンド・演習を通して学びます。

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